2015年11月8日日曜日

『わたしの名前は…』で印象的だったシーンの話




アニエス・ベー初監督作『わたしの名前は…』を観てきた。

楽しく観たのだけど、特に印象的だったシーンが、家出娘のセリーヌに共に旅するダグラス・ゴードン演じるトラック運転手が、国道沿い(フランスでもこう言うのかな)のショッピングモールでセリーヌに頼まれた服を買い、彼女がそれを喜んで着るシーン。


アニエス・ベーと言えば超有名ファッション・デザイナー。
そんな彼女が、スーパーで売られてる安い服を買い与えられ、喜ぶ少女を撮る。
間違いなくここには意図があるわけで、それを自分なりの解釈で捉えるならば、服が持つ物語性ではないのか。

有名ブランドだからだとか、高いからだとか、そんな即物的なことではなくて、その服を通してどんな気持ちになって、どんな思いで着るのか。
例えば、両親から譲り受けたものならば、そこには歴史(=物語)が刻まれてるし、恋人から貰ったものならば、そこには気持ちが込められている。

私は割と手間のかかる服が好きなので、例えば、一日の終わりに脱いでブラッシングしてる時は、まるで猫を撫でているような感じと言っていいかも。そこには間違いなく愛着があります。


どんなに安い服でも、劇中のセリーヌにとっては、どんな高価なドレスより輝いて見えたことでしょう。


とりたてて”ファッション”に関する映画では全くないのだけど、劇中において、”服を着ること”に、こういった意味を与える。
そのことに、映画監督としては元より、ファッションデザイナーとしての真摯さを感じました。



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