『Captain America:The Winter Soldier』
2014/米 上映時間136分
監督:アンソニー・ルッソ
ジョー・ルッソ
脚本:クリストファー・マルクス
スティーヴン・マクフィーリー
製作:ケヴィン・フェイグ
製作総指揮:ヴィクトリア・アロンソ 他
原作:ジャック・カービー
ジョー・サイモン
キャスト:クリス・エヴァンス
スカーレット・ヨハンソン
サミュエル・L・ジャクソン
ロバート・レッドフォード 他
90点
”MGSのDNA”
IMAX3Dと字幕2Dで2回鑑賞。
時間が合えばもっと観たかった。
結論から言ってしまうと、単体作品ではマーベル映画史上間違いなくNo.1の完成度。
アクション映画史に残る傑作。今年を語る上で外せない一本になってます。
どこがどう素晴らしいのか。
一つ一つ丁寧に語っていきたいんですけど、公開から時間も経って、この映画に関するあらゆる評論は既に出尽くしている状態。
特に今作が含む政治的なテーマに関しては、映画評論家の町山智裕さんの完璧な評論がありますし、全体を総括するものだと映画秘宝にて脚本家の中島かずきさんが書かれた素晴らしい評論が載っています。
これらでどんな事に言及していたかを要約すると、
・スノーデン事件、オバマ大統領のイスラム過激派へのドローン攻撃等を思わせる政治的テーマを盛り込んだ脚本
・キャップだからこその最高級肉体アクション
・キャップだからこそ描けた”正義のヒーロー”
町山さんによるラジオでの評論を貼っておくので是非。
スノーデン事件とは、アメリカ国家安全保障局が対テロを名目に大量の個人情報を収集していたことを、元職員のエドワード・スノーデンが暴露した事件。
米英軍による対テロドローン攻撃では、オバマ大統領が就任2日目にドローンによるテロリスト暗殺を承認。結果今までで少なくとも479名の民間人が巻き添えで死亡しています。
どちらも進行形の出来事で、スノーデン事件なんて去年に起きた事件。
これらの政治的ネタを盛り込み、アメリカの良心、その象徴たるヒーロー、キャプテン・アメリカで包み込んだ今作は、今の時代にキャップを映画化することに100%の意味がある作品であるし、キャップだからこそ描けたキャップの”正義”。
現実の事件に、正義のヒーローが戦いを挑む。
こう言う構図ともとれて、そりゃ観てれば燃えるんですよ。
しかも、変に社会派ぶっていない。
お話は直線構造で分かりやすく、物語の肝として上手に政治ネタを盛り込む。
ただのインテリぶったお利口映画ではなくて、しっかりとした極上のエンターテイメントに仕上がってる。
ここが何より凄い。
スノーデン事件を知らなくても十分楽しめる。
知ってればより楽しめる。
ただ私は、映画を観ている最中に、今作のもう一つの楽しみ方を見つけたのです。
それは、実写版『メタルギア・ソリッド』としての楽しみ方。
以下の文章は、完全なる私個人の妄想とこじつけによるものです。
今作が含むテーマも読み取った、極上アクションも味わい尽くした。
もう5回は観ている。
『ウィンター・ソルジャー』を堪能し尽くして、それでも残った出がらしの楽しみ方として読んで頂けたら幸せです。
それは、実写版『メタルギア・ソリッド』としての楽しみ方。
以下の文章は、完全なる私個人の妄想とこじつけによるものです。
今作が含むテーマも読み取った、極上アクションも味わい尽くした。
もう5回は観ている。
『ウィンター・ソルジャー』を堪能し尽くして、それでも残った出がらしの楽しみ方として読んで頂けたら幸せです。
ソリッド・スネーク |
そもそも「メタルギア・ソリッド」とは!!
知らない人は調べてねー。
名前ぐらいは聞いた事ないですかね?
