2013年12月7日土曜日

ジ、エクストリーム、スキヤキ

2013日本 上映時間111分
監督・脚本・原作:前田司郎
製作:重村博文
森山敦 他
音楽:岡田徹(ムーンライダーズ)

キャスト:井浦新(洞口)
窪塚洋介 (大川)
市川実日子(京子)
倉科カナ(楓)


80点

"久々に会った友達には、あんな感じになるよね”
11月23日、午後の予定がぽったり空いたので、何か映画でも観ようとスケジュールを確認。
土曜なこともあって封切りの映画が多いがどれも時間が中途半端。
うーん、どうしよう。

ん、『ジ、エクストリーム、スキヤキ』??
どこかで聞いたような。
主演、井浦新、おっ。
窪塚洋介、おっ!?
ペコとスマイルではないか。

どれどれ、監督と脚本は、え!?前田司郎!?
これは観に行かねばならぬ!!



「縁切った人と会っちゃったら、それ縁切れてねぇじゃねぇか」


監督を務めてるのは、『横道世之介』の脚本を手がけ、監督の沖田修一さんと学生時代からの盟友でもある前田司郎さん。
その初監督作品。否が応でも期待してしまう。
恐らく狙ってであろう『ピンポン』コンビの起用もどうしたって期待をしてしまいますよ。

ですが、序盤このふたりのやり取りが恥ずかしいくらいにオーバーで、まったく噛み合ってない。ギャグもことごとくスベる。
映像も手持ちカメラで無駄にグラグラ揺れるし、歩きながら話してるのをワンカットでだらーっと撮っていて全く画に締まりがない。

弱ったなぁ、酷いなぁ、なんてことを思っていると、旅行が始まった中盤辺りから急に演技も落ち着きだして、カメラも安定。雰囲気いいぞ。

思い返すと、疎遠になってた友達に久々に会ったら、確かに距離感掴めなくてやけにオーバーになるし、口数も増えるわ。
沈黙が嫌で普段なら絶対言わないようなギャグも言ったりするわ。

そう考えると、序盤のオーバーな演技も全く以て合点がいくし、安定しないカメラも、ふたりの気まずさを観客にも共有させるって意味で効果的。
この演出お見事なんじゃないでしょうか。



4人の半端な距離感心地いい


4人が思いつきで旅を始めてからが素晴らしい。

洞口(井浦新)と大川(窪塚洋介)は大学の友人。
何かをきっかけで疎遠になり、15年振りに再会した模様。
この再会感を出す為の『ピンポン』コンビ起用でしょうね。

このふたりと、大川の同棲相手の楓(倉科カナ)と、ふたりの大学の友人京子(市川実日子)を巻き込んで旅が始まるんですけど、何がきっかけでふたりが疎遠になったのかが最後まではっきりとは明らかにならないんです。(ノベライズ版では描かれてるそうですが)

4人の会話の端々で、それぞれの過去と関係はうっすらとは浮かび上がってくるんですけど、肝心のきっかけはお話の真ん中にぽっかり空いたまま。
それをもって批判されてる方をよく見かけますが、この部分こそがこの映画の魅力では。

誰でも、何かがきっかけになって友人と疎遠になった記憶はないですかね。
しかも、その記憶を引きずってしまって、自分が成長出来ていないと感じることはないでしょうか。
うおー、今なら謝れる気がする!!なんてことは。

はっきりしないふたりの関係は、誰もが自己を投影出来るようにわざと巨大な空洞としているのでしょう。

そう思って観ると、15年振りに会いに来た洞口の気持ちが垣間見えて凄く愛おしい!!



