2015年6月24日水曜日

グッド・ストライプス


グッド・ストライプス
2015/日本 上映時間119分
監督・脚本:岨手由貴子
製作:川城和実
小林栄太郎 他
プロデューサー:西川朝子
狩野直人 他
撮影:佐々木靖之
音楽:宮内優 里

キャスト:菊池亜希子
中島歩
臼田あさ美 他

90点








”他人といるから人生は面白い”







どうせオシャレ映画なんだろうと勝手に思ってスルーする気でいたら、何やら評判がいい。
そうなのか、観に行こうかなーと思っていたらTwitterにて監督さんから直接ツイートを拾って頂いてのプッシュ!!
これはいよいよ観に行かねばと新宿武蔵野館へ。


オシャレ映画なんて高を括っていてすみませんでした。
もっとシビアで、無様で、刺さって、でも誰かと一緒にいるっていいなぁと思わせてくれる、でもやっぱり中々にシビアな映画でした。

結婚を控えたカップルが観るべきは今作か『ゴーン・ガール』で決まり!!







意外になかったタイプの恋愛映画。
できちゃった婚はもはや特別なことではない今、今作で特に気になったのは、付き合って長い時間一緒にいても、意外にお互いのことをよく知らなかったこと。
ここに思わずうんうんそうだよなと頷いてしまう。

例えば、学生時代に相手がどんなことをしていて、どんなものが好きだったのか。
いわゆる黒歴史ってやつ。
なんで話さないのか、と言われるかも知れないけれど、言わなかったんじゃないんです。特別言うことでもないかなと、その時は思ってるんです。
別にドライな訳ではなくて。
と、ここまで切々と語ってしまうほど、どうしたって自分に引き寄せて観てしまう。

終止つまらなそうにしている2人。
個人的に、この2人に凄く勇気を貰いました。
というのも、付き合い出して長く経つと避けられないのが倦怠期ってやつ。
個人的な経験として、この倦怠期ってやつになると、この関係をどうにかしようと躍起になって、結果空振り、で、それが裏目に出てジ・エンド。
こんな経験を多々してきたので、ああ、そんな肩肘張らずに、変わっていく関係に少し身を任せるのもいいんだなぁと、そんなことを思ったり。
”理想の関係”の型に無理矢理押し込めるのではなくて、色恋を過ぎたのなら、それはそれとしてその関係を楽しむくらいの気持ちでいればいいんだなぁと、そんな勇気と知恵をいただきました。
ちなみに、この「”理想の関係”に当てはめる」不幸でいうと、正に『ゴーン・ガール』を連想したり。
男として、女としての役割、周りからの体裁、自意識に影響されてあんな悲惨な結婚生活になるくらいならば、お互いに少しの思いやりを持って、変わっていく関係の流れに身を任せるのもアリなのでは。

今作と『ゴーン・ガール』、本当に勉強になります。






女性監督ならではの細かく繊細な演出もお見事。
例えば、序盤にて引っ越し作業を終え寝っころがっている緑の髪を、妹がおもむろに触り出して三つ編みしだす。この何気ない描写が何とも言えずすごくいい。

個人的に好きだったのは、彼の友人達と嫌々食事をすることになった緑が、案の定いじられ、フォローに回ればいいのに、自分も一緒になっていじりだす、あの感じ。で、皆と離れた後に緑が不機嫌になる、あの感じ。






何も起こらないと思っていた自分の人生でも、ふとした瞬間に、正にハっとするような出来事が起こったりする。
一人でいたって、意外にドラマは起こったりする。
どんなに一緒にいたって完璧には分かり合えない他者といるからこそ、人生はよりドラマに溢れたりも、する。

劇中の2人が、結婚を機に関係がより良くなるのかは分かりません。
そのスタートラインに立ったところで映画は終わります。
でも、子が生まれ、3人が家族になれば、より人生はスリリングなドラマに溢れる、はず。

そんな2人に幸多かれ!


<あらすじ>
「森崎書店の日々」の菊池亜希子と、NHK連続テレビ小説「花子とアン」で注目された俳優・中島歩が、「できちゃった婚」することになり、結婚の準備を進めていく中で、それまで知らなかった相手のルーツを知っていくカップルを演じたラブストーリー。若手女性監督の岨手由貴子が、オリジナル脚本で現代的な男女の結婚事情を描いた。ともに28歳の緑と真生は、交際を始めて4年。すでにマンネリ状態になり、お互いに心の中で別れることも考えていたが、その矢先、緑の妊娠が発覚。行きがかり上、結婚することになるが、生まれも育ちもこだわりも全く違う2人は、一緒に住むことになっても揉めてばかりで……。
映画.comより


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