『Lost River』
2014/米 上映時間95分
監督・脚本:ライアン・ゴズリング
製作:デビット・ランカスター
ミシェル・リトバク 他
製作総指揮:ジェフリー・ストット
ゲイリー・マイケル・ウォルターズ 他
撮影:ブノワ・デビエ
編集:ニコ・ルーネン
バルディス・オスカードゥティ
音楽:ジョニー・ジュエル
キャスト:イアン・デ・カーステッド
シアーシャ・ローナン 他
80点
”え!?ちゃんとお話がある…!?”
ヒューマントラストシネマ渋谷にて鑑賞。
ポスターアート、タイトルのフォント、パッションピンク使い。
これでレフンを意識していないと見るほうが難しい。
俳優としてのライアン・ゴズリングは好きだし、彼の作品選びに人選もピカイチ。
ただ、仮にも素人の彼が、そんな簡単にレフンが持つ作品に対する絶妙なバランス感覚までは再現出来ないだろう。
と高を括って観に行ったら、あれ、いいじゃない。
しかも、ちゃんとお話がある。
しかもそれが、スリリングでストレートに面白い…!!
確かにルックはレフン的で、デヴィット・リンチ調の作り込まれた世界観。
ただ、そこに貫かれるお話は、凄くベーシックな、いわば”地方の閉塞感もの”でストレートに面白い。
仮に画的なインパクトを抜いたとしても、映画としてはしっかり成立する、結構足腰のしっかりした映画であることに驚きました。監督としては元より、脚本家としてのゴズリングもいいじゃない。
お話としてはファンタジックでも、そこにあるのは実在感のある境遇、人物。
例えば地方にのさばるギャング。ヤンキーですよ。
街を牛耳る、どこにでもいるようなヤンキー。ただ違うのはそのビジュアル。
唇を切り取られて何とも醜い顔そしている。しかもその名が”フェイス”というんだから冗談じゃない。
中盤でのコンビニで彼等と遭遇してしまうシーン。
ギャングの目を盗んで鉄くずを集めている主人公は彼等に目をつけられている。見つかる訳にはいかない。
そこで機転を利かして一緒に来ていたシアーシャ・ローナンが彼等の注意を逸らす。
そこでの問答が本当に恐ろしくスリリング。
絶妙な間と、前述のギャングのビュアルで怖さ倍増。
ライアン・ゴズリング、監督としての演出も流石。
ルックはレフン的なんて表現しましたが、コントラストの効いた炎の捉え方、ゴア描写、湖に沈んでいる街頭の超現実的な雰囲気など、しっかりフレッシュなものを見せてくれるのだからこれもストレートに楽しい。
とあるプレイの描写なんて、ゴズリング、そんなことを考えていたの!?と思わずにはいられない変態加減。テンポも相まって笑えるシーンでした。
そこで踊るか!?普通。爆笑。
パンフレットには、お話の弱さを指摘されたなんて書かれていましたが、いやいや、私はお話こそ楽しみました。
ルックのインパクトに逃げていない姿勢は偉い!
ライアン・ゴズリング監督の次回作を楽しみに待っています。
<あらすじ>
経済が破綻し、ほとんどの住人がいなくなった街ロスト・リバーでクズ鉄集めをしながら生活しているボーンズは、街にまつわるある噂を耳にする。それは、貯水池を作るために街の一部を水の中に沈めたこと、そしてその貯水池にある物が沈んでしまったため、街に呪いがかけられ衰退したというものだった。ボーンズは噂の真偽を確かめるため街を探索するが、それを快く思わないギャングに目を付けられ……。
映画.comより
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