ペコもスマイルも大きくなりましたね



旅館での宅飲みのシーン。
本当に酔ってるのか、ほろ酔いの雰囲気がムンムンで凄くいい。
大川の「寝れねー!!」は心の叫びでしょ。
キャベツに焼き肉のタレをつけて食べてるあたりもいい感じ。

そこで明らかになる、みんなそれぞれ成長してて、自分だけが取り残されてる感も切実。

全員で雑魚寝して、みんなが寝静まった後、だんだんと洞口が京子の手を握りにいくシーンのあの牛歩感、身悶えするぐらい好きです。
キスまではいかないんです。やっと手を握れるあの距離感がいい。
みんなが寝ている空間で、ふたりだけが起きてるって言うシチュエーションが個人的に好きなんですよ。
次の朝何事もなかったかのようなふたりもあっさりしてて凄く良い。



宅飲みシーン最高


『横道世之介』で存分に発揮されてたやり取りのおもしろさは健在。
ムーンライダーズの音楽も絶妙な青さで心地いい。
次回作も多いに期待です。

沖田監督と高良健吾が友情出演してるんですけど、たぶん大浴場のシーンかと。

2013年12月6日金曜日

もらとりあむタマ子

2013/日本 上映時間78分
監督:山下敦弘
脚本:向井康介
撮影:芦澤明子
プロデューサー:斎見泰正
根岸洋之
主題歌:星野源『季節』

キャスト:前田敦子 (坂井タマ子)
康すおん (坂井善次)
伊東清矢 (仁)
鈴木慶一 (坂井啓介)
中村久美 (坂井よし子)


90点


”この3人で作る映画なら何本でも観たい”
初新宿武蔵野館。
上映前のチャイムがスバル座みたくとてもいい。
お客さんの雰囲気もとても良くて、そんな環境で観る映画は絶対外れが無い。

とても良い映画でございました。


監督は個人的に大大大大好きな山下敦弘監督で、脚本はその”相棒”向井康介。
そして主演は山下監督の前作『苦役列車』にも出ていた前田敦子。

”女優”前田敦子の話をすると何故か回りの人から笑われていた身としては、今作は正に我が意を得たりと言った感じです。ほれ見たことか!!
心の底からおすすめ出来ることが嬉しくて仕方が無いです、ほんと。

『苦役列車』で既に実証済みですが、あっちゃんやっぱり山下監督との相性バッチリですね。
前田敦子の映画であると共に、いやそれ以上に山下監督の映画しっかりなってる。
要するに、山下監督が作り出す映画の空気感にあっちゃんが見事に解け合ってます。

監督山下敦弘、脚本向井康介、主演前田敦子のトリオで作った映画なら何本でも観たいです。






元々はMUSIC ON!TV企画のショートムービー(ステーションID)から始まった企画で、それを長編映画化したのがこの映画『もらとりあむタマ子』
その為なのか、上映時間がとても短い!78分!!
上映時間が短いのがこの映画の唯一の欠点です。
もっと観たいぞ!!


大学を卒業したものの実家に帰ってぐうたら。
服がださい。ノーメイクだから肌のトーンが暗い。逆ギレする。漫画を読む。食う。寝る。パシる。

そんなタマ子を前田敦子が好演と言うより体現。これがまず素晴らしい。

そんなタマ子に、呆れながらも甲斐甲斐しく世話をする父親の善次。
このふたりのやり取りが山下監督節全開のオフビート感で本当に心地いい。



特に食事シーン。
必要以上にベタベタせず、どんなに険悪なムードでも一応は顔をつき合わせて飯を食う。
この関係凄く好きです。
あの親子の可愛げを感じるし、外から見ていてとても心地よい空気感が生まれていて、いつまでも観ていたいと思わせてくれる。

返事の仕方もいいですよね。
基本全ての返答を「ん」で表現する辺りが凄く好きです。
「ん」「んー」「ん!?」「ん?」
使い勝手いいんですよねぇ。

他にもいい台詞が沢山。


「何食いたい?」
「肉」
「豚?」
「ぎゅー」


だとか。

基本親との会話って単語になりますよね。


あと、地元で同級生と再会しての「甲府スポーツじゃん!!」には心底笑わせてもらいました。
タマ子の高校時代が垣間見えて、何気ないけど本当に気の利いたいい台詞。


ノベライズ版だとこの台詞の妙をもっと味わえますよ、ぜひ!!
ノベライズ版に出てくる、「本当ですか?ありがとうございます」が前田敦子そのもので本当に笑ってしまう。



ストーブ給油じゃんけん



食卓に流れる生活音も雰囲気作りにプラスに働いていてとても良い。
この映画劇判がほぼ無いんですけど、代わりに生活音がBGMに。
ロールキャベツを食べる音、漬け物を噛む音が凄く響く。
何でも音響が5.1chでミックスされてるそうで。
なるほど、どうりでお腹が空く訳だ。



