『Jurassic World』
2015/米 上映時間125分
監督:コリン・トレボロウ
脚本:リック・ジャッファ
アマンダ・シルバー 他
製作:フランク・マーシャル
パトリック・クローリー
製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ
トーマス・タル
撮影:ジョン・シュワルツマン
編集:ケビン・スティット
キャスト:クリス・プラット
ブライス・ダラス・ハワード
ビンセント・ドノフリオ 他
90点
”もっと歯を!!!!”
キャッチコピーが全てを象徴。
”あのテーマパークが、遂にオープンする。”
そりゃ泣くわ。
目下世界的に特大ヒット中の今作。
その理由は明白で、キャッチコピーが全てを象徴。
つまり、あの、テーマパークが、遂に、オープン!!
この分かりやすさ。それに合わせてシリーズお馴染みの、恐竜が暴れて、逃げる、といったほぼフォーマットに近いお話の安心設計。
これがお客を呼ぶのでしょう。
その意味で今作は正に完璧。
映画序盤、ある兄弟がパークを訪れるところから映画は始まります。
パークに近づくにつれ薄〜くメインテーマが流れ始め、この辺りで涙腺がゆるみ始めます。ゲートをくぐるモノレール。目にたまる涙。
パーク到着。エントランスではしゃぐ兄弟の弟の姿、ジャブのメインテーマのさわりが流れて頬を伝う涙。
ホテル到着、ゆっくりしようと言う言葉に、そんなことは出来ないと言う弟。開ける窓。
目の前に広がるジュラシック・ワールド。涙腺決壊。滝のように流れる涙。
1993年に公開された『ジュラシック・パーク』
リアルタイムの劇場で観てはいませんが、洋画劇場、VHS等でシリーズ通して何度となく観ました。そんな私のような人間からすると、この冒頭数分のマジックの掛かり具合はとてつもないエクスタシーを振り撒いて、私達を夢の世界へと連れて行ってくれるのです。
こんなの泣くわよ。
兄弟の配置も上手くて、兄は恐竜にさほど興味は無く、弟は興奮気味。
パーク開園から数年経って、”恐竜を観る”ことが特別なことではなくなった劇中の世界で、この冒頭数分は弟の視点に寄り添った作りになっています。
つまり、あの弟=私達なのです。あの弟くんの気持ちの盛り上がりと私達の気持ちがシンクロして、スムーズに気持ちを持っていかれる。
正直、この冒頭数分でもう満点です。
お腹いっぱいです。
涙を拭きます。
そこから待っているのは、恐竜が逃げて、こっちも逃げるいつものジュラシック・パークです。そうこなくっちゃ。
「お話、人物の掘り下げが浅い」と言った声をしばしば耳にします。
これに対して言いたいのは、ジュラシック・パークシリーズに関してはこれでオールオーケーと言うこと。勿論気になる所も無くは無いですが、それで評価が傾く程では決してない。
それと、今シリーズに関して私が恐竜以上の肝だと思っているのは、あの一日中走り回り疲れ果てて、その疲労の中で少しの冒険を噛み締めながらまどろむあの感覚。
一作目の、島から離れるヘリの中、グラント博士にもたれながら爆睡するあの兄弟。
恐竜を楽しみ、怖さを知り、少し大人になって、帰ってくる。
その意味で今作それを踏襲した作り。
確かに掘り下げきれてないように見える家族のエピソードも、あの冒険の中で二人の中での家族への意識が変わったと考えれば一貫しているのでは。
冒頭で満点。
そして、最後に待っていた怪獣ショー。
ファンならば、序盤でのある恐竜の思わせぶりな登場のさせ方の、なるほどそう来るかと思わず期待に胸を膨らませる訳ですが、観ている間でそんなことはすっかり忘れ、クライマックス、そう来るかと、おおそう来るかと。それやっちゃうのかと…!!
赤い発煙筒は一作目のオマージュ。
おいそれやっちゃうのかと…!!!!
歯の数の多いものがピラミッドを制す。
もっと歯を!!!!
<あらすじ>
故の起こった「ジュラシック・パーク」にかわり、新たにオープンした「ジュラシック・ワールド」では、ジャイロスフィアという球体の乗り物でめぐる恐竜見学や、モササウルスの水中ショーなどで人気を博していた。さらなる人気を獲得したい責任者のクレアは、飼育係オーウェンの警告も聞かず、遺伝子操作により、凶暴で高い知性をもった新種の恐竜インドミナス・レックスを作り出すが……。
映画.comより
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