『イニシエーション・ラブ』
2015/日本 上映時間110分
監督:堤幸彦
脚本:井上テテ
音楽:Gabriel Roberto
撮影:唐沢悟
編集:伊藤伸行
原作:乾くるみ「イニシエーション・ラブ」
キャスト:松田翔太
前田敦子
木村文乃
亜蘭澄司 他
60点
”目配せが過ぎる”
堤幸彦に対するなんやかんやは置いておくとして、ただただ単純にオチが気になるので観に行って来ました。
結論から先に言うと、悪くは無い、が、良くも無いという、一番つまらない結果に。
これを言ってしまうと詮無いのですが、そもそも原作のお話が好きではないのかも。
とはいえ原作は未読。あくまでこの映画単体での評価はそんな感じ。
悪くは無い、が、良くも無い。
ネタバレ全開です!!
オチが気になる。その一点の興味のみで観に行ったものの、これは強がりでも何でも無く、開始数分で分かりましたよ。
ただこれは、予告なりポスターのキャッチコピーなりで散々煽られて、観る側もそれなりに構えた態度で見ているからで、普通に観ている分には気が付かない、の、かも…。
ここで盛大にネタバラシをすると、同一人物だと思ってた”タッくん”は実は別人で、交際の時期が被ってた、つまり、浮気をされていたという、話してしまえばどうってことはないお話。
それを、導入からの移行でなんとか上手いことごまかせているとは思います。ここは素直に技あり。
ただそれ以降、細かい部分で、よせばいいのに意味深にあるアイテムをアップで映してみせたり、ある台詞を強調してみせたりと、とにかく目配せが過ぎる。
序盤で既にネタの目ぼしは付いている訳で、そこから、ね、これ!これを覚えといてね!ね、この台詞も覚えといてよね!と、やたらと目をぱちくりさせるようにされたら、どんなバカでも気が付きますよ。
最後のネタバラシという興味の持続がなくなれば、残るものは薄っぺらいトレンディドラマのみ。
ただこれは時代観を演出する為の狙いでしょうし、そのベタさ加減と前田敦子の力技(一応ファンではあるので…)で退屈はしませんでした。むしろ楽しめました。
が、これを映画館で観て喜んでいていいのか??
とついつい思ってしまう。
確かに楽しい。が、企画そのものとして、そして堤幸彦の資質として、やっぱりこれはテレビのスペシャルドラマ枠が妥当なのでは。
良かったところとしては、バブリーな日本描写。堤幸彦、ここは流石。
…。のみかな。
役者さんは総じて良かったです。
伊藤歩に激似な木村文乃さんも絶妙に伊藤歩ぽく良かったし、松田翔太もバブルを生きる若者にちゃんと見えてました。
そして前田敦子。自然体な演技が魅力の彼女も、少しアクの強い演技のパワーで持っていく感じ、良かったです。
この映画はだいぶ役者さんの自力に救われている気がする。
説明過多の親切設計。
観にくる層を意識しての語り口なんどろうけど、真面目に観てると馬鹿を見るのはこっちかな。
うーん、2回は観る必要はないと思います。
<あらすじ>
映画は、1980年代後半の静岡を舞台に、奥手で恋愛経験のない大学生・鈴木が、合コンで知り合った女性マユとの日々を通して変化していく姿を描く「Side-A」、就職先の会社で東京本社に転勤することになった鈴木がマユを置いて上京し、本社の同僚・美弥子との出会いで心が揺れる「Side-B」という2つの物語が並行しながら、原作とは異なるエンディングを迎える。
映画.comより
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