『Don Jon』
2013/米 上映時間90分 R15+
監督・脚本:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
製作:ラム・バーグマン
製作総指揮:ニコラス・シャルティエ
ライアン・ガバナー
タッカー・トゥーリー
編集:ローレン・ガバーマン
美術:メイガン・ロジャース
衣装:リア・カッツネルソン
キャスト:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
スカーレット・ヨハンソン
ジュリアン・ムーア
トニー・ダンザ 他
69点
”ジョセフ流アダム徳永のすすめ”
ジョセフ・ゴードン=レビット初監督作品。
どうなんでしょ、どうなんでしょ。
シネマライズにて鑑賞して来ました。
ああ、こう言うのがやりたいんだろうなぁ。
こういうことが言いたいんだろうなぁ。
等々、とにかくジョセフが目指すものがビンビン、しつこく、濃く伝わって来ました。
今年公開の『17歳』『愛の渦』『ドン・ジョン』の3作。
個人的には"ある種のテーマ"が綺麗に3部作で完結した気がします。
個人的には"ある種のテーマ"が綺麗に3部作で完結した気がします。
そのテーマとは、『性』!!
"10点女”スカーレット・ヨハンソン |
『17歳』が思春期の危うい性の目覚め。
『愛の渦』が性欲に振り回される人間とそこから起こる悲喜劇。
そして、この『ドン・ジョン』でジョセフが描き出そうとしたものは、男女にとっての真のセックスとは。
で、最終的に導き出された答えは、お互いを思い合った思いやりのある行為。
で、最終的に導き出された答えは、お互いを思い合った思いやりのある行為。
つまり今作はズバリ、ジョセフ流アダム徳永のすすめです。
顔も身体も100点の女スカーレット・ヨハンソン。
もう年だけど、抜群の包容力で包み込むジュリアン・ムーア。
セックスでお互いが満足出来るのは、ジュリアン・ムーア。
何が違うのか。年上お姉さんの方が良いのか。
いいえ違います。
それは、お互いを思いやることが出来るかどうか。
「優しさを見せつけ合う」ことが出来るかどうか(ミスチル「Sign」からの引用)。
ん!?
こ、これは正に、アダム徳永のすすめじゃないか。
ジョセフは真理に気付いたのです。
毎夜クラブに繰り出して狙った女をお持ち帰り、そしてハッスルハッスルのジョン。
ただ、誰と寝ても、何度寝ても満足が出来ない。
自分が完全に充足出来るのは、自分の思い通りに事を進められる自慰行為だけだと、毎日毎日ポルノサイトにアクセス。
お気に入りの動画を見つけては、ティッシュを消費する毎日。
Macを起動し、ブラウザを立ち上げて、動画を物色。ナニを触って、テッシュで拭き、ゴミ箱へポイ。
もはやルーティンワークとなった日々のオナニーを繰り替えし繰り返し、テンポのいい編集で見せるんですけどこれが中々小気味良くて気持ちいい。
「Macの起動音を聞くだけで俺は興奮するんだ」は笑えました。
そんな彼が”100点の女”スカーレット・ヨハンソンと出会って付き合い、焦らされ焦らされ、こんなに焦らされたんだからきっととてつもない夜が待ってるに違いないと期待を膨らませ彼女との初めての夜を迎える訳ですが、あ、あれ??いつもと一緒じゃないか。
なんでだ、どうしてだ!と、結局いつも通り自慰行為で満足、な最中をなんと彼女に見られてしまい三行半を突き付けられついに破局。
そんな中、夜間学校で自分のポルノ趣味に理解を見せるジュリアン・ムーアに出会い、スカーレット・ヨハンソンとの破局をきっかけに距離を縮めるジョセフ。
で、しばらくして彼女の家に行き一緒に寝る訳ですけど、ある自分の暗い過去を告白されるんです。
それを受け止め、相手の事を考えてのセックスを覚えたジョセフ。
そして気付くのです。
答えはスローセックスにあったのだと(違いますよ)。
”姉御”ジュリアン・ムー |
お話は着地も含めて嫌いじゃない。
若干、まあそうなるよねと感じましたが。
ただ、キャラが皆生きた人物に見えない。
あんなに濃い演出でキャラを描いてたのに、観終わってしばらく経ちますが全く記憶に残ってない。
どんなキャラだったか思い出せない。
どんなキャラだったか思い出せない。
表面的なことを言えば、劇中で彼らがどんな生活をしてるのか全く分からないんですよ。
割とリッチな生活をしてるのに、仕事をしてる描写が無いし、普段何をやってる人なのか分からない。
全員そうです。
これは描き込みの部分。
演出に関しても、テンポの良い編集で場面を見せるのはいいんですけど、さすがにクドいです。若干食傷ぎみ。
ジョセフのキャラに関しては、日々をルーティンの様に過ごす人物として描かれてるのでこれはわざと何でしょうけど、結果作品自体の体温が終止低いままなのは勿体ない気が。
だとしたら、最後の愛のあるセックスをしっかりと描くべき。
そこで暖かみのある落差を付けないと、全体が平坦な印象になるのは仕様がないかなぁ。
作品全体から、今作を撮れたジョセフの嬉しさはガンガン伝わって来ました。
チャニング・テイタム、アン・ハサウェイのカメオ出演もお祭りみたいでいい。
これでいい。
個人的には、『17歳』で性に目覚め、『愛の渦』でその衝動に振り回されたりもしたけど、『ドン・ジョン』で愛を知った、てな感じで綺麗に落ちましたんで、とても楽しめました。
3部作で観ると面白いかも。
<あらすじ>
家族関係も良好、教会にもきちんと通う真面目な青年ジョンは、女性に関して負け知らず。周囲からは伝説のプレイボーイ、ドン・ファンにちなんでドン・ジョンと呼ばれていた。それでも満足できないジョンは、毎日ネットでアダルトビデオを鑑賞して自慰行為にふけり、理想の性生活を追い求めている。そんなある日、全くタイプの異なる2人の女性と出会ったジョンは、セックス以上の人生と愛を知ることになる。
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