2014年1月28日火曜日

ソウルガールズ


The Sapphires
2012/豪 上映時間103分
監督:ウェイン・ブレア
脚本:キース・トンプソン
トニー・ブリグズ
製作:ローズマリー・ブライト
カイリー・デュ・フレズネ

キャスト:クリス・オダウド
デボラ・メイルマン
ジェシカ・マーボイ


60点






"入口と出口が違う気がする”


町山智裕さんが去年の年間ベストに入れてたんで、期待値を上げ喜び勇んで劇場に向かったんですが、ある理由で私はそこまで乗り切れず、熱を入れて観れませんでした。


”60年代当時、アボリジニの居住区に住む先住民であるが故に差別されていた4人の姉妹が、同じくその当時差別を受けていたアメリカ南部に住む黒人発祥のソウル・ミュージックで成功を収める”

これが大まかなあらすじで、話を聞くだに心が熱くなるし、映画も凄く丁寧に作られていて、序盤のコンテストシーンなんかは簡潔ににそれぞれの歌声の特徴を聴かせてるし、少し露骨な気はしますが、差別的な野次が飛んでくるのもその後の展開を予感させて良かったです。


その後、マネージャーにデイヴが加わってからのソウル・ミュージック特訓シーン。
特に、デイヴが一人で盛り上がる件は笑えるし、燃えるしで最高でした。
ソウルフルな曲達に思わず身体が動いてしまう。最高です。






ただ、それまでサブエピソードだったそれぞれの色恋話がメインの話にシフトしてからの後半が問題でして。

彼女達の初仕事はなんと、戦争真っ只中のヴェトナムに行きアメリカ軍を慰問すること。
戦時下のベトナムで危険な体験に遭遇する中で、それぞれが恋をするんですけど、後半になるにつれて、その割合が多くなっていくんですよ。

なんだかぁ、入り口と出口が違う感じがするぞ。
熱いソウルはどこに行ったのか。
それに合わせてお話のテンションも萎んだ様な印象。
ラストのステージの半端さは残念で仕方が無い。

後半にキング牧師暗殺のニュースを流すのなら、マイノリティとしての彼女達の立場をテーマとしてもっと深く掘り下げるべき。

総じて消化不足感が残りました。

あと、従姉妹がメンバー加わる件はテンポ優先で良しとしても、ベトナムに行ってからの回想はちょっと唐突過ぎる。それに対しての解決も無いし。


ただ、全体に雰囲気がカラッとしてるから気持ちよく観られます。
それだけに、ちょっとウェットに感じる後半が勿体ない。






戦時下のベトナムの様子は結構迫力があったし、見所は沢山あります。
何よりソウルフルな歌は聞いてて無条件に楽しいです。
ただ、それももろに録音なのが本当に惜しい。

過度な期待をしなければ、十分に楽しめるかと。
一見の価値はありです。


2014年1月23日木曜日

エンダーのゲーム


Ender's Game
2013/米 上映時間114分
監督:ギャヴィン・フッド
脚本:ギャヴィン・フッド
製作:ロベルト・オーチー
アレックス・カーツマン 他
製作総指揮:デイビット・コートスワース
デボラ・デル・プレト
原作:オースン・スコット・カード

キャスト:エイサ・バターフィールド
ヘイリー・スタインフェルド
ベン・キングズレー
ヴィオラ・デイヴィス
ハリソン・フォード

50点




”去年の『オブリビオン』枠。つまり・・・”



去年の12月辺りから劇場で予告はちょくちょく目にしてましたけど、「『エンダーのゲーム』?なんか変ななまえだなー」くらいの軽い気持ちでいまして、有名なSF小説が原作だと知ったのはその後のこと。

