2013年7月15日月曜日

真夏の方程式

2013/日本 上映時間129分
監督:西谷弘
製作:亀山千広
畠中達郎
平尾隆弘
脚本:福田靖
原作:東野圭吾『真夏の方程式』

キャスト:福山雅治 (湯川学)
吉高由里子 (岸谷美砂)
北村一輝 (草薙俊平)
杏 (川畑成実)
前田吟 (川畑重治)

永遠の自由研究
 『ガリレオ』の説明はもういいでしょう!!もう説明を省けるぐらい人気な作品ですよ。
まず、個人的な『ガリレオ』に対するスタンスは、原作は未読、テレビシリーズを一回だけ観て、前作にあたる『容疑者Xの献身』は未見でございます。ほとんどガリレオ門外漢と言っていいでしょう。そんな自分がこの、『真夏の方程式』を観たんですが・・・
良かったです、凄くよかったです。なんならほろりと。

 
「”ありえない?”聞き捨てならない」

まず、前述の通り、元はもう国民的と言っていいほどのドラマです。その理由の一つに、”ガリレオ”湯川学教授を福山雅治が演じているとこにあると思うんですね。
彼の、一見すると何を考えているのか分からないミステリアスな部分が、まさにもう湯川教授そのままな訳ですよ。
そんな福山”ガリレオ”なんですけど、ある種ポップアイコン化されたキャラクターになりつつ、いや、もうなっている!!みんな口を開けば「実に面白い」ですよ。モノマネする人たくさん、ネタにした芸人まで登場するくらいですからね。そんなキャラクター、他には『踊る〜』の青島刑事、『古畑任三郎』の古畑警部補、金八先生などなど、ですよ。
そんな、出て来ただけでその場を持っていくような水戸黄門的キャラ、テレビでは良くても映画のスクリーンとなると、どうも自分なんかは身構えて観てしまうんですよね。
何故かというと、テレビ的な面白さと、映画的な面白さは全く別のものなので、スクリーンで「実に面白い」って言われても、ちょっと、冷めてしまうんですよね。良く言えばそれは「待ってました!!」っていう安心感でもあるんですが。




そいでこの劇場版ですよ。そんな湯川教授、しっかり映画用に料理されてました!!
まず演出として、ガリレオのテーマがオープニングで流れません。その代わり、映画用の劇伴が流れるんですけど、ファンの方なんかは、オープニングであのテーマが流れた方が確実に”アガる”と思うんですけど、自分みたいな門外漢は、これから起る事件の不吉な予感を感じてぐっと映画に引込まれましたよ。
そして、観終わった後にマネしたくなるようなガリレオ的な台詞がほぼありません。「”ありえない”?聞き捨てならない」ぐらいですよ(「実に面白い」って言わなかったんじゃないかなぁ)


いつまでも観ていたいシーンでした


そして、一番大きいのが、物語の鍵を握る少年、恭平君ですよ!!
物語の中盤、湯川教授と恭平少年との交流があるんですけど、こういう、気難しい科学者と小生意気な少年のやりとりが個人的に大好きなんですよ。今年だと、『アイアンマン3』での、トニーとハーレー少年との交流がありましたよね。あんなのですよ。
理科なんて役に立たないよ、と言う恭平少年に、湯川教授はペットボトルロケットを使った実験を見せるんです。それに感銘を受けて、恭平少年、湯川教授を「博士」って呼び出すんですよ。なんだよもうそのやりとり、良いよ、凄い良いよ。もうこの2人のスピンオフを観たいくらいですよ。恭平少年の質問を湯川教授が科学的に答えてくみたいな。深夜にやってくんないかな。
そんな2人の関係が先生と生徒みたいであって、湯川教授の言い回しがバッチリはまってましたよ。

ハーレーを対等に扱うトニーがいいのよ!!

ただクライマックスを、少年の一夏の成長みたいな着地にしちゃうと、物語の中心にある、とある家族を巡るお話が霞んじゃいますよ、せっかく締まったのに。それぞれは凄く良いんですけど、ちょっと窮屈な印象。街のエネルギー開発についても一つ着地が欲しかったです。まあ、本筋とはあまり関係無いですけどね。
あと吉高由里子は刑事には見えません。吉高由里子がうるさい、っていう身もふたもない噂は聞いてましたけど、どうみても就活につかれた女子大生にしか見えませんでした。
『横道世之介』の祥子さんはもうドハマりでしたよ。役を選ぶんですね。

杏の水着の色だとか、この映画青が印象的

他に言いたいことが無い訳ではありません。
ガリレオ推理してないじゃん、捜査してんじゃん、とか、被害者のエピシードが投げっぱなしとか。ただ、それ以上に見所がある映画なのは間違いないです。面会室で犯人と湯川教授が対面するシーンは、不覚にもぽろっとさせられました。杏、あんたにもらい泣きだよ。
恭平少年、宿題ちゃんとやるんだよ。「君は一人じゃない」

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