『映画 クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』
2014/日本 上映時間97分
監督:高橋渉
脚本:中島かずき
撮影:梅田敏之
編集:村井秀明
原作:臼井儀人
キャスト:矢島晶子
ならはしみき
藤原啓治
こおろぎさとみ
85点
”『アナ雪』もいいけど『しんちゃん』もね”
目下大評判中の今回の劇場版クレヨンしんちゃん。
中にはあの二つの大傑作、原恵一監督作『劇場版クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!大人帝国の逆襲』と『劇場版クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』に並ぶ出来だとする人もいたりして、これは観に行かねばならぬと、10年以上ぶりにしんちゃん劇場で観て来ました。
はい、大変素晴らしい映画でした。
笑えて泣けて、また笑えて。子供も大人も楽しめるとても良い映画です。間違いない。
で、これからつらつらと書いていくんですが、私、アニメ関係には明るく無いもので、今作の脚本は中島かずきさんが書いてるんですけど、過去作との比較等は到底出来ませんし、アニメとしてどうこうと語ることも出来ません。
なので、これからの文章は、あそこよかったよね、あれもいいよね等々、ただ個人的に好きなディテールについて語る感想文以下の駄文なりますのでどうかご了承下さい。
わっしょい。
ネタバレあるので注意です。
個人的に父と子の話は大好物。
ポスターを見た段階で、これは本気(マジ)だなとビンビンに感じてまして。
で、観始めて数分。
ロボットに改造される父ひろし。
普段は邪見にされてるのに、ロボ仕様の疲れ知らずの身体で家事育児をこなしてひろし鼻高々。
なるほどなるほど。
これは後半、どんなに働き者の”ロボとーちゃん”よりも、足がクサくて腰もすぐ痛めるけど、ちゃんとそこにいる生身のお父さんの方がいい、って着地になるんだな。
うおー、もう泣けるー。
なんて、軽く展開を想像しながら観てたんですけど、これが中盤からカーブを描いて予測を裏切って来まして。
この裏切りがまた良いんですよ!!
例えるなら、『ブレード・ランナー』のレプリカントが自分のアイデンティを求めてさまよったように、『A.I』のデイビットが母の愛情を求めて旅に出たように、すごくSFチックな物語に展開していくんです。
要するに、作られた”偽物”にだってアイデンティティはある問題。
中盤自分の力で危機を救うロボとーちゃん。
敵を倒したはいいけど、みさえが駆け寄るのは救出された本物のひろしの方。
あのシーン良かったですねぇ。
胸にクッときました。
最後の腕相撲も、しんちゃんだから許されるベタな展開だけど、良いんですよねぇ。
ギャグも全編冴えてます。
場内全員、大人も子供も声を出して笑ってました。
ゴールデン・ウィークで家族連れがほとんどの劇場内。
後ろから座席を蹴られるのも程よい4DX加減でよかったと思える。
それは映画本編が良かったから。
<あらすじ>
ある日、ぎっくり腰を治しにマッサージに出かけたひろしが、突然ロボットになって帰ってくる。妻のみさえは驚き戸惑うが、ロボットになったひろしは料理も家事もでき、リモコン操作も可能で便利だった。しかし、それらはすべて、家庭での立場が弱くなってしまった日本の父親たちの復権を目論む謎の組織「父ゆれ同盟(父よ、勇気で立ち上がれ同盟)」の陰謀によるもので、やがて正気を失った父親たちによる「父親革命」が勃発。野原家や春日部市は崩壊寸前の危機に陥るが、ロボットのひろしが息子しんのすけとともに立ちあがる。
映画.comより
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