『駆け込み女と駆け出し男』
2015/日本 上映時間143分
監督・脚本:原田眞人
製作:榎望
升本由喜子
住田節子
製作総指揮:大角正
音楽:富貴晴美
撮影:柴主高秀
編集:原田遊人
キャスト:大泉洋
戸田恵梨香
満島ひかり 他
88点
”この真っ当で誠実な映画の存在はうれしい”
こんな映画掛かってるんだと、内容も知らずに飛び込みで鑑賞。
そうしたら、これが抜群に面白い。
本当に観て良かった。
そこそこヒットもしているみたいで、こういう作品にしっかりお客さんが入ってることもすごく嬉しいこと。
映画全体のロケーション、美術、衣装、どれもがしっかり映画の魅力になってる。
特にロケーションと、役者の台詞のリズムが素晴らしい。
考証に関しては詳しいことは分かりませんが、少なくとも観ている間の違和感はない。むしろ、そのロケーションが生む世界観と、台詞の妙を存分に楽しめました。
例えば大泉洋の使い方。
元々喋りが達者に人な分、今作ではその特技を最大限に生かす起用法。
中盤での、追っ手を口八丁でやりこめるシーン。そのリズミカルな言葉とそれに合わせた仕草。回りを巻き込んで空気全体がドライブしていく感じがびしびし伝わる。
大仰な演出は無しで、役者の台詞の妙でシーンを引っ張る。
対象的に、戸田恵梨香のいもっぽさ、満島ひかりの艶やかな台詞回しもいい。
台詞がそれぞれのペースで語られていくから、それがリズムを生んで、グルーヴが生まれるよう。
その台詞で語られる、女達のアクション。
それぞれの離婚への行動が能動的なものとして描かれていることに凄く好感を持ちました。
確かにエピソードを詰めすぎて上映時間は確実に長くなっているけど、それぞれのエピソードの幕引きがさっぱりしている分くどさも中だるみも感じませんでした。
気になったことと言えば、前述の時間のことと、武田信治の眉毛の細さぐらい。
真っ当で誠実に作られた映画。本当に観て良かった。
<あらすじ>
舞台は江戸時代の鎌倉。幕府公認の駆込み寺・東慶寺には離縁を求める女たちがやってくるが、寺に駆け込む前に、御用宿・柏屋で聞き取り調査が行われる。柏屋の居候で戯作者に憧れる駆出しの医者でもある信次郎は、柏屋の主・源兵衛とともに、ワケあり女たちの人生の新たな出発を手助けすることに。
映画.comより
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