主人公は特殊部隊FOXFOUND所属、コードネームは”ソリッド・スネーク”
こいつが任務を受け、敵陣へ単独潜入。
敵に見つからないように、フィールドのあらゆる物を活用しながら任務を遂行して行く。
言うなれば”かくれんぼ”ゲームです。
PS版の「メタルギア・ソリッド」は1998年に発売されまして(以下MGS)、次作「MGS2 サンズ・オブ・リバティ」は2001年にPS2で、3作目「MGS3 スネーク・イーター」は2004年に、一応の完結編「MGS4 ガンズ・オブ・パトリオット」は2008年にPS3にて発売されました。
このメタルギアサーガの全てを語るのはあまりに困難なので、詳しいリンクを貼っておくので良ければご参照下さい。
普段あまりゲームをやる訳ではないのですが、このMGSシリーズは私が最も愛したゲームであり、個人的に最も影響を受けたゲームなのです。
PS3はMGS4をプレイする為だけに購入しました。
”隠れながら進む”ゲームシステムももちろん素晴らしいです。
でも何に感動したって、映画好きで知られる小島監督の趣味全開の世界観。
自分があたかも映画の世界に入り込んだが如くスネークを動かす。
例えば、コードネームの”スネーク”と単独潜入の元ネタは勿論ジョン・カーペンター監督『ニューヨーク1997』のスネーク・ブリスキン。
「MGS」のスナイパー・ウルフは『フルメタル・ジャケット』の女スナイパーから来てるし、ステルス迷彩のアイディアは『プレデター』から。
スネークとオタコンの本名、デイヴィットとハルは『2001年宇宙の旅』からの引用。
銃撃戦描写は『ヒート』を参考にして、「MGS4」冒頭の中東の戦闘区域は『ブラックホーク・ダウン』を参考に。
そして、最も影響を受けた作品と監督が公言しているのが『007』シリーズ。
他にも映画からの参考、引用は枚挙に暇がありません。
練りに練られた脚本に花を添える映画的演出に、夢中になってプレイしてました。
明確に反戦、反核(メタルギアとは劇中に登場する新型核兵器の名称)を訴えた作品なので時にお説教臭くなることもしばしばですが、そんなメッセージも当時の自分からすれば大人な味わいだと感じたし、戦争を巡る国際情勢に目を開かせてくれるきっかけにもなりました。
学生時代の政治・経済の知識の90%はMGSから得た知識です。ただただ感謝。
話が大きく逸れてしまった。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』に話を戻しましょう。
ではどこがMGSの実写版なのか。
いいですか、これは妄想ですよ。
まず、今回のキャップの新型スーツがその名も”ステルススーツ”。
これはまるでスネークが着るスニーキングスーツのよう。
冒頭の船での救出ミッションは、完全にMGS2のタンカー編を思わせる演出。
気付かれないように敵の背後から近づき、一瞬で仕留める。これは正に近接戦闘術CQC。
その後ろで流れる打ち込みベースの音楽は完全にMGSで流れるそれ。
冒頭の救出ミッションは完全にMGSを意識した作りになってるのは間違いないと思います。
中盤のあるネタバラシも凄くMGS的で、過去の記録映像を使う辺りがすごく”ぽい”。
明らかになる黒幕の正体もMGSの「愛国者達」を連想。
ここからが一番妄想で、もうキャラの配置がもうMGSだと思ってしまう。
キャップはスネーク。ニック・フューリーはキャンベル大佐で、ファルコンはオタコン。
ブラック・ウィドウはナスターシャ・ロマネンコで、ウィンター・ソルジャーはグレイ・フォックス(ナイフの使い方はヴァンプ)
黒幕の正体は愛国者達で、おまけにヘリキャリアがメタルギア。
どうです。
もうMGSの実写版でいいんじゃないですか?
MGSのDNAをビンビン感じます。
これがもの凄くヴァンプっぽい |
もう一度言いますが、これは妄想ですよ。
こんな見方しなくても十二分に楽しめる作品ですよ。
極上肉体アクションを味わった。
政治サスペンスも味わった。
その最後に、MGS的な見方も楽しんでみては。
<あらすじ>
マーベルヒーローが集結した世界的大ヒット作「アベンジャーズ」(12)から2年後を舞台に描かれる。ブラック・ウィドウやニック・フューリーらとともに、国際平和維持組織「S.H.I.E.L.D.(シールド)」の一員として任務の数々にあたっていたキャプテン・アメリカは、仲間であるはずのシールドから襲撃され、誰が本当の敵なのかわからないまま逃亡者となる。そんなキャプテン・アメリカを最強の暗殺者ウィンター・ソルジャーが追いつめるが、その姿は70年前に死んだはずの親友バッキー・バーンズのものだった。
映画.comより
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