そんな軽めのスタンスでいた訳ですけど、公開日初日にシネマイクスピアリへ『キック・アス』のリバイバルを観るついでにハシゴで観てきました。

原作は未読です。


まず良い所。

いきなりで恐縮ですが、クライマックスの戦闘シーン。

子供達がずらーっと並び、変なゴーグルを付けて機械をカタカタ。
それを大きな身振りで指揮するエンダーの図は凄く描写として新鮮でした。

痛みを伴わない未来の戦争描写としてどこか不気味さもあって、凄く好きなディテールではあります。



映像も美しく見応え上がる等々、良い所はそれなりにあるんですけど、それ以上にちょっとお話に難があり。

恐らく元の小説ではきっちり描かれてた部分をかなり省略しているのでしょう、全体的に展開が駆け足で物語と世界観に奥行きがあまり無い。

そもそも主人公のエンダーくんに全く感情移入が出来ないです。

この世界では少子化政策があって、一家族に二子までしか子をもうけられず、そんな中生まれたのが”禁断のサード(第三子)”エンダーくん。

なんでも、第三子のエンダーは、その境遇故に宇宙戦争を終わらせる使命を背負っているのだと。

能力を認められたエンダーは、訓練学校を天才的な才能でグングン飛び級して行くんですけど、観ているこっちは彼の能力の根拠が”サード”ってこと以外知らないし、序盤からいじめっ子を強気に撃退したり、ミッションも難なくこなすわで、彼結構イケイケなキャラなんですよ。

なんだかなぁ。
”禁断のサード”ってことで彼なりの悩みと葛藤はあるんでしょうけど、どうも思い入れられない。
直前に『キック・アス』を観ている分余計に。

訓練開始から能力バシバシ発揮、飛び級で自分の隊を持たせてもらい、その隊も最初から団結してミッション突破。

エンダーを演じるエイサ・バターフィールドくんの幼顔で彼が葛藤してる風に見えなくもないんですけど、いやいや結局はノリノリじゃないか。

原作がそうと言われたらそれまでですけど、映画だけ観るとどうも最初から能力のある者が結局活躍する話にしか感じられなくてどうも好きになれない。



観ていてワクワクしない訓練シーンは好きではない



最終試験のある展開も、酷い話ではありますけど、仮に訓練であってもあれはエンダーが下した指示であって、ネタバラシをされて怒るのも無理は無いとしても、なんだろう、この腑に落ちない感じは。

この展開がエンダーにとっての初めての挫折で、その後の彼の決断に繋がっていくと考えれば納得出来なくも無い。

でもねぇ、それまで積み上げて来たもの無いから唐突に自分の運命を自覚されてもなんだかなぁ。



戦闘の設定自体は新鮮でした



映像はなかなか綺麗で、ラストの戦闘シーンは新鮮でした。
見所が無い訳ではない

ただ、お話が平坦な上に駆け足で深みに欠けるからキャラに奥行きが無く、所々腑に落ちない箇所がある。
去年もそんなSF映画がありました。

『オブリビオーン』


原作は間違いなく面白いのだと思います。
ただ、この映画に限ってはちょっと中途半端な作品になってしまったかと。


2014年1月21日火曜日

トリック劇場版 ラストステージ


トリック劇場版 ラストステージ
2014/日本 上映時間112分
監督:堤幸彦
脚本:蒔田光治
音楽:辻陽
主題歌:鬼束ちひろ「月光」

キャスト:仲間由紀恵
阿部寛
生瀬勝久
野際陽子
東山紀之
北村一輝 他


30点





”観た私が悪うござんす”



物事の好みは人それぞれ。
笑いのツボなんてその最たるものなんでね、この映画が純粋に面白いのであればそれは素晴らしいことだと思いますよ。
自分の周りにはその気配すら無いですけど、この記事によると世の中にはマニアックな堤幸彦ファンがいるらしいですし。気が知れませんが。

そうです、明らかな地雷を踏みに行った私が悪いんです。



阿部ちゃんは良いです


”笑いのツボ”なんて言いましたけど、そもそも『トリック』ってこんな強引に笑わせにくるような雰囲気じゃ無かったはず。

初期のドラマシリーズは好んで観てましたけど、その時の雰囲気は深夜ドラマ的な毒っ気とそことの緩急のネタで笑わせて、実際そこがクスっと笑える程度の所謂”ユルい”感じだったから面白かった訳で。

