『Dallas Buyers Club』
2013/米 上映時間117分
監督:ジャン=マルク・ヴァレ
脚本:クレイグ・ボーテン
メリッサ・ウォーラック
製作:ロビー・ブレナー
レイチェル・ウィンター
製作総指揮:デヴィッド・L・ブシェル
ニコラス・シャルティエ 他
撮影:イヴ・ベランジェ
キャスト:マシュー・マコノヒー
ジェニファー・ガーナー
ジェレッド・レト 他
88点
”物語を動かすのは、迫る死と役者の力”
ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞。
場内は満席。
その前日がアカデミー賞受賞式の正にホクホクな気分。
上がりきったハードルを軽々越える作品に胸が熱くなり涙。
主演男優賞、助演男優賞受賞も納得。
ディカプリオには全国の映画ファンから特別賞を。
この二人がとにかくいいんだ |
作品のトーンはもの凄く抑えめに、淡々と物語は進行。
大仰な演出は全く無く、主人公を特別英雄視もしない。
淡々とした物語を動かすのは、迫り来る死と無様にがめつく生きようとする衝動。
この語り口は凄く好感を持てたし、何より役者陣のパワーが空いた隙間に注入されて、なんかもう、それだけで胸が熱くなる。
やっぱりマコノヒーの兄貴ですねぇ。
今作の為に相当身体絞ったらしいですけど、とにかく彼の、特に顔に死相が漂ってるんですよ。
少しでも長く生きようと、なんならがめつく金でも稼ごうとする姿に笑いながら、結果的にそれが国と製薬会社のずぶずぶな関係を正す行動になっていくのにガッツポーズ。
ジャンプカットで時制を大胆に飛ばすドライな視点も凄く好きです。
最高にキュートで、最高にパワフル。 |
南部の保守的なカウボーイだった彼が、病気になって初めてマイノリティの立場を理解する過程も凄く良いです。
レーヨンが彼を呼ぶ名前が徐々に変わっていくのも良いし、最初の出会いの時にレーヨンが着てたピンクのバスローブをさりげなく彼が着てるのも良い演出。
そんなレーヨンが死期を悟って口から血を垂らしながら涙する場面はその悲痛さが胸にズシンときますね。
大仰な演出は無し。
映画を進行させる役者の力に涙。
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