『映画 暗殺教室』
2015/日本 上映時間110分
監督:羽住英一郎
脚本:金沢達也
製作プロダクション:ROBOT
音楽:佐藤直紀
原作:松井優征「暗殺教室」
キャスト:山田涼介
菅田将暉
山本舞香
橋本環奈
優希美青 他
61点
”黄色い宇宙人がちゃんとしてるだけで良しとする”
今年の頭に己に課したルールで鑑賞。
原作は未読です。
予告が醸していた香ばしさに比べたら、それほどがっかりすることもなく、割と楽しく鑑賞できました。
”殺せんせー”と呼ばれる黄色いタコ型宇宙人。
この宇宙人がちゃんとそれらしく動いてるだけで立派。
着ぐるみの演技にCGを足してるそうで、『寄生獣』含めROBOTやるじゃないか。
正直、漫画原作だとは言え他のキャラの造形がいか原作に寄せた風だったので、鑑賞時この部分には大分助けられました。
他に良かった所は、特に無いんです。
むしろ粗の方が気になる。
これは脚本に関して。
映画化するに当たって、連載漫画的に新たな人物を登場させてお話を動かすのはあまり関心しません。
クリフハンガー的に終わる少年漫画の性質上、再構成が難しいことは理解出来ますがもう一捻り欲しいところ。
とは言え、去年その類いの最底辺を観たので、しっかりラストでキャラを再度集結させてる分かなりマシではあるのですが。
物語の根幹の暗殺を巡る話もよく分からず。
確かに、先生と落ちこぼれ生徒達の交流は見ていて楽しいんです。
生徒に理解があって、生徒達も先生を心の奥では信頼している。でも暗殺のターゲット。
この奇妙な関係が今作の魅力だと思うんですが、正直この映画版一作だと逆にそれがノイズになって肝心な部分で映画に乗れず。
彼等は国から暗殺を以来される訳ですよね。
で、序盤こそ隙あらばと先生の命を狙うんですが、話が進むに従って何となくそれがおざなりに。これは先生との交流が原因だとして納得出来るんですが、中盤で今まで散々学生らしく振る舞ってた生徒達が急に授業なんか受けても無駄だ、暗殺だとのたまうですよ。
これには流石にお前等何を今更と。
間違いなく原作漫画ならそれなりの時間を掛けて描写もされているんでしょうに、今作だとその圧縮で人物の動機がよく分からない話に。
要するに、前述の奇妙な関係を魅力とするのに今作は圧倒的に説得力不足。
肝心の暗殺訓練シーンがないからラストで盛り上がりに欠けるのも痛い。
外しとは言え、クライマックスで泣かせの情緒に走るのも全く以て良く無い。
気になる部分はかなりある割に、あまり悪い印象はありません。
むしろ楽しめました。
ただこれは、演出も演技も劇伴も画面も全てなんとなぁ〜く安っぽいことを考慮に入れての話。
<あらすじ>
名門進学校・椚ヶ丘中学校の落ちこぼればかりが集められた3年E組に、突如として謎のタコ型生物が現われた。すでに月の7割を破壊したというその生物は、1年後に地球の破壊も予告しており、多くの刺客や軍隊が暗殺を試みるも全て失敗に終わっていた。そして謎の生物は、自らの希望で椚ヶ丘中学校3年E組の担任に就任。通称・殺(ころ)せんせーの暗殺を政府から秘密裏に依頼された3年E組の生徒たちは、様々な手段で暗殺に挑む一方で、意外にも生徒思いな殺せんせーのもとで成長していく。
映画.comより
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