終幕ってことで気合いが入ったんでしょうかね。
今回は余りにもギャグの手数が多過ぎるし、それが全てつまらない。
しかも、ギャグが本編の話を邪魔して緊張感を削いでるから、謎解きのミステリー要素はゼロ。

こんなのもう『トリック』じゃない。
残ったものは、堤の寒いセンスのギャグを延々見せられる2時間だけ。
ただね、こんな事は今に始まったことじゃないんでね、驚きませんよ。
村上商事で村上ショージも、ムッシュ・ムラー村でダチョウ倶楽部も許そう。

ただ、なんだか今回のトリックは”泣けるトリック”らしいですけど、その泣かせにかかる唐突さよ。あまりにもブサイク過ぎる。
誰の熱も感じられないクライマックスに口あんぐり。



仲間由紀恵も良いです


ラストの潔さは結構好きな方です。劇場内もどよめいてました。
ただ、それまでが余りにもブサイク。

余計なまでのオーバーラップ描写なんかを観ると、なんだか堤は、あのラストがやりたくて今回の劇場版を作ってそうで。
勝手な想像ですけど堤幸彦ならやりかねない。

本当なら点数一桁でもいいんですけど、上田と奈緒子の掛け合いに何カ所かクスッともしたので、仲間由紀恵と阿部寛パワーの分で。

あと、相変わらず仲間由紀恵はお美しい上に奈緒子を演じてるとめちゃキュート。
その分もプラスで。


今のところのワースト候補かなぁ。
ただ、堤作品ってことで最初から分かりきってたことだから、そんなに悪く言う気力も無いのが悲しいところ。


2014年1月18日土曜日

大脱出


Escape Plan
2013/米 上映時間115分
監督:ミカエル・ハフストローム
脚本:マイルズ・チャップマン
製作:ロビー・ブレナー
マーク・キャントン 他
製作総指揮:ブラント・アンダーセン
ジョージ・ファーラ 他
原案:マイルズ・チャップマン

キャスト:ジルヴェスター・スタローン
アーノルド・シュワルツェネガー
ジェームズ・カヴィーゼル
エイミー・ライアン

65点





”一緒に飯を食おう”



スタローンとシュワちゃん共演で求めるものは一つ。
それは美しく濃密なふたりのやりとりであって、多少の粗をあげつらうのは、ステーキハウスでフランス料理を頼むが如く愚かな行為。

出て来たらそれはそれで驚くべきことですけど、求めるのは300gのリブステーキを美味しく焼いてくれることじゃないですか。

その点においてこの映画には大満足です。
美味しいステーキを頂けました。

スタローンとシュワルツェネガーが時に拳で、時にご飯を食べながら語らいます。



もの凄い仲良しこよし



これは当たり前の話なんですけど、とにかく二人がよく絡む。
この二人の絡みが何より嬉しい。
だってこれを観に来たんだから。

しかもシュワちゃんの方が積極的に絡んで行くんです。
「何か必要なものある?」なんてスタローンに聞いたりして。
なんだよあんたら、微笑ましいわ。

一緒に食堂でご飯を食べたりして。
「このパン美味しいよ」なんてスタローンに言ったりして。
なんだよあんたら、凄く微笑ましいわ。

スタローンの読みで、脱出口があると思われる隔離棟にふたりして行くことに。
ただ、それには騒ぎを起こして自分達を隔離させる必要が。

そしたらば二人ったら、喧嘩を始めて騒ぎを起こそうとするじゃないですか。
この荒い話運び、嫌いじゃない。むしろプラスさ。

一番好きな絡みは、不審な動きを察知されて、所長から来る日も来る日も意地悪されて、脱獄への意欲が下がりきったスタローンをシュワちゃんが励ますシーン。

その士気の下げ方かなり露骨過ぎないか?なんてことはどうでも良い。
ふたりが仲良くやってるだけでにこにこ出来るじゃないか。



「良い一日を」



ここから若干ネタバレ含みます。
ネタバレと言えば、日本版ポスター及び予告編に、割と前半のキーとなるネタバレが含まれてます。
これは大問題。
これから観に行く際は、決して情報は入れずに劇場へ行きましょう。
知らずに行った私はなかなかに驚けました。


