2014年11月6日木曜日

ジャージー・ボーイズ


Jersey Boys
2014/米 上映時間134分
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ジョン・ローガン
製作:ティム・ヘディントン
グレアム・キング
製作総指揮:ボブ・ゴーディオ
ティム・ムーア
フランキー・バリ
撮影:トム・スターン
編集:ジョエル・コックス 他

キャスト:ジョン・ロイド・ヤング
エリック・バーガン
ヴィンセント・ピアッツァ 他

90点




”齢84にしてこの軽やかさ”



丸の内ピカデリーにて鑑賞。
平日夜の回だからか客入りはまばら。
客層は年配の方が多めの様子。

ただ、映画の終盤では皆首を振ったり、身体を揺らしたり、それぞれ思い思いにリズムに乗って映画を楽しんでいる雰囲気。
もちろん自分も。

物凄く幸福な空気に満ちていました。


84歳でこの軽やかな語り口は脱帽。
いや、その歳だからこそ出来るのか。

映画だからこそ出来る優しさと幸せに満ちたラストにやられました。






とにかく映画全体軽やかの一言。
無駄無くサラッと流れるような、語り口、話運び、本当に鮮やか。

そして全体に照れというものが本当に無い。
フォー・シーズンズの、フランキー・バリの成功と挫折、再生を丁寧に、優しさを持って描ききる。
そこにはシニカルさだったり、意地悪な視点は皆無。
彼等へのリスペクトと、元のミュージカルの魅力をしっかりと描く、真っ当なエンターテイメント。

この照れの無さが観ていて本当に爽快。

この作品の何が良いって、観てる間、そして観終わった後の幸福感が半端じゃないんですよ。
前述の、皆で首を振ったり身体を揺らしたりってことはここから来てるんです。


合間に挿入されるフォー・シーズンズの楽曲もしっかり物語に寄り添っていて、物語に奥行きを生んでます。
あのタイミングで流れる「Fallen Angel」は本当にズルいし、「Sherry」のヒットでグループが軌道に乗る件の高揚感と、そこから次々ヒット曲が生まれる瞬間の省略の気持ち良さですよ。


細かな演出も冴えていて、個人的に一番好きな箇所は、フランキー達がレコード会社のビルに入ったところで、カメラがそのまま上昇して、一階、二階、と窓の外側か室内の色んなミュージシャンを写していくシーン。
この鮮やかさ、気持ちよさ。
そして、カットが変わってエレベーターホールにさりげなくいるあのトランペッター。
もうお見事という他ないです。

思わず「うわぁ、気持ちいいぃ…」と一人観ながら呟いてました。
本当に気持ちいい。


元のミュージカルから引っ張って来た、劇中の人物が観客に語りかける、いわゆる”第四の壁”を超える演出もこの映画でもしっかり効果的。

メンバーそれぞれがこちらに語りかけてくるから、一面的な窮屈なお話に終わらない作りに。






そもそもの話をするならば、フォー・シーズンズの楽曲が今聴いても良いんですよ。
勿論サントラ買いました。
これは必携です。
(アメリカン・ハッスル、インサイド・ルーウィン・デイビス、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。今年は必携サントラが多いなぁ)

その最たるものが「君の瞳に恋してる (Can't Take My Eyes off You)」ですよ。
この楽曲にそんなドラマがあったなんて。

何より、物語が自分の知っているこの曲に結びついたことに感動を覚えて鳥肌。
この一連のエピソードは滝のような涙を流してしまいました。


そしてラスト。
映画だからこそ出来る優しさと幸福感に満ちた演出に笑いながらもまた涙。
これはミュージカルでも小説でも不可能。
映画だからこそ出来るマジック!

そこからの畳み掛けるようにフィナーレのダンス。

拍手!
クリストファー・ウォーケンが踊ってる!
拍手!!拍手!!







来年6月にミュージカル版「ジャージー・ボーイズ」が来日するそうで。
言ってみようかなー。








<あらすじ>
2006年トニー賞でミュージカル作品賞を含む4部門を受賞した、人気ブロードウェイミュージカルを映画化した。アメリカ東部ニュージャージー州の貧しい町に生まれた4人の若者たち。金もコネもない者が町から逃げ出すには、軍隊に入るかギャングになるしかなかったが、彼らには類まれな美声と曲作りの才能があった。4人は息の合った完璧なハーモニーを武器に、スターダムを駆けあがっていく。ミュージカル版にも主演し、トニー賞でミュージカル男優賞を受賞したジョン・ロイド・ヤングが、映画版でも主演を務めた。
映画.comより




0 件のコメント:

コメントを投稿

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...