『RoboCop』
2014/米 上映時間121分
監督:ジョゼ・パシーリャ
脚本:ジョシュア・ゼトゥマー
製作:マーク・エイブラハム
エリック・ニューマン 他
製作総指揮:ビル・カロッラ
ロジャー・バーンボーム
音楽:ペドロ・ブロンフマン
撮影:ルラ・カルヴァーリョ
原作:エドワード・ニューマイヤー:1987年版脚本
キャスト:ヨエル・キナマン
ゲイリー・オールドマン
マイケル・キートン
サミュエル・L・ジャクソン 他
75点
”技術者ゲイリーの苦悩”
賛否両論中。
周りの印象では遥かに否の方が多いリブート版『ロボコップ』
しかも批判されてる方がかなりの激烈なテンションだったりして、弱ったなぁ、自分は結構好きなんだけどなぁ、言いづらいなぁと、思っていたんですよ。
そりゃね、オリジナルの『ロボコップ』があまりに偉大な作品なんで、比較するとどうしてもアレですよ。
でも、結構見所もある作品だと思うんですよ。
なので、自分なりの今作の楽しみ方をご紹介したいと思います。
言われたことをやっただけなのに! |
間違いなく今作最大の批判ポイント。
オリジナルにあった過激な残酷描写が皆無。
ただこれは仕様がない。
時代です。自主規制です。
確かに私もがっくりきましたよ。
今作、オープニングが凄くカッコいいんですよ。
中東でオムニ社のロボットが配備されてる様子を、サミュエル・L・ジャクソン司会のタカ派的な報道番組風なドキュメンタリータッチで描くんですよ。
これが『第9地区』みたいですごくカッコいい。
ただ、発生した自爆テロを映すは良いけど死体も血も映しやしない。
オリジナルの容赦の無さを知ってる身からすると物足りなくて仕方が無い。
ただ、前述の通りオープニング全体がめちゃカッコいいので、プラスマイナスでプラス。
二つ目。
ロボコップが完成したはいいけど、歩くときの音が軽すぎる。
いかにも後から付けた様な音で、まるでコントですよ。間抜け過ぎる。
銀のスーツにもズシンとした重みが感じられない。
ただ!!
このオリジナルと同色だった銀のスーツ、速攻で黒にカラーチェンジするんですけど、黒になったら軽快な動きに違和感が無い。
それどころか、カッコいい!!
スーツを黒にカラーチェンジ。
動きも派手にするこのアレンジ、私は大アリです。
専用のバイクも出てきてこれもカッコいいし、デザインを変えたED209も嫌いじゃないです。
と言うことで、これも結果プラス。
マイケル・キートン、ゲイリー・オールドマン、おじ様俳優全員良かったです。 |
3つ目。
人間の脳を経由して思考するロボコップは、どうしてもロボットの思考のスピードに追いつけないことが開発の過程で判明するんですけど、その解決がご都合主義もいいとこで。
戦闘ではコンピューター、通常時は人間の脳を経由して思考するハイブリッドな脳にするってちょっとねぇ、安直過ぎないかい。
だがしかし!
ここ含めたロボコップの開発が、私がこの映画で最も楽しんだパート。
もっと言うと、技術者ゲイリー・オールドマンが企業の無理難題をあの手この手で解決していく様。
こここそがこの映画の見所です。
『キックアス2』同様、相当偏った見方だとは存じてます。
ただ、企業とロボコップの家族との板挟みにあれこれ考えながら、一会社員として上からの命令を受け止めるゲイリー・オールドマンの姿は、さながら『プロフェッショナル〜仕事の流儀』に登場する専門家達のようで、なんか凄くいいんですよ。
結果、プラスマイナスで相当のおつりがくるプラス!!
前半にロボコップの活躍が無いから退屈、って声をよく聞きますが、いいじゃないか、開発秘話があるんだから。
サミュエル・L・ジャクソンの司会者役は激しくハマってました。 |
なぜアメリカはロボコップを必要としたのか。
なぜロボットでは駄目なのか。
今作ではしっかりした理由が語られてるんで納得度は高いし、ロボコップを巡る政治のあれこれも、アメリカに対する意地悪が入っていて楽しい。
今作、リブート版としては申し分無い部類なのでは。
ただ、本国アメリカでは興収が大コケしてしまったとのことで、おそらく続編は無いでしょう。
もったいない。
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