2015年6月13日土曜日

予告犯


予告犯
2015/日本 上映時間119分
監督:中村義洋
脚本:林民夫
企画・プロデュース:平野隆
音楽:大間々昂
撮影:相馬大輔
編集:松竹利郎
原作:筒井哲也

キャスト:生田斗真
戸田恵梨香
鈴木亮平 他

50点




”それとこれとは話は別だ”


最寄りのTOHOシネマズにて鑑賞。
今年一番学生の多い劇場内でした。

観ている最中、とある理由から今年のワースト候補かも…と頭を抱えていると、思わぬ着地に虚をつかれて考えを改めたりもしたのですが、しばらくあれこれ考えていると、いや、やっぱりダメかも。





まず観ている最中、あまりにステレオタイプな”社会”の描かれ方に白けてしまう。
例えば主人公が務めていたIT系の会社の雰囲気。派遣切りが現実の社会問題としてあることは分かります。ただ、そのあまりの演技の大仰さに社会問題云々以前にシーンとして浮いてる印象。
所轄と対立する(もうこの時点で古いのだけど…)公安の描かれ方もあまりに大げさ。
そもそも田中圭さんの敏腕捜査官の役回りに少し厳しいものがあるし、その捜査も勇み足が過ぎる。ラストの突入に特殊部隊を引き連れてましたけど、目を疑いました。

全てが物語を動かす為の展開で、それぞれの行動とその動機に納得がいかない。
シンブンシを追う捜査も、なぜ映像を配信するネットカフェしか調べないのか。
犯行が行われた場所からいくらでも足は付きそうなのに。
多少の映画的な誇張は許せますけど、今作のそれは展開の為の展開なので全くノレず。

ただこれらはまだ細かい部分。
そもそものお話があまり好きではないのかも。






そもそものお話で言うと、司法や警察の手が及ばない”バカ者”に”正義”の鉄槌を下す、言わば自警団もの。
確かに溜飲は下がります。ただ、彼等の行為自体は犯罪行為な訳で、きっと彼等の”正義”とそれを追う”正義”がぶつかって、一つ落とし前がつくんだろうな、何らかの結論が出るんだろうなと思って観ていたら、お話は全く予期せぬ方向へ。
初見時はその思いもよらない着地に、悪くは無いかも、と思っていたんですが、よくよく考えるとダメじゃない。
そもそも、出稼ぎにやって来た父親を探すために騒ぎを起こしたって、もっと他に方法あるだろとしか言いようが無いし、シンブンシの”自警行為”も結局前述の展開のための展開になってしまっていて、話がすり替えられている気がしてならない。






それ以外に気になったのは、ファンタジーとしか思えないラーメン屋で働く小松菜奈の存在。彼女の存在が一番ありえないかも。
ただ、このファンタジーにフィクションラインを合わせるならば、諸々の粗も許せ、るかも、しれない。



<あらすじ>
ある日、動画サイトに新聞紙製の頭巾で顔を隠した謎の男が現われ、集団食中毒を起こした挙句に開き直った食品加工会社に火を放つと予告する。警視庁サイバー犯罪対策課のキャリア捜査官・吉野絵里香は、その謎に包まれた予告犯「シンブンシ」の捜査を開始。シンブンシが単独犯ではなく複数犯であることを見抜く。やがて予告通り、食品加工会社の工場が放火される事件が発生。その後もシンブンシは、警察や法律で罰することのできない犯罪者たちへの制裁を次々と予告しては実行に移す。ついには政治家の殺人予告にまで至り、シンブンシの存在は社会現象を巻きおこしていく。
映画.comより


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