2015年10月10日土曜日

逆説的に表れる途方もない切なさ




遠くまで旅する恋人に あふれる幸せを祈るよ
ぼくらの住むこの世界では旅に出る理由があり
喜びと悲しみが時に訪ねる



小沢健二「ぼくらが旅に出る理由」を聴く。

”遠くまで旅する恋人に あふれる幸せを祈るよ”って、やっぱりすげぇ詞だ。
このあふれんばかりの幸福感と肯定感。

しかしですよ。
実際、好きな人が遠くに行ってしまう時、あふれる幸せを祈る、なんててこと出来る訳ないだろバカ。

ここがこの曲の肝だと思っています。
つまり、あふれんばかりの幸福感が漂う程に、逆説的に表れる途方も無い切なさ。


恋人が遠くに行ってしまう。
そんな時、自分に出来ることは、気持ちを押し殺して、自分に言い聞かせるようにあふれる幸せを祈って手を振ることだけ。
それでも自分の気持ちに折合いがつかない時は、そんな個人的な感情を越えたもっと大きな愛を思って自分の気持ちを包み紛らわせる。

曲調が能天気で、明るさを漂わせる程、際立つ切なさ。



遠くまで旅する人たちに あふれる幸せを祈るよ!
ぼくらの住むこの世界では 旅に出る理由があり
誰もみな手をふってはしばし別れる



ちなみに、オリジナルよりも安藤裕子カバーの方が好きだったりする。






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