2014年10月31日金曜日

イコライザー


The Equalizer
2014/米 上映時間132分
監督:アントワン・フークア
脚本:リチャード・ウェンク
製作:トッド・ブラック
ジェイソン・ブルメンタル 他
製作総指揮:エズラ・スワードロウ
デヴィット・ブルームフィールド 他
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ

キャスト:デンゼル・ワシントン
マートン・ソーカス
クロエ・クレース・モレッツ
デヴィット・ハーバー 他

79点







”この世の不条理の数だけ続編希望”





”チャック・ノリスのピースサインは、「あと二秒で殺す」の意味”
ー チャック・ノリス・ファクトより


これを地で行く最強無双ヒーロー映画、ここに爆誕。

スカッと晴れるルサンチマン。
そのエモーションに身を任せて、頭を空っぽに。

するとどうでしょう、もうあなたは”イコライザー”を求めているはず。






大味なアクション映画かと思いきや、序盤から抑制の利いたトーンと演出でビックリ。

事の発端となるエピソード、クロエ・グレース・モレッツ演じる娼婦のエピソードは、ゆっくりゆっくり描写を積み重ね、盛り上がりを抑えてタメて、ここぞの場面で一気にアクションを解放。しかもそれが気持ちいいぐらいに圧倒的な攻撃力。
こいつ何者なんだ感もしっかり出てる。
何よりスカっとする…!!
”必殺”の前に金銭で譲歩を提案するのもいいじゃないですか。言わば最後通告ですよ。


”必殺”の語り口もスマートでテンポが良い。
相手を追ったと思ったらシーン変わって血の付いたハンマーを拭いていたり、ジャンプカットでいきなり爆発を背に歩くデンゼル・ワシントンを見せたりと、間接的な”必殺”描写を挟む、オーソドックスなんだけど確かな語り口。

この何が良いって、間を省略することでデンゼル・ワシントンの圧倒的な存在感と底知れぬ凶暴さがより強調されて、最強感がより濃くなる。
涼しい顔して現場を後にするデンゼル・ワシントンしかこっちは見てない訳ですから、そのプロフェッショナルさにお前何者なんだよ感がビンビン。






ただ、言いたいこともあるにはある。
一番気になったのは主人公の動機に当たる部分。

序盤は、友人のクロエ・モレッツが何やら危ない仕事をしていて、ついに暴力を振るわれたから、堪忍袋の緒が切れた風に相手をこてんぱんにやっつける。
ここにはしっかりとしたカタルシスがあるわけです。
勧善懲悪的にとてもスカッとする。

しかし、その後の戦いの理由は、その相手組織に目を付けられたことで抗争に巻き込まれた形になる訳です。
これがどうも燃えきらない。
結局、相手から追われていること以外に主人公が相手組織と戦うモチベーションがあるように見えないから、アクションでは盛り上がれても、物語自体が中々アクションのカタルシスに繋がらないのが勿体ない。

クライマックスで申し訳程度に人質が登場しますけど、これも早々に解放。


ただ、これはしょうがないとも言えるんです。

この映画全体、とにもかくにもデンゼル・ワシントンが最強過ぎる。
その様はまるでチャック・ノリスであり、セガールであり、リーアム・ニーソン。

映画全体のバランスを取るか、デンゼル・ワシントンの圧倒的な最強加減を取るか。

これはもう、後者しかないでしょうに。

デンゼル・ワシントンが最強である程に、映画としてのバランスは取れなくなる。
何故なら地球上に彼以上の人類がいないからです、この映画内では。

でもどうです。
人類最強の男デンゼル・ワシントン、見たくないですか?
この作品には紛れも無く最強のデンゼル・ワシントンがいますよ。

ラストのケレン味なんてどうですか!?
あれ屋内ですよ。
さながら雨でしょ。
撃つのも拳銃じゃないですからね、釘ですからね。


序盤で登場したクロエ・モレッツが早々に映画からいなくなるんですが、これは”最強の男”デンゼル・ワシントンに心置きなく暴れてもらう為の配慮だということに自分の中ではしています。






この手の映画で132分は少し長く感じなくも無い。
せっかく”必殺”のテンポは良いのに、全体としては鈍い印象。
メリッサ・レオが出てくるとは言え、元同僚の元を訪ねるシーンはいるのか。

ただ、最強の男デンゼル・ワシントンが見られるんだから儲け物。
個人的には大満足です。

明らかに続編を匂わせる終わり方をしたので、どうかこのままにシリーズ化をお願いしたい。
元はテレビシリーズなので難なく出来るはず。
世の不条理の数だけ続編は作れますよ。



<あらすじ>
元CIAエージェントのマッコールは、いまはホームセンターで働く、ごく普通の真面目な人間として生活していた。しかし、ある夜、なじみのカフェで娼婦の少女テリーと出会い、彼女を囲うロシアンマフィアの非情さに、内に眠っていた正義感が目を覚ましていく。かつてのマッコールは、身のまわりにあるあらゆる物を武器に変え、警察では解決できない不正をこの世から瞬時に消してしまう「イコライザー」と呼ばれる男だった。マッコールはテリーとの出会いから、再びイコライザーとしての仕事を遂行していく。
映画.comより





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