『It follows』
2014年/米 上映時間100分 R15+
監督・脚本・製作:デビット・ロバート・ミッチェル
製作総指揮:ジョシュア・アストラカン
撮影:マイケル・ジオラキス
美術:マイケル・T・ペリー
編集:フリオ・C・ペレス4世
音楽:リチャード・ブリーランド
キャスト:マイカ・モンロー
キーア・ギルクリスト
ダニエル・ゾバット 他
87点
”ひたすら追われるっていい!!”
TOHOシネマズ新宿にて鑑賞。
平日の回にも関わらず入りは上々。
やっぱり評判なんだなぁなどと思いつつ開映。
ひたすら追われる100分最高!!
まずアイデアと、その語り口が素晴らしい。
性行為をすると、何かが伝染り、何かに追われる。
この”何か”が劇中では全く明らかになりません。
この手の映画だと、大抵後半は呪いを解くための謎解きの展開になることがほとんどなところ、今作はひたすら逃げ続ける。素晴らしい。
つまり、観ている間中、そして観終わった後も理に落ちない恐怖が持続して、ただただ怖い。
しかも、何かは分からないけども、追って来るものははっきりと見えるのがまた巧い。怖い。
時には老婆、時には全裸の女性、男性。
服を着てたり着てなかったり。
しかも必ず徒歩。
でも確実にやって来る。
この見せ方がまた巧い。
例えば会話シーン。人物を真ん中に置き、カメラはフィックス。ピントはそこに合わせてあるショット。
観ている我々ももちろん視線は画面中央の人物に向かいます。
すると、画面の端の人影が、ゆっくりこちらに近づいてるのが段々分かってきます。
でも劇中の登場人物達は気付いてない。こっちは気付いてる。
このどうすることも出来ないじわじわ迫る怖さと、かと思えば行くときゃ行くぜ精神で、ハッキリおどかしにかかってくる緩急がすごく良い。
構成と語り口も見事。
中盤で印象的に使われていたカメラを一回りさせるパンショット。
カメラが一回りする度に老婆がこちらに近づいて来る怖い怖いシーン。
この作品、映画が始まってすぐのシーンも全く同じパンショット。
シーンが変わり砂浜。時制が飛び、この映画一番のショッキングな画で冒頭のシーンは終わります。
いきなり逃げるシーンから始まるのもいい。インパクトのある画を見せておくことで後の主人公達の切実さに観る側も説得力を感じられる。
そして、中盤のシーンと決定的に違うのは、中盤では映っていた追って来る”何か”が冒頭では映っていないこと。これゾワっとする。
劇中の世界では携帯が使われていないことをさりげなく示していることもポイント高い。
テレビはブラウン管のアンテナ式だし、観ている映画もやたら古い作品ばかり。
でも現代な感じ、だけど現代ではない。
観ているこちらが無意識に感じてしまうノイズの消し方がさりげなく巧い。
今作が長編二本目とのことですが、監督のデビット・ロバート・ミッチェルさん。
間違いなく腕がある人です。
次作も大いに期待!!
<あらすじ>
ある男と一夜を共にした19歳の女子大生ジェイ。しかしその男が豹変し、ジェイは椅子に縛り付けられてしまう。男はジェイに「それ」をうつしたこと、そして「それ」に捕まったら必ず死ぬことを彼女に告げる。「それ」は人にうつすことができるが、うつした相手が死んだら自分に戻ってくるという。ジェイは刻一刻と迫ってくる「それ」から逃げ延びようとするが……。
映画.comより
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