クライマックス。
地上に出て脱獄に成功し、後はヘリで逃げるだけ。
ヘリに乗ったシュワちゃんは機関銃をぶっ放し、そして一言「良い一日を」

良いねぇ!分かってるねぇ!!
『ラスト・スタンド』でも立派なのがありましたけど、やっぱり捨て台詞がなきゃね。

ただ、欲を言えば、スタローンとの共闘シーンがもっと観たかった。
例えば、二人が背中合わせで銃を撃ち合う等々のベタな演出があればより燃え度はより上がりましたね。
終盤が少し駆け足ぎみなのが惜しい所。



濃い二人に負けず、かなりの存在感を放ってました。



主演の二人はすごく良し。
それだけで十分とも言えるんですけど、肝心の脱獄計画が少々雑な力技なのと、割と運任せでもあって”脱獄モノ”としての緊迫感はあまり無し。

医者に調べさせる件はかなり強引じゃないですかね。

ただね、ただ最初に言いましたよ。
ええ、そんな理屈は元々求めてねぇ。

シュワちゃんが機関銃をぶっ放して、スタローンがドラム缶を爆発させればそれで終いなんじゃ!!

恐らくもう無いであろうこの共演を観るべし。


2014年1月16日木曜日

麦子さんと


『麦子さんと』
2013/日本 上映時間95分
監督:吉田恵輔
脚本:吉田恵輔
仁志原了
挿入曲:松田聖子『赤いスイートピー』

キャスト:堀北真希(小岩麦子)
松田龍平(小岩憲男)
余貴美子(赤池彩子)
温水洋一(井本まなぶ)
麻生裕未(ミチル)



80点





"二人を繋ぐ、赤いスイートピー”




鑑賞は去年、年の瀬も押し迫った12月28日。

『ばしゃ馬さんとビッグマウス』も最高だったし、吉田監督の作品を年にふたつも観れる何てと、ウキウキ気分でテアトル新宿に向かった訳ですが、これが良くてですね、年末の慌ただしい新宿の街をニコニコで歩く帰り道でした。

耳に流れるのはもちろん、赤いスイートピー。



ミズタク!もとい、麦子さん兄


鑑賞中に真っ先に思ったことは、なるほどこれは『あまちゃん』に通ずるものがあるだと。

『あまちゃん』の天野アキとその母春子さんにクローズアップして、90分に凝縮させたらこんな感じになる、気がする。
松田龍平も出てるし。

つまりどういうお話かと言うと、母の生きた軌跡を巡り、母の人生を知り、過去と現在が一つに繋がる。
そんなお話。

最大の共通点は、過去と現在を繋げる役割を担う要素が”アイドル”と言う点。

物語の主人公麦子さんは、母の死をきっかけに彼女の故郷へと向かいます。
そして、母の故郷で過ごしてるうちに、今まで知らなかった母の人生を知り、麦子さんの中にある止まっていた時計、母との時間が再び動き出すんです。

自分と同年代の時の母の話を聞き、母になる前の彼女が登場するあたり、もの凄く表面的ですが『あまちゃん』ぽい。


そして、ふたりを繋ぐもう一つの大きな要素となるのが、松田聖子の”赤いスイートピー”ですよ。

余貴美子さん演じるお母さんが、料理を作りながら”赤いスイートピー”を口ずさみます。
彼女が昔、アイドルを目指していた時に、地元のお祭りで披露した曲。

その曲がラスト、娘である麦子さんが東京に帰る際に流れる演出。
それまでのタメも効いてもう反則。
静かに涙を流してしまいました。

これは『あまちゃん』で、鈴鹿ひろ美が「潮騒のメモリー」を遂に自分の歌声で歌い、その瞬間、その役目を終えたかつての春子の姿、有村架純が消えた演出同様、過去と未来を一つの曲が繋ぐ演出じゃないか。