「私もそれいいと思ってたー」



夏になって、善次の再婚話が持ち上がり、焦りを覚えて相手の女性曜子さん(富田靖子)に接触を試みるタマ子。
でも、この焦りは自分の居場所が無くなってしまうかもしれないからで、父を心配してるからじゃないんですよ。この時点では。

相手の女性がやっているアクセサリー教室に”手下”の中学生仁を先に行かせる辺りも最高。

その後、曜子さんとふたりで話すタマ子。
そのうちに父に対するあれこれを話しだすタマ子。

実は考えてたんですね、タマ子も。

親子の距離感ってこれぐらいですよね。
前田敦子さんもパンフレットのインタビューで言ってますけど、初対面の人だからあんなにぺらぺら話した訳で、タマ子自身も父に対する気持ちを自覚してない可能性もありますからね。
いや、タマ子は絶対自覚してないと思う。

思い合ってるのかは分かれないけど、ふとした時ににじみ出る何気ない気持ち。
このくらいの距離感いいですよね。



”ある計画”を秘密に実行しようとして散髪、失敗。

”ある計画”がバレてやけ食い


一念発起して、”ある計画”を秘密に実行するけど結局ぽしゃって全てを諦めやけ食いの件も最高の一言。
だっさい服着て神社で無心に団子を頬張るタマ子(計画の為にダイエットしてたから)。

その日の食卓の会話ももう最高。


「いや、かわいいって、タマ子。お前、全然イケてるって。大丈夫だって」
「それが嫌なの!そういうのが嫌なの!」


爆笑でした。最高。

思い返すと好きなシーンいっぱいあるな。
これが山下監督映画だ。


ダメ男を描かせたら右に出る者はいない山下監督ですが、ダメ女もいけますね。
そして前田敦子さん、やっぱりいいぞ。




追記/パンフレットが凄くいいってこと

劇場にてパンフレット購入。
山下監督の過去作のパンフも売ってました。
『タマ子』と『リンダリンダリンダ』のパンフレットを購入。


大判の新聞みたいなデザインで、受け取った時はえっ!?紙??と驚きましたが、中身が濃く充実していてとてもいい。
本編に隙間が沢山ある映画なんで、パンフの情報でいろんな妄想が膨らみますね。

タマ子がいきものがかりを好きになった理由笑えます。


写真たっぷり

劇中で登場した履歴書

全てがタマ子っ”ぽい”!!

コラムも凄いよかったです。
やっぱり女性の方がタマ子の気持ちがより分かるのかも。

『リンダリンダリンダ』のパンフも買えて大満足

2013年12月4日水曜日

マクラビンワークスのお洋服がツボ過ぎる


映画Tシャツは数あれど、着ただけでここまでワクワクするものは果たしてあるのだろうか。

否。
無いと断言出来よう。
マクラビン・ワークスのお洋服を除いては。


マクラビンワークスとは。
ホームページの言葉をお借りするなら、”俺たちが今着たい、同時代の映画Tシャツ”を製作する素晴らしいショップです。
何が素晴らしいってこの同時代ってのが、ゼロ年代以降の映画達、つまり”俺達”の映画を指してるんです。

これは俺らが着ないでどうする!?
しかもどれもちゃーんとオシャレ。
一枚でもさらっと着ることが出来る。
これはデカい。


てな訳で、ネットショッピング。
色々物色して考えた挙げ句、お気に入りの映画から2着程購入。



・『Drive』

一着目は『Drive』からTシャツを。
おろしたてでかなりしわが目立ちますが、むちゃくちゃカッコいい!!

