『西遊 降魔篇』
2013/中 上映時間110分 PG12
監督・脚本:チャウ・シンチー
共同監督:デレク・クォック
製作:チャウ・シンチー
アイビー・コン
製作総指揮:エレン・エリアソフ
キャスト:スー・チー
ウェン・ジャン
ホアン・ボー
ショウ・ルオ
80点
”これがアジアのサービス精神”
最寄りのTOHOにて吹き替えで鑑賞。
吹き替えの斉藤工さんに貫地谷しほりさん、お二人ともいい仕事していました。
全く違和感無し。
ただ、エヴァ芸人でお馴染み桜の稲垣早希がもろにアスカの声で「あんたバカァ」と言うシーンに、相変わらずだな日本の配給会社は…とガックリ来たりもしましたが、そんなことすら受け入れてくれる懐の深さがこの作品にはある…!!
作品から溢れる、観に来た人を楽しませよう、笑わせようとするサービス精神。
序盤からギャグ飛ばしまくり。手数が多いからスベってるのかどうかも分からない。
中盤であるキャラの首に取り付けたチューブから血が噴き出すギャグがあるんですけど、少し時間をおいてまたそのギャグが繰り出された時に完全に不意をつかれて劇場で一人「ハハッ…」っと割と大きめの声で○ッキーのように笑い、どうにも収まらずたった一人で爆笑してたんですが、今時こんなベタなギャグに笑ってしまうなんて悔しい…けど面白い。
妖怪ハンター揃ってのギャグの応酬ではもう諦めて笑ってました。
ギャグ一辺倒のコメディ映画かと言うとそれもまた違う。
アクション映画としても見せ場はきっちりあって、これもまた手数と勢い勝負。
でもこれが全く嫌いじゃない。
恐らく他作品からの引用と思われる箇所も多々あってそれもまた楽しい映画。
例えば序盤の妖怪を巡る話は『ジョーズ』的だし、皆が河に飛び込んで騒ぎ、一瞬で殺戮の場に変わる様子は『ピラニア』ぽい。予告にもあった巨大な脚はもろに「○ンピース」の麦わら帽子の船長を思わせる。
ギャグの連べ打ち、アクション、サンプリング。
これがごっちゃになって、ちゃ〜んと楽しいエンターテイメント。
全編に観ている人を楽しませようとする溢れんばかりの愛を感じるからやっぱり楽しいですよ。
土台のバランスも凄く良い。
この映画序盤から人が女子供関係なくあっさり死んで行くんです。
しかもそのことに対する大仰な演出は全く無く映画の進行が止まらない。
この、ギャグは全編に散りばめてあって笑える基本コメディだけども、この世界ではちゃんと人は死ぬってバランスがお話をキュっと締めているから、観ていてだれることなく適度な緊張感。
だから、クライマックスのある展開がストレートにグッと胸に来る…!!
ラスト、天竺を目指すことになった三蔵法師一行。
そこで流れるはなんとGメン75のテーマ。
これが何とも良い。
しかも最後の最後までギャグギッシリ。
今回は作り手側に徹したチャウ・シンチー、参りました。
<あらすじ>
「少林サッカー」「カンフーハッスル」で人気のチャウ・シンチーが、「ミラクル7号」以来6年ぶりに手がけた監督作。日本でも映画やドラマなどさまざまなメディアで描かれ、誰もが知る中国の伝奇小説「西遊記」を題材に、三蔵法師と孫悟空、猪八戒、沙悟浄が出会い、天竺を目指す前の物語を独自に描いたアクションエンターテインメント。三蔵法師は、得意の「わらべ唄」で妖怪の善の心を呼び覚まそうするが失敗ばかりの若き妖怪ハンター・玄奘として描かれ、孫悟空、沙悟浄、猪八戒もそれぞれ独特な姿で登場。映画オリジナルのキャラクターとして、人気女優スー・チーが扮する女性妖怪ハンターも活躍する。
映画.comより
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