私、こう言うのに弱いんですよ。



母の当時の姿と一人二役。これがまた良い。


他の方も沢山話題にされてるんですが、これは言及しない訳にはいかない。

麦子さん役の堀北真希がめちゃ可愛い。

コンビニで兄と立ち読みをしながら母の動向を探ってるシーン。
妹が兄の肩を殴るあの感じ、もう、なんか、たまらん。
本当に監督分かってらっしゃる。

『純喫茶磯辺』の仲里依紗、『さんかく』の小野恵令奈、『ばしゃ馬さんとビッグマウス』の安田章大

しっかり役者さんを映画内に納めてる辺り、吉田監督は役者さんの使い方、撮り方が本当に巧い。

間違いなく現時点での堀北真希の代表作でしょう。



余貴美子さんの佇まいは本当にお母さん


ただ、母のお墓の前での堀北さんの語りは少しウェット過ぎないかなと思ったりもしたんですけど、この作品は吉田監督自身のお母さんに捧げたものだと聞き、自分のそんなちんけな思いなんかどっかに吹っ飛びました。

細かい話、テレビを観てるのにやたらと話しかけてくる感じ、苦笑いにも見えるなんとも言えない表情等々、余貴美子さんの母親感が凄くてですね、なるほど、これは吉田監督の実体験込みなのだろうと。

それを存在感込みで演じる余貴美子さんが素晴らしい。



過去と未来を繋ぐ、赤いスイートピー。


ラスト、麦子さんの横を通り過ぎる、自転車を二人乗りする親子で涙。
麦子さんは何を思うのでしょう。








2014年1月11日土曜日

くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密(吹き替え 2D)


Cloudy with chance of meatball2
2013/米 上映時間95分
監督・脚本:コディ・キャメロン
クリス・パーン
製作:パム・マースデン
カーク・ボディフェルト
製作総指揮:フィル・ロード

キャスト:ビル・ヘイダー
アンナ・フィリス
ジェームズ・カーン
ウィル・フォーテ


78点




"わかさ生活!!”


ソニーのCGアニメーションです。

CGアニメなら王様ピクサーとドリームワークスで間に合ってるからなぁ。
なんてことを思いつつ、前作の評判が良いと聞き鑑賞してきました。

その結果、凄い面白い!!
ピクサーともドリームワークスともまた違う世界観で非常に満足。


これは前作も観なければなるまい。



動物達を考えるの楽しかっただろうなぁ



なにが良かったかと聞かれたら、とにもかくにもフードアニマル達の造形です。

ハンバーガーのクモ、タコスのワニ、サンドウィッチのクジラ等々、その姿形がどれも美味しそうで、尚かつちゃんとその動物に見える辺りがすごい見ていて気持ちいいし、目に楽しいから観ていて飽きない。

エビの猿とか良く思いつきましたよ。
エビにしか見えないし、猿にしか見えない。
すーごい気持ちのいいバランスです。

そのフードアニマル達の中に、マシュマロに目と口を付けただけの日本人好みの可愛いキャラもいたりして、これがもの凄く可愛くて、しっかりツボも抑えてる。
あのマシュマロ達はずっと見ていたい。

あと、ブルーベリーのフードアニマルが出てくるんですけど、どうみてもわかさ生活のイメージキャラクターにしか見えないです。
もしかすると、『ブルーベリーアイ』のCMを観てこのアイディアを思いついたか、なんて邪推。

フードアニマル以外も、キャンディーの山、メープルシロップの海等々どれも見てて楽しいものばかりです。



特にこいつらは可愛い



フードアニマル達以外のキャラクターもその動きが気持ちいいです。
特に敵キャラのヌルヌルした動きなんかは特に良いです。

ピクサーのキャラが自然な動きをしてるのに対して、完全にデフォルメされた動きになってます。
CGアニメだから出来るヌメッとした動き。
これはこれで見ていて楽しい。



素晴らしいメープル感!!



世界観の造形とキャラの動きを見ているだけで大満足でした。
それだけで十分、面白かった!!


