2014年1月23日木曜日

エンダーのゲーム


Ender's Game
2013/米 上映時間114分
監督:ギャヴィン・フッド
脚本:ギャヴィン・フッド
製作:ロベルト・オーチー
アレックス・カーツマン 他
製作総指揮:デイビット・コートスワース
デボラ・デル・プレト
原作:オースン・スコット・カード

キャスト:エイサ・バターフィールド
ヘイリー・スタインフェルド
ベン・キングズレー
ヴィオラ・デイヴィス
ハリソン・フォード

50点




”去年の『オブリビオン』枠。つまり・・・”



去年の12月辺りから劇場で予告はちょくちょく目にしてましたけど、「『エンダーのゲーム』?なんか変ななまえだなー」くらいの軽い気持ちでいまして、有名なSF小説が原作だと知ったのはその後のこと。

そんな軽めのスタンスでいた訳ですけど、公開日初日にシネマイクスピアリへ『キック・アス』のリバイバルを観るついでにハシゴで観てきました。

原作は未読です。


まず良い所。

いきなりで恐縮ですが、クライマックスの戦闘シーン。

子供達がずらーっと並び、変なゴーグルを付けて機械をカタカタ。
それを大きな身振りで指揮するエンダーの図は凄く描写として新鮮でした。

痛みを伴わない未来の戦争描写としてどこか不気味さもあって、凄く好きなディテールではあります。



映像も美しく見応え上がる等々、良い所はそれなりにあるんですけど、それ以上にちょっとお話に難があり。

恐らく元の小説ではきっちり描かれてた部分をかなり省略しているのでしょう、全体的に展開が駆け足で物語と世界観に奥行きがあまり無い。

そもそも主人公のエンダーくんに全く感情移入が出来ないです。

この世界では少子化政策があって、一家族に二子までしか子をもうけられず、そんな中生まれたのが”禁断のサード(第三子)”エンダーくん。

なんでも、第三子のエンダーは、その境遇故に宇宙戦争を終わらせる使命を背負っているのだと。

能力を認められたエンダーは、訓練学校を天才的な才能でグングン飛び級して行くんですけど、観ているこっちは彼の能力の根拠が”サード”ってこと以外知らないし、序盤からいじめっ子を強気に撃退したり、ミッションも難なくこなすわで、彼結構イケイケなキャラなんですよ。

なんだかなぁ。
”禁断のサード”ってことで彼なりの悩みと葛藤はあるんでしょうけど、どうも思い入れられない。
直前に『キック・アス』を観ている分余計に。

訓練開始から能力バシバシ発揮、飛び級で自分の隊を持たせてもらい、その隊も最初から団結してミッション突破。

エンダーを演じるエイサ・バターフィールドくんの幼顔で彼が葛藤してる風に見えなくもないんですけど、いやいや結局はノリノリじゃないか。

原作がそうと言われたらそれまでですけど、映画だけ観るとどうも最初から能力のある者が結局活躍する話にしか感じられなくてどうも好きになれない。



観ていてワクワクしない訓練シーンは好きではない



最終試験のある展開も、酷い話ではありますけど、仮に訓練であってもあれはエンダーが下した指示であって、ネタバラシをされて怒るのも無理は無いとしても、なんだろう、この腑に落ちない感じは。

この展開がエンダーにとっての初めての挫折で、その後の彼の決断に繋がっていくと考えれば納得出来なくも無い。

でもねぇ、それまで積み上げて来たもの無いから唐突に自分の運命を自覚されてもなんだかなぁ。



戦闘の設定自体は新鮮でした



映像はなかなか綺麗で、ラストの戦闘シーンは新鮮でした。
見所が無い訳ではない

ただ、お話が平坦な上に駆け足で深みに欠けるからキャラに奥行きが無く、所々腑に落ちない箇所がある。
去年もそんなSF映画がありました。

『オブリビオーン』


原作は間違いなく面白いのだと思います。
ただ、この映画に限ってはちょっと中途半端な作品になってしまったかと。


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