黒いタイト目のジーンズを合わせて履くと不思議と、こう、寡黙になって、気持ちはもうDriver。
頭に鳴るのは『Nightcall』

”五分間は何があっても待ってやる”



独特のフォントに鮮やかなピンク、良い!!














バックプリントのサソリもいい!!

2011/米 上映時間100分 R15+
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
脚本:ホセイン・アミニ
製作:マーク・プラット
製作総指揮:デヴィット・ランカスター
原作:ジェイムス・サリス

キャスト:ライアン・ゴズリング
キャリー・マリガン
ブライアン・クランストン






・『Kick-Ass』

2着目はみんな大好き『キック・アス』パーカー。
クロエちゃんa.k.aヒット・ガールがめちゃキュート。

薄手だから上からコートを着ても着膨れしない。
裏地も起毛地だからあったかい。

来年公開の『キック・アス2』はもちろんこれを着て観に行きます。





あご周りの感じが絶妙にキュート

バックプリント
『パーティーは終わりだよ、クソ野郎共』

『Kick-Ass』
2010/米 上映時間117分
監督:マシュー・ボーン
脚本:ジェーン・ゴールドマン
マシュー・ボーン
製作:アダム・ボーリング
マシュー・ボーン
ブラッド・ピット
製作総指揮:ジェレミー・クライナー
スティーブン・マークス 他
原作:マーク・ミラー
ジョン・ロミータ・Jr

キャスト:アーロン・ジョンソン
クリストファー・ミンツ=プラッセ
クロエ・グレース・モレッツ
ニコラス・ケイジ




2着ともお洒落でカッコいい!!
ヘビロテの予感ビンビンです。

他にも、私の生涯ベストの一つ『レスラー』のランディ・ラムTシャツ、『ノーカントリー』のアントン・シガーTシャツがあったりと、どれもこれもよだれが出てくるぐらい好きな映画で、尚かつカッコいい。
新作は『ソーシャル・ネットワーク』パーカーらしく、全くどれもツボ過ぎる!!



街中にて、『スーパーマン』『バットマン』のロゴが入ったパーカー、Tシャツをお召しになっている女性をよく目にします。
それも多いによろしい。
でもどうでしょう、他と差を付けたいならヒットガールなどは。

しかもお洒落なことプラス、映画好きチェッカーとしても機能すると言うなんたる一石二鳥ぶり。


一般の人
「おお、いいTシャツだねぇ」
「いいでしょ、いいでしょ」

映画好き
「おお!!ヒットガール?その胸の、ヒットガール?」
「そう!!そうなのよ!!いやー、来年は・・・」


なんてね。


因に、良さげなマクラビントートバッグと、店長直筆の”ジョーカー”カード、ステッカー、缶バッチと共に送られてきました。
マクラビンとは、『スーパーバッド 童貞ウォーズ』に出てくる愛すべきボンクラ野郎です。
うーん、いい感じ!!



いい感じにボンクラなトートバッグ


直筆のカードは嬉しい




McLOVIN WORKS/”今俺たちが着たい、同時代の映画Tシャツ”




2013年12月3日火曜日

初ライブビューイング/椎名林檎十五周年班大会平成二十五年浜離宮



11月29日、ライブビューイングなるものに初めて行ってきました。
ライブビューイングとは。
スクリーンにて生中継でライブを観れるって言うやつです。

演目は、『椎名林檎 十五周年班大会平成二十五年浜離宮大会』

祝椎名林檎十五周年!!