2014年1月10日金曜日

ハンガー・ゲーム2


The Hanger Games:Catching Fire
2013/米 上映時間146分
監督:フランシス・ローレンス
脚本:サイモン・ボーファイ
マイケル・アーント
製作:ニーナ・ジェイコブス
ジョン・キリク
製作総指揮:スーザン・コリンズ
ジョセフ・ドレイク 他
原作:スーザン・コリンズ

キャスト:ジェニファー・ローレンス
ジョシュ・ハッチャーソン 他

60点




”この既視感、『アフター・アース』”



流れは前作とほぼ同じ。
大会までの導入が長い。

しかし、前作をしっかり鑑賞した自分にとってそんなことは予想の範囲内。
そんなことに目くじら立てませんよ。
むしろ余裕を持って楽しめたくらいです。



生き残ったのに直ぐ大会参加。無情。



前作に比べて倒すべき本当の敵がはっきりしてる分、お話として一本筋が通ってます。
2作目でやっと話が動き出した感じ。
前作で諸々の世界観の説明も済んでるからすんなり物語にも入っていけました。

が、そうなってくると色々腑に落ちない部分が。

前回覇者のカットニスを革命の脅威に感じたスノー大統領が、今回は大会を使って彼女の抹殺を試みるんですけど、これもの凄く回りくどくないですかね。
希望があるから人々は反乱を起こさないと、まるで『ダークナイト ライジング』のベインの様な彼なりの理論をお持ちのようですけど、ベイン同様納得が出来ない。

カットニスの処刑をテレビ中継した方がより民衆に恐怖心を植え付けられて、尚かつ手っ取り早く無いですかね。
でもでも、この映画の大前提のルールなんで、良しとしましょう。
乗りましょう乗りましょう。



その迫力で気にならなくなるけど、やっぱりその理論どうなんだ。



ただ、カットニスの抹殺が目的で、倒すべき本当の敵がハッキリしている分、大会としての面白さはもうゼロですよね。
序盤は申し訳程度に戦いはしますけど、それを過ぎると重点は力を合わせてのサバイブへシフト。
主催者側も前作に増して力を入れてフィールドをいじるから、スーツしかり密林しかりで『アフター・アース』を観ているよう。

そうなって再び湧いてくるのは、これ回りくどく無いかな、と言う疑問。

ただ、2作目にしてようやく理解しました。
このシリーズは、圧政に苦しむ民衆がカットニスに希望を見出して遂に立ち上がる話なのね。
大会は、あくまでカットニスが自らの運命を”自覚する場”なのね。
予告から受ける”バトル・ロワイアル感”をそもそも描く気は無いと。

なるほど、じゃあ、次作を観るしか無いじゃないか。

次への繋ぎをばりばりに感じさせるラストで映画は終り。
次作が完結編になるのでしょう。
こうなったら大会はもういいから今度こそ革命だ!!



キャストでぐっと映画としての格が上がった気が。



前作と同様キャスト陣は素晴らしいです。
やっぱりジェニファー・ローレンスはスパークしてます。

フィリップ・シーモア・ホフマンの登場で映画としての格も上がった様な気にもさせてくれます。

とにかく3作目は、もう大会はいいので革命に専念してほしいです。
今まで謎だった三角関係設定にも蹴りが付くみたいですし。

間違っても恋人のゲイルが政府側に付いて、革命と恋に揺れるなんてことにならない事を祈りつつ、続編を待とうと思います。


・追記
TOHOシネマズ船橋のドルビーアトモス環境で鑑賞したんですが、これが中々に良かったです。
特に大会が始まってからの密林での場面は、四方から飛んで来る音に包まれて自分も森にいるかの様。


2014年1月7日火曜日

ハンガー・ゲーム


HUNGER GAMES
2012/米 上映時間142分
監督:ゲイリー・ロス
脚本:ビリー・レイ
スーザン・コリンズ
ゲイリー・ロス
製作:ニーナ・ジェイコブソン
ジャン・キリク
製作総指揮:ロビン・ビセル
スーザン・コリンズ 他
原作:スーザン・コリンズ

キャスト:ジェニファー・ローレンス
ジョシュ・ハッチャーソン


50点




”あなたの気持ちが分からない”



