2013年10月10日木曜日

エリジウム (IMAX)

2013/アメリカ 上映時間109分
監督・脚本:ニール・ブロムカンプ
製作:サイモン・キンバーグ
ビル・ブロック
ニール・ブロムガンプ
製作総指揮:スー・ベイドン=パウエル
ビル・ブロック

キャスト:マット・デイモン (マックス・ダ・コスタ)
ジョディー・フォスター (ジェシカ・デラコート)
シャールト・コプロー (M・クルーガー)
ヴァグネル・モーラ (スパイダー)
アリシー・ブラガ (フレイ)


77点

"次回作を心して待つ"
映画ファンから熱狂的な支持を得た『第9地区』ニール・ブロムガンプ監督の長編2作目。
前作『第9地区』が少ない予算で作られたのに対して、今回はしっかり、それなりのバジェットで作られています。
キャストも、マット・デイモン、ジョディー・フォスターなんてスターをキャスティングしていて見た感じ豪華。

うん、うん、面白かったです。



地球

エリジウム



舞台は2154年、環境汚染と人口増加によって、地球の環境は劣悪なものに。そんな地球に貧困層は住んでいて、少数の富裕層は衛星軌道上にあるスペースコロニー、「エリジウム」に住んでおり、そこではどんな病気でも治すことが出来て、甘い汁を吸った生活をしています。

設定は未来になっていますが、この社会の構図はそのまま現代の生活にも置き換えることが出来るようになっていて、数パーセントの方々に富が集中していることに違和感が全くないのがゾッとします。

前作の『第9地区』の舞台が南アのヨハネスブルクで、監督自身は否定していますが、誰が観たってアパルトヘイトのメタファーだったわけで、こう言う社会的な背景を設定としてさらっと、自然に盛り込んでいる辺りグッとくるし、目の前の物語に無視出来ない説得力と登場人物への感情移入が生まれるんですよね。

そんな社会ひっくり返しちまえ!!



ジョークが通じないお役人ロボット



富裕層はみんな宇宙にいるので、お役所ではみんなロボットが働いてるんですが、これが本当に聞き分けのないロボットで、とにかく融通が聞かないんですよ。
言われた事しか出来ないロボット。まさにお役所体質!!皮肉!!アイロニー!!
監督の意図したことでは無いかもしれないですけど、もう笑っちゃいましたね。



人間がロボットを作るアイロニー



もう一つの皮肉めいた描写が、人間がロボットを作っている工場ですね。
主人公は工場労働者なんですけど、働いているのがロボット工場。
雇用を生み出す為かもしれないですけど、なんたる皮肉。





乗用車の改造もグっときますね



で、主人公が勤務中の、そりゃそうなるよって事故で被爆してしまって、余命5日を宣告されます。
助かるにはエルジウムに行くしか無い!!ってことで、強化骨格みたいな物を装着させられて体力アップ、パワーアップ。いざ、エリジウムへGO!!
と行きたいんですけど、そんな簡単にはいかず、まずエリジウムへ行く手段を手にすることに。それには、エリジウムを乗っ取りたいジョディー・フォスターが絡んでいるデータが必要だと。
そんなことをしていると、データを取られてはまずいジョディー・フォスターに気取られて、送り込まれた刺客と対決。

そして勝負はエリジウムへと移り、最後の戦いへ。
てな感じのお話です。ざっくりと。

刺客が、『第9地区』で主人公ヴィカスを演じていたシャルト・コプリーさんでしたね。
髪型と髭だけで印象が全く違いますね。

最初の目的は身体を治すことだったのが、計画を進めて行く内に段々と世界の命運を握る存在になっているのは燃えましたね。

ただ、そこは狙ってでしょうけど、マット・デイモンはその事を知らないし、あまりそのことについて強調がされないので、心の置き所が分からなくなった気がしなくも、ない。
強調しない割にラストはこれでもかと彼をヒロイックに描くのはやや、クドい気が。



武器描写はピカイチ


武器の造形は相変わらず素晴らしい!!
未来なのに、ゴツゴツした今っぽいミリタリー装備はなんだか妙なリアリティーがありますし、ロケットランチャー発射の描写が凄く気持ちいい!!

弾頭を射出して、飛び出したと同時にロケットに火が点火されて、勢い良く飛んで行くあの描写がもの凄く気持ちがいい。

監督もそこを観てほしかったのか、わざわざアップで4発撃ってくれるんです。
うーん、これはフェティッシュ。



性格悪そうでよかったです。褒め言葉



ここから少し気になった所。
冒頭に、地球の市民が乗ったエリジウムへ向かうシャトルが撃墜される描写があるんですけど、それが前述したロケットランチャーでの攻撃なんですよ。地球から。
ん!?エリジウムには迎撃装備はないの??
うーん、ニール・プロムガンプ監督に限ってそんなことは無いはず。
恐らく、シャルト・コプリー演じるクルーガーを登場させる為のシーンなのでは。
それにしては地球からの攻撃はむりくりな気が。

と言うか、基本エリジウムの警備がザルなんですよ。
マックスがエリジウムに入った直ぐに仲間が難なく到着してるし。

あと、ジョディー・フォスターのエリジウム乗っ取り計画がずさん過ぎる。
もっと捻った計画をお願いしますよ。



マックスと同じ強化骨格を装着する刺客、クルーガー



期待値が上がっていた分、いろいろ気になっちゃいましたね。
うん、でも面白かった。このくらいの体温です。

ただ、あの埃っぽい世界観はやっぱり立派なものです。観ていてどっぷりハマれます。
あと全く触れてませんでしたが、やっぱりマット・デイモンいい!!

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