お値段なんと3500円。
むむ、映画が2本観ることが出来る。
しかし、ここはせっかくの機会、観ねばいかん!!
とチケット購入。

開場は最寄りの映画館、TOHOシネマズ市川。
日劇でもやってたみたいなんで、どうせなら日劇のスクリーン1の大スクリーンで観ればよかった。

18時30分から映画館側は開映。
本会場の方は45分からとのことで、それまで時間調整で過去のPVが流されました。

流れたのは『メロウ』『流行』『この世の限り』そしてまさかの『幸福論』
久々に林檎嬢のPV観ましたが、大画面で観る『幸福論』がなんとも味わい深い。

まだデビューしたてのセーラー服を着た林檎嬢から漂うサブカル臭、二階堂ふみのそれとなんとなく似ている。
自分が二階堂ふみファンになった理由が何となく分かった気がする。



      




そうこうしてる内にいよいよ本編スタート。
開場が浜離宮なんで、編成はそれに合わせて生楽器中心の編成。
エレキの編成が本当は観たかったけど、そんなの別にどうでも良い、と思えるくらいに豪華で贅沢なライブでした。

『茜さす 帰路照らされど』が本当に素晴らしい。
ますますこの曲好きになりました。
が、疲れていたのか、その直後にどうかと思うくらいに爆睡してしまって、10分位の記憶が全くありません。勿体ないことをした。
でもまあ『女の子は誰でも』のピアノとのデュオも聴けたし、満足です。


初ライブビューイングでしたが、ライブを体感してるって言うよりは、ライブDVDを大画面で観てる感覚でした。
音量はそこそこあっても、音圧が圧倒的に足りない。

あと、分かってはいたけども歯がゆい。
本会場が盛り上がる程に向こうに行きたくなる!!

まあ、行けない自分みたいな者の為のライブビューイングなんで、詮無い話ですが。

次はちゃんとライブ会場に行こうと心に決めました。

おしまい

2013年12月2日月曜日

ばしゃ馬さんとビッグマウス

2013/日本 上映時間119分
監督:吉田恵輔
脚本:吉田恵輔
仁志原了
音楽:かみむら周平

キャスト:麻生久美子 (馬淵みち代)
安田章大 (天童善美)
岡田義徳 (松尾健志)
山田真歩 (マチモトキヨコ)
清水優 (亀田大輔)


90点


"そんなあんたの人生は十分ドラマチック、だと思いたい”
ポップでカラフルなポスターのイメージで、明るく楽しい映画だと思っていたら大間違い。
人によっては心にガツーンとクリティカルヒット、なんて方もいらっしゃるでしょう。

どんな人がガツンとやられるかと言うと、今、夢を追ってる人。夢を追う自分に才能が無いことに気付いちゃった人。そして、その夢を諦めようか迷ってる人。

ビターでビターでビターな映画でした。
まったく、だから大好きな映画になってしまった!!



身なりに気を使わない感じもグッド



登場人物がとにかく愛おしい。
主要3人が特に。

脚本家を目指して夢を追い、ばしゃ馬の様にシナリオを書きまくる三十路女の馬淵さん(麻生久美子)。
口だけは一丁前で、全く手を動かさないビッグマウス野郎、天童善美(安田章大)
馬淵さんの元恋人で、俳優になる夢を捨て、今は介護施設でせっせと働く松尾さん(岡田義徳)

この3人がそれぞれ、夢を追い始める一歩手前にいる人、がむしゃらに追いかけた結果夢の諦め方がわからなくなってしまった人、そして夢を諦めた人になっていて、つまり、主人公の馬淵さんにとっての今と、過去と、未来になっているんです。
夢を追う人の大抵はこの道筋を辿るんですよね。


最初はやる気に満ち溢れてたけど、段々周りとの決定的な力の差と自分の才能の無さに気付いてしまって、だけどなまじ努力はしてるだけに諦めることも出来なくてどん詰まり状態。
誰でも一度は多かれ少なかれないですかね?