今公開中の『ハンガーゲーム2』を観る為に、前作は観ておいた方がいいとのことでDVDで後追い鑑賞。

ダメ映画との評判は前々から聞いてましたが、なるほど、その理由も分かる。

ゲームが始まるまでの長さは気になりましたけど、訓練シーン等々割と好きな箇所も多いです。
ただただ、肝心のゲームが始まってから、特に後半40分ですよ。
もの凄く分かりやすくお話に問題あり。
それまでギリギリであった楽しさがまるで風船が萎むように無くなりましたね。



選ばれてしまった妹の代わりに自ら立候補



まず良い所!
ジェニファー・ローレンスがもの凄い魅力的。
まだ少女っぽいうぶな弱さも見せつつ、怒った時はキリっとした表情もしっかり見せる。
彼女の魅力がスパークしてます。
弓の構えも凛々しいです。

この映画はそれだけで十分なんですよ。
彼女の魅力を堪能する映画です。

主人公がしっかり輝きを放っていればそれだけで映画としては立派だとも言えるんですけど、それしか無いのもまた問題で。

以下ラストのネタバレ含みます。



凛々しい!!



まず大会が始まるまでが長過ぎる。
選手へのインタビューとかいらないから。
向こうで流行ってるリアリティTV風にしたかったんでしょうし、それがこの映画が向こうで大ヒットした理由の一つなのは理解出来ますけど、もっとコンパクトに。

査定の件も、スポンサーが付く設定も大して大会に反映されてないから無駄にしか思えない。

肝心の大会が始まってからがもっと問題で、ただでさえも緊迫感が無いから締まりが無くてつまらないのに、主催者側の都合でルールを変えちゃだめでしょ。しかも何回も。

出場者を動かす為に大胆に火の玉を使ってフィールド内を誘導するのは百歩譲って有りだとしても、「本当は勝者は一人だけど、今から二人にします」って。
しかもそれが、大衆の興味を”若者の恋”に向けて暴動を抑える為って。
そんな理由あるかい。

ただ!
ああなるほど、カットニス(ジェニファー・ローレンス)とピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)が生き残ってる中で、クライマックスにカットニスの目の前でピータが殺されてしまうのか。
これはエモーショナルな展開だぞ、なんて妄想してるとですよ。

あっけなく生き残る二人。
あれ?終り?

「やっぱりさっきのルール変更、無し!!」

え!?

「じゃあ、二人で心中してやる!!」

「嘘!!二人が勝者でいいよ!!」

おいおいおい。
そんな簡単にルールが変わる大会の意味よ。

ただ、最も問題なのは、主人公の感情が全く読めないこと。
先に挙げた「勝者は二人」のルール変更をきっかけに、同じ地区から来てるピータにカットニスが急に馴れ馴れしくなるんですよ。

自分の身を挺してまでなぜピータを助けにいくのかが分からない。
大会が始まる前まで、割とドライだったじゃない。

これを恋愛感情が芽生えたと出来ないのは、カットニスには故郷に恋人がいるんです。
しかも、その恋人が中継で大会を見ているカットが挟みこまれるから、こっちはどんな気持ちで映画を観れば良いのか。

終わってみたら全てはカットニスの作戦でしたってなんだそれ。
気持ちの切り替えがスムーズ過ぎるわ。

カットニスが板挟みで葛藤する描写を入れるだけで全て問題無いでしょうよ。

ルールの件といい、やってる事が物語を面白くする要素になってないです。



ヘイミッチの兄貴感けっこう好きです



お話がダメダメでもキャラクター達は皆魅力的。
ヘイミッチ(ウディ・ハレルソン)もシナ(レニー・クラヴィッツ)もいい味出してました。
それだけにお話のダメさが本当に勿体ない。

それでは続編『ハンガー・ゲーム2』は如何に。


2014年1月5日日曜日

21ジャンプストリート


21jump street
2012/米 上映時間109分
監督:フィル・ロード
クリストファー・ミラー
脚本:マイケル・バコール
原案:マイケル・バコール
ジョナ・ヒル
製作:スティーブン・J・キャネル
ニール・H・モリッツ
製作総指揮:ジョナ・ヒル
チャニング・テイタム 他

キャスト:ジョナ・ヒル
チャニング・テイタム 他


95点




”チャニング・テイタムが科学実験してるだけでなぜこんなにも・・・!!”



