『Jodorowsky's Dune』
2013/米 上映時間90分
監督:フランク・バビッチ
製作:フランク・バビッチ
ステファン・スカーラータ
トラビス・スティーブンス
製作総指揮:ドナルド・ローゼンフェルト
キャスト:アレハンドロ・ホドロフスキー
ミシェル・セイドゥー
H・R・ギーガー
クリス・フォス
ブロンティス・ホドロフスキー
ニコラス・ウィンディング・レフン
85点
”ああだこうだ計画してる時が一番楽しい”
ヒューマントラストシネマ有楽町で鑑賞。
平日だからか場内まばらな印象。
アレハンドロ・ホドロフスキーという映画監督がおりまして。
彼の作品『エル・トポ』はカルト映画の元祖とされておりまして、次作『ホーリー・マウンテン』も凄まじい作品でございまして。
口では説明出来ないので、予告をご参照くださいませ。
その凄まじさの片鱗はお分かりいただけるかと。
とにかくドラッギーな映像世界で、観る者の思考を停止させる類いの作品達。
そして、何よりそのドラッギーさが癖になる。
だから何度でも観る。
故にカルト化する。
この2作の監督ホドロフスキーが、デヴィット・リンチが監督した作品『DUNE/砂漠の惑星』を元々製作していて、各パート選りすぐりの精鋭を集め、製作に移ろうとした矢先に頓挫。
この、ホドロフスキー製作の『DUNE』の製作の過程、空中分解までのあれこれを描いたのが今作、『ホドロフスキーのDUNE』
未完の大作『DUNE』を、監督のホドロフスキーは勿論、製作に関わってたミシェル・セイドゥー、H・R・ギーガー、クリス・フォス、ブロンティス・ホドロフスキー、そしてニコラス・ウィンディング・レフン等々、彼の作品に影響を受けた人々の証言を元に紐解いていきます。
そして明らかになるのは、凄く面白そう。とてつもなく観てみたい。
完成してたのならばとんでもない作品になっていたのは間違いない。
ただ、いくらなんでもこれ作るの無理だよぉ
映画の歴史を変えるつもりだった。
間違いなく変えることが出来たと話すホドロフスキーの表情が本当に生き生き。
齢80を越えてあのバイタリティは何なんだ。
主演は私の息子だ。
デザインはギーガーに頼もう。
ミック・ジャガーにも出てもらって、敵役はダリでないとダメだ。
魂の戦士を集めて最高の映画を作る。
そう嬉しそうに語るホドロフスキーの顔を見てるだけでもうこっちまでニコニコしてくるし、話す全ては実現しなかった企画のあらすじ、つまり一切の妥協をしていない100%の理想系な訳で、面白くない訳がなかろうが!!てな訳ですよ。
彼を見ていて個人的に連想したのは、作風も含めて大林宣彦監督
年を重ねる毎にアバンギャルドさが増してるのに、作風は一貫している辺りも凄く似てる。
そして何よりあのエネルギッシュさですよ。
ホドロフスキー、間違いなく変態だと思います。
間違いないと思います。
企画が頓挫し、幻となったホドロフスキーの『DUNE』
だがしかし、そのDNAはしっかりと受け継がれました。
デザインを担当したギーガーはその後ご存知『エイリアン』のビジュアルイメージを担当。『プロメテウス』では『DUNE』で使うはずだったデザインを流用してみせます。
その他『スター・ウォーズ』『ブレード・ランナー』『マトリックス』『ターミネーター』
数々のSF映画に影響を与えたのです。
失敗はしたがこれでいいんだ。全てはイエスだ!と話すホドロフスキーの顔がまた嬉しそうで。
この野郎、デヴィット・リンチに企画を取られたことがショックで弱音を吐いて劇場に行かなかった癖に!
息子に励まされて観に行った結果、あまりの駄作ぶりにみるみる元気が湧いて来た癖に!!
未完となったのは間違いなくショックだったでしょう。
でも、
”失敗がなんだ?だからどうした?『DUNE』はこの世の夢だ。でも夢は世界を変える”
そうドヤ顔で語るホドロフスキーの顔はキラキラしてました。
そうです、あなたが蒔いた種は綺麗な花を咲かせたのです。
シナリオもビジュアルイメージも完璧なものがあるのだから、いつでも映像化出来るはず。
100%の出来で、ホドロフスキーのDUNEを観てみたい。
でも、何でもそうだけども、ああだこうだ計画を練って話してる時の方が、物事は一番楽しいのだ。
<あらすじ>
「ホーリー・マウンテン」「エル・トポ」などでカルト的人気を誇る奇才アレハンドロ・ホドロフスキー監督が映画化に挑んだものの、実現に至らず失敗に終わった幻のSF大作「DUNE」。フランク・ハーバートの「デューン 砂の惑星」を原作に、サルバドール・ダリやミック・ジャガー、オーソン・ウェルズ、メビウス、H・R・ギーガー、ピンク・フロイドら豪華スタッフ&キャストをそろえながらも、撮影前に頓挫した同作の驚きの企画内容や製作中止に追い込まれていった過程を、ホドロフスキー自身やプロデューサー、関係者へのインタビュー、膨大なデザイン画や資料などから明らかにしていくドキュメンタリー。
映画.com
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