2013年7月15日月曜日

SUPER8

2011/アメリカ 上映時間111分
監督:J・Jエイブラムス
製作:スティーブン・スピルバーグ
J・J・エイブラムス
ブライアン・パーク
脚本:ラリー・フォン

キャスト:ジョエル・コートニー (ジョー・ラム)
アリス・デイナード (エル・ファニング)
カイル・チャンドラー (ジャック・ラム)
ライリー・グリフィス (チャールズ・グリフィス)
ライアン・リー (ケアリー)

 いろんな人が口にしている通り、この映画スピルバーグ作品へのオマージュでいっぱいです。画的にも、お話的にも。ポスターなんてそのものずばりの『未知との遭遇』じゃないですか。
スピルバーグ作品を子供の頃にビデオで観ていた自分にとって、この映画に映るワンシーンワンシーンが一々懐かしく感じられて、観てる間中、映画を好きになった頃の、『E.T』を初めてビデオで観た時の懐かしさを思い出さずにはいられませんでした。

『未知との遭遇』のワンカット

スピルバーグ作品の特徴を、自分のとある後輩の言葉を借りて表現するなら、
"あまりにも壮大過ぎる出来事に、ただただ無力感を感じるしか出来ない主人公たちの成長"にあると思います。
自分たちの日常に、いきなり"途方も無い何か"がやってきて、日常を壊していき、それを乗り越えることで成長するのです。その"何か"というのは、サメでもあるし、宇宙人でもあるし、戦争でもあり、作品によって形を変えて登場します。
そんな日常の異物としてやってきた”何か”に主人公達は、時に仲良くなったり、時に力を合わせて解決してみせたりして、一回り大きくなるのです。

8ミリカメラ(スーパー8)で自主映画

『SUPER8』も、"途方も無い何か"にあたふたする主人公達の話です。
主人公達は、8ミリカメラを使って自主映画を作っているボンクラ少年達なのですが、そんな少年達の中に、ちょっとおませな女の子が仲間として加わります。
こんな美人さんが急に仲間に入ったら緊張しちゃいますよね。ドギマギして、何話せばいいのかわかんないですよ。主人公のジョエル(メイク担当)が、ヒロインのアリスにお化粧をするシーンがあるんですが、そのうぶな心の触れ合いにもう悶絶ですよ。キュン。
だからこのおませさんも、少年世界という日常にやってきた”異物”ですよね(嘘ですよ)

ドギマギするわ

彼らの日常にやってくるものは、例に漏れず、怪物と、何か巨大な陰謀です。
少年達は映画の撮影中、ある列車事故に遭遇します。その事故をきっかけに、街で次々と異変が起こるのですが、観ている側は少年達同様、何がこの街で起きているのか分からないのです。ただ、列車事故が異変に関係していることだけは分かる。でも、その状況をただただ見ていることしか出来ないのです。それは我々観ている側も同様。だからどうしようもなく少年達に感情移入してしまうのです。
そして、遂にあるメンバーに危害が加わったことで、少年達は問題を解決しようと立ち上がります。



撮影も、純スピルバーグ映画的な表現に溢れていました。
例えば、ジョエルが犬の捜索願いの張り紙をするシーン。
まず、張り紙のアップ、次にジョエルの驚いた顔のアップ、そしてカメラが引いて、掲示板に無数の張り紙。どうでしょう、こんなシーン見覚えないですか?
やたらとスローになったり、手持ちカメラをぐわんぐわん動かしたりだとか、言わば”今風"
の表現をせず、こんなような、ちょっと古めかしい表現を駆使しているあたり本当に嬉しくなりましたよ。

張り紙のアップ
 驚き
無数の張り紙

つらつらと書いてきましたが、この映画、決してバランスの良いものとは言えません。
ツッコミ所なんてのも多々ありますし、回収されてない伏線も沢山。オチも納得はいきませんよ(だって"アイツ"ラスト直前で、、、、、だし、結構被害とんでもないぜ!!)
でも、少年達の冒険潭として観れば、中々味わい深い作品であるのは間違いないです。とりあえず自分も8ミリで映画を撮ってみたくなりました。


8ミリでゾンビ映画を撮っているあたり、「桐島、部活辞めるってよ」を思い出したりも

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