始めから最後までこんなにバカ笑いした映画は一体いつ振りだろうか。
こんなにも面白い映画が日本ではDVDスルーだなんて勿体ない話だ。
今年の映画初笑いにはもってこいですよ。




ジョナ・ヒルにチャニング・テイタム。
とにかく主演ふたりの掛け合いが面白い。

ジョナ・ヒルも勿論素晴らしく笑えましたけど、今回は図抜けてチャニング・テイタムに笑わされました。
元々好きな役者でしたけど、コメディも抜群なんてあんた、なんて俳優として魅力的なんだ。

この2人がとにかく最高に笑わせてくれるし、そもそもコメディ映画のどこがどう面白いかなんて説明するのも野暮なものなんで、個人的に好きなディテールの部分のお話を。


 2人の出会いは高校時代。
それぞれジョックス(人気者)ナード(オタク)として学園生活を送り、進学した警察学校でお互いの弱点を補う存在として仲良くなり相棒に。
助け合いながら卒業をし、晴れて警察官になるんですけど、ふたりともポンコツおまわりさんなんもんで、初逮捕もままならない訳です。

そんな2人に、童顔ってことだけを理由で学園犯罪を取り締まる"21ジャンプストリート”勤務が命じられて、とある高校のドラッグ売買を摘発する為に極秘の潜入捜査をすることに。

潜入先のクラスは彼らの高校時代を参考にして、頭の悪いジェンコ(チャニング・テイタム)には演劇のクラスを。童貞っぽいシュミット(ジョナ・ヒル)には科学の上級クラスが割当られるんですけど、ふたりのミスでクラスが入れ替わっちゃったもんだからさあ大変。

初授業はもちろんお互いぼろぼろ。
だったんですが、学校内でターゲットから入手したドラッグでハイになる2人。


このハイになったふたりの描写でもう笑い転げました。
最高過ぎます。





あまりにもハイなもんだから先生に怪しまれて問いつめられる2人。
おちょくった顔のチャニング・テイタム。
なんで舌だしただけでこんなに笑えるんだろう。




「Fuck you science」



吹奏楽の練習に乱入して暴れるチャニング・テイタム。
「ファック!!ファックユー、マイルス・デイビス!!みんな好きにやろうぜ!!」
と叫びながら銅鑼に体当たりする姿に爆笑。



「こんな動き出来るかよ!」

「ファックユー、マイルス・デイビス!!」



ハイになったところを学校の人気者連中に見られたシュミットは見事ジョックスの仲間入り。
遅れてやってきた青春を謳歌しだして、捜査とジェンコを放り出してしまうんです。

仕方ないから、ジェンコはジェンコで科学クラスで友達を作って、捜査に協力してもらいつつそれなりに生活を楽しんでる様子。

科学オタクに紛れて爆発実験ではしゃいでるチャニング・テイタムがもう最高。
ライトセーバーごっこで楽しんでるチャニング・テイタム、最高。
『スーパーマン2』のゾッド将軍のポスターに手裏剣を投げてるチャニング・テイタム、最高!!


2人が高校生活を楽しんでる様子がとにかく全て楽しい。
ずーっと観てられます。



クライマックスの舞台はプロムへ


こんなに楽しい映画が日本公開されないなんて。
もし去年に観てたら間違いなくベスト10には入れてました。

次回作の『22ジャンプストリート』の公開も決定してるようで、今度は大学に潜入だそうです。
公開されないかなぁ。劇場で大笑いしたいなぁ。



テレビシリーズでの若きジョニー・デップ



この映画、元々は1987年から放送されてたテレビシリーズが原作で、主演のジョニー・デップの出世作。
なのでジョニー・デップも今作に割とがっつりカメオ出演してます。

今作で改めてチャニング・テイタムを見直しました。
今自分の中で彼の株が上昇中です。
彼、最高です。



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