ちなみに自分には浪人時代があるんですけど、どんなに努力をしたところで、いかんともしがたい壁がこの世にはあるのだとそこで初めて痛感しました。
今となっては微々たる挫折ですけど、いい体験でした。

話が逸れたました。


終盤で松尾さんが、実はまだ夢を捨てきれていないと馬淵さんに心情を吐露します。
そしてクライマックスで、馬淵さんは遂に夢を諦める訳ですが、諦めたからといって、第二の人生が幸せになるとは限らない。
一度抱いてしまった夢は、消えない呪縛として一生付いて回るんです。



絶妙に気まずいこの後の展開



でも、自分はこのクライマックスに辛うじて光はあったと感じました。
それは、夢は無惨なものにはなったけど、あんたの人生凄いドラマチックだよ!!
ってことです。

いいシナリオは書けなかったけど、あんたの人生がこうやったシナリオになって映画になったんだから、それは凄いことだ。

それはこの映画に限らず、誰のどんな人生だって、例え負けはしてもドラマになりうる様な輝かしいものだってことで。

最近聴いているRHYMESTERの歌詞を引用させてもらうならば、


この世には無い最終回
楽なゴールがなくても生きて行けるかい?
 耳ヲ貸スベキ/RHYMESTER


人生は続くんです。
願望込みで、こう思っていたい。
馬淵さん、あんたの人生ドラマチックだよ。
誰にも笑う資格は無い!!

地元に帰っての結婚式のシーン。地元の友達の台詞。
「それじゃ、ここのテーブルは全員結婚したってことか」じゃねぇよ。
見えないように舌ペロっと出してんじゃねぇよ。
人と比べて初めて感じられるようなものは”幸せ”って言わないんだからな!!



別れもさっぱりしてて好感


ラストで天童とくっ付かないとこも良いバランス。
あそこでくっ付かれても、結局男で解決かいってことになりますからね。

馬淵さんに恋する天童を演じた関ジャニ∞の安田章大さん、凄く良かったです。

良い映画です。でもそれ以上に、凄く愛おしい好きな映画になってしまいました。

『さんかく』も面白かったですし、今月には今年2本目に新作『麦子さんと』も公開されるそうで、吉田恵輔監督ノってますね。

2013年12月1日日曜日

映画の日



今日12月1日は”映画の日”だそうで。
日本で初めて映画が公開されたのだと。

ただ、スクリーンでの上映ではなくて、エジソンが作ったキネトスコープを皆で覗き込んだんですって。


キネトスコープ


そのキネトスコープを改良して、スクリーンに投影するシネマトグラフ・リュミエールを開発したのがリュミエール兄弟。

世界で初めて公開された映画、『列車の到着』もジョルジュ・メリエスも、バスター・キートンもフルサイズで、今は某動画サイトで簡単に観ることが出来ます。

素敵な時代になったものだ。


『列車の到着』
観ていたお客さんは、本当に列車が向かって来ると思って大慌てで逃げたのは有名な話。


ジョルジュ・メリエス『月世界旅行』



バスター・キートン『キートンの大列車追跡』

2013年11月27日水曜日

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語

2013/日本 上映時間116分
監督:新房照之
宮本幸裕
脚本:虚淵玄
製作会社:シャフト
原作:Magica Quartet

キャスト:悠木碧 (鹿目まどか)
齋藤千和 (暁美ほむら)
水橋かおり (巴マミ)
喜多村英梨 (美樹さやか)
野中藍 (佐倉杏子)


86点


"ほむらさん。その愛、切な過ぎるぜ”
舐めてました。所詮萌えなアニメなんだろうと。
完全に舐めきってました。

評判は聞いていたので、物は試しとマックでiPad片手に観ました。

やられました。所詮萌えなアニメなんてものじゃありませんでした。
完全にやられました。

いやー、面白い!!!!
いいっすね、『まどマギ』

ご多分に洩れず第3話で首根っこつかまれましたね。
あまりの唐突さに思わず声出ちゃいました。
はぁ、マミさん。

1、2話でわざと可愛らしいアニメだとミスリードさせて、3話で本性をあらわにするその様は実に見事。
こんなにもハードコアな話しだったとは。

『まどマギ』を萌えなアニメだとバカにしてる方。かつては自分もそうでした。
仮にこのアニメが劇画調だったとしましょう。
それはもはや『仁義なき戦い』ですよ。血で血を洗う抗争ですよ。
それはハード過ぎますぜ。

絵柄とお話のアンバランスさが魅力だとよく聞きますが、本当にいいバランスだと思います。
絵は可愛らしいのに、やってることは『仁義なき戦い』
最高じゃないですか。はぁ、マミさん。


