2014年6月4日水曜日

ブルージャスミン


Blue Jasmine
2013/米 上映時間98分
監督・脚本:ウディ・アレン
レッティ・アロンソン
スティーヴン・テネンバウム
製作総指揮:レロイ・シェクター
アダム・B・スターン
撮影:ハビエル・アギーレサロベ
編集:アリサ・レプセルター

キャスト:ケイト・ブランシェット
アレック・ボールドウィン
ボビー・カナヴェイル
ルイス・C・K 他

90点




"あいたたた”



新宿ピカデリーにて公開初日に鑑賞。

夜の回だからなのか、ウディ・アレンだからなのか、場内は年配のご夫婦が多かった印象。
観賞後、ロビーに降りるエレベーターで、あそこはどうだ、あそこの音楽が、やっぱりウディ・アレンは、ケイト・ブランシェットは、と映画トークに花を咲かせておられました。

いくつなっても夫婦で映画を観るっていいね。
そして、この映画を楽しめる夫婦って尚更いい。






痛い、痛い。
あいたたた。

ウディ・アレン節効いてます。
ケイト・ブランシェット演じるジャスミンの行動が痛くてですね、もう最高。


序盤、かつての優雅な生活に返り咲くことを動機にあれこれ行動をしているんだと思いながら観ているとですね、ほとんど病的と言っていい程に誰かに依存しないと生きていけない人だってことが段々と分かってくる。

もう彼女はそう言う生き方しか出来ないんですよ。

プライドが高い割に、まともに働いたことは無いから生きる力は無い。
確かに美しいけども、男を手玉に取る若さもない
八方ふさがり。

だから何が何でも、セレブに返り咲きたいんです。


確かに彼女の今までの行ない、態度からすると、彼女の現状は自業自得なんですよ。
反省も無しにいけしゃあしゃあとセレブに返り咲こうなんてあんたねぇ!!
とも思います。

ただ、そうすることでしか生きていけない彼女の姿を見ると、なんだかもの凄く不憫に思えてですね、後半は大分思い入れて観てまして。
その分クライマックスの全てが暴露される件は本当に本当に痛かった。
笑いはしましたけどね。
車から追い出されるところで爆笑でしたよ。

そして、ジャスミンを演じたケイト・ブランシェットが素晴らしい。
あの独り言をぶつぶつ呟くとこなんか最高です。
ちゃんと痛い女に見えてますよ、素晴らしいですよ。





では、ジャスミンのように優雅に生きることを望んで玉の輿を狙って生きるよりも、近場で相手を探してこじんまり生活した方が幸せなのか。

ジャスミンとは真反対の生活を送る妹ジンジャー。
この人はこの人で妥協にまみれた生活を送っていてですね、本人達が幸せそうならいいんですけど、端から見ると結構な問題を抱えてるようにしか見えないんですよ。

しかもこの二人に血のつながりがなく、肉親は既に他界してるってとこで更に寄る辺無い。


ジャスミン、いいよ。
そのままでいいよ。
頑張れよ!!!!







ずばりウディ・アレン作品で一番好きです。
彼のフィルモグラフィーでもかなり毒っ気効いてる方ですよ。

故に痛い。
だから私は最高に楽しめました。



<あらすじ>
ニューヨークの資産家ハルと結婚し、セレブリティとして裕福な生活を送っていたジャスミンは、ハルとの結婚生活が破綻したことで地位も資産も全て失ってしまう。サンフランシスコで庶民的な生活を送る妹ジンジャーのもとに身を寄せたものの、不慣れな仕事や生活に神経を擦り減らせ、次第に精神が不安定になっていく。それでも再び華やかな世界へと返り咲こうと躍起になるジャスミンだったが……。
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