『ATTACK ON TITAN Part2』
2015/日本 上映時間88分 PG12
監督:樋口真嗣
脚本:渡辺雄介
町山智治
特撮監督:尾上克郎
製作:市川南
鈴木伸育
共同製作:中村理一郎 他
撮影:江原祥二
音楽:鷺巣詩郎
キャスト:三浦春馬
水原希子
長谷川博己 他
40点
”演劇的説明大会”
後篇を観て確信したことは、やっぱり私は前篇かなり好きみたいだということ。
前篇はストレートに楽しめました。
楽しかったです。
ただ、今作は、ちょっと、良くない。
前篇を楽しめた主な理由は、冒頭30分での巨人の補食描写がしっかりしていたこと。
演出面での気になるところは多々あっても、枝葉の部分を削ぎ落とせば、クライマックスでのエレンの覚醒へ着地させることをゴールとした直線的な脚本。
これらの部分で私は大いに楽しみました。
・めくるめく、キネマの思ひ出/『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』
が、今作は、その魅力であった露悪的な巨人の補食描写は無し。
そして、前後篇の構成上仕方ないとはいえ、後篇は前篇でまいた謎の説明と、広げた風呂敷を畳むことに終始。
後篇は原作から離れ、オリジナルの謎が展開されます。
その謎というのが…。
というお話部分の良し悪しを語る前に、まず前提としての諸々の演出、芝居、間があまりに悪くてそこにたどり着かない。
確かに前篇でも演出、演技は同じようなものでした。
ただ今作は前篇に対しての説明パートに終始しているため、増える台詞の量によってそれが噴出。
冒頭での”演技合戦”の段階で頭を抱えていたんですが、今作の不思議さを物語っているのが、中盤での長谷川博己演じるシキシマによる、『2001年:宇宙の旅』よろしくな部屋での、文字通りの”説明”。この部屋は一体何なんだ…。
面食らっていると、突然シキシマがシャンパンとグラスを持って登場。その持ち方もどういうつもり何なんだとしか言えない。
そこで明かされる秘密。
白い天上にプロジェクターである映像が映し出されるのですが、この映像自体は凄く愉快。現代の世界に巨人が表れている様子は物凄く楽しい。
ただ、そこでシキシマが使っているのがApple TVで、またこれがノイズになって話に集中出来ない…。
Apple TVがどうのと細かい重箱に思われるかもしれませんが、全体がこのバランスでお話が進むんです。
つまり、演出、演技がはっきり言って稚拙過ぎて、お話が頭に入ってこない。
もっと言うならば、目の前で繰り広げられていることの恥ずかしさに思わず目を覆ってしまう。
がなり芝居はやめましょう。
心のうちを声に出す、”心のおもらし”は止めましょう。
誰かが喋っている時に、後ろのキャラを棒立ちにさせておくのは止めましょう。
しかし、それを逆手に取るように、國村準の演説の途中で弓矢を放つ桜庭ななみさん、凄く良かったです。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』におけるドラックス的な魂を感じました。
むしろ、誰かが長々と話し始めたらそれを遮るように桜庭さんが首に弓を放つ。
このバランスで全編通していたら相当な作品になっていたように思います。
今月の映画秘宝。
そこでの町山さんと柳下さんの”進撃”対談は今作を観たなら必読…!!
柳下さんの「シキシマには及川ミッチーが適役案」は頷きまくりました。
<あらすじ>
超大型巨人によって破壊された外壁の修復作戦に出発したエレンたち調査兵団は、巨人の襲撃によって窮地に陥る。エレンも深手を負った上に、仲間のアルミンをかばって巨人に飲み込まれてしまい、その場にいた誰もが絶望の淵に立たされる。しかしその時、謎の黒髪の巨人が現れ、他の巨人たちを駆逐しはじめる。
映画.comより
0 件のコメント:
コメントを投稿