少しでも興味あるって方。
まず3話まで観ることをおすすめします。
そしたらばもう契約完了。抜け出せなくなります。



あまりに唐突で、もう。



テレビシリーズのラスト。
全ての魔法少女を救う為、自らの願いと引き換えに、宇宙に普く偏在する”概念(円環の理)”と化して永遠の存在となったまどかさん。
そのまどかさんの思いも含めて、これ以上の続きは考えられないぐらいに綺麗に閉じたラストだったんです。

その続きとなるのが今回の劇場版新編。
どんな話になるのやら。大丈夫なのか。

結論から言うと、非常に良かったです。
観たいものは観れたし、続きとしても良いし、最高でした。



ぶっ飛んでる異空間表現



まず冒頭からガンアガり。
テレビシリーズでは叶わなかった5人揃っての変身(これがもの凄くいい)と戦闘。
マミさんの掛け声で”ソウル・ジェム”を胸に掲げるシーンに燃えました。
”萌え”ならぬ”燃え”です。
そして5人揃って『ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット』なるものが登場。
その様はさながら『アベンジャーズ』の如き存在感で感動すら覚えました。
さやかさんと杏子さんが背中を合わせて戦ってるだけでもうそりゃアガりますよ。

何より独特の異空間表現がもの凄く映画栄えするんですよね。

細かいとこでツボだったのは、オープニングだけ画面のアスペクト比がシネスコサイズに変わるんですけど、横長のスクリーンで画を堪能できて実に贅沢でした。



あっぱれ壮観とは正にこのこと!!



次第に5人で戦っていることに疑問を持ち始めるほむらさん。
そうです。この世界どこかおかしい。

そして、「実はこの世界はほむらが作り出した偽りの世界だったことが発覚。
全てキュゥべえの策略で、魔女に変化寸前のほむらを隔離して、”円環の理”を観測、そして制御する為だった」、と言うのがほむらとキュゥべえの説明台詞で全て明かされるもんだから頭は混乱。キュウベえに至っては「ぼくから説明しよう」なんて言う始末。
正直1回観ただけではさすがに何が何やらでした。

ただ、台詞の最中も異空間表現の画は止まらず、むしろ加速する一方なので頭がハイになってきます。
更にそのハイな状態から再び戦闘が始まってガンアガり!!
剣の柄にこぎみよく着地する演出最高です。
魔女vs魔女の巨大バトルも見方を変えれば『パシリム』に見えなくも無くて愉快ゆかい。

実は全て壮大な実験だったと言う展開も、個人的には『メタルギア・ソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』の、今まで自分がやってきたことは第二のソリッド・スネークを作る為のシュミレーションだった展開を思わせて好きですね。



新キャラの百江なぎささん



テレビシリーズのラストで”概念”と化して、言わば”神”となったまどかの対になるものとして、ほむらを”悪魔”とするその思いっきりの良さ、とても良いし、ほむらのまどかへの想いもより切実過ぎる程に際立ってます。
しかも悪魔へと変えた感情が”愛”だなんて、ほむらさん、その愛、切な過ぎるぜ。

自らのエゴをむきだしにしてまどかと再会。
それは神と悪魔の構図だし、秩序(コスモス)と混沌(カオス)でもあって、愛するが故に決定的に相容れない関係になるなんて切な過ぎるし、続きが気になるよ、もう!!



ほむらさん、あなたねぇ。泣かせるぜ。



中盤のマミさんvsほむらの”ガン=カタ”+『マトリックス』風のアクションも最高の一言。
しかも、5人の中でマミさんが一番強いって言う設定は、マミさん推しの自分としてはグっとこざるを得ない。やったね!!
アニメシリーズであんなことになっちゃったマミさんの出番が多いってだけでもいいことです。

繰り返しになりますが、5人揃って戦ってる画を観れただけでもう満足。
しかも、続きとしてちゃんと成立している。
最高じゃないですか。




このシーンが好きなら『リベリオン』も観よう!!



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