『ビリギャル 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』
2015/日本 上映時間117分
監督:土井裕泰
脚本:橋本裕志
エグゼプティブプロデューサー:渡辺正一
プロデューサー:那須田淳
進藤淳一
撮影:花村也寸志
編集:穂垣順之助
キャスト:有村架純
伊藤淳史
野村周平 他
70点
”予備校の授業みたいな映画だな。だが嫌いじゃない”
何やら評判が良かったので鑑賞。
場内大入り、劇場はギャルで溢れかえってる、なんて報告も聞いていたんですが、観た回がレイトショーだったからか入りはまばらでギャルは皆無。残念。彼女達のビビッドな反応を知りたかった…。
と言うのも、現役の女子高生がこの映画を観て、少しでも何かに情熱燃やして取り組もうと決意する。明日にはそんなこと忘れていたとしても、その時感じたことは間違いなく作品から得られたポシティブな感情であって、そんなギャルが一人でもいればこの作品は万々歳な気がするのです。
そして、この映画は間違いなく女子高生達の情熱を燃やさせるパワーを秘めていると思います。
個人的なお話、私自身浪人を経験していまして、一年間予備校に通ってみっちり受験勉強をしていたのですが、この映画が正に予備校の授業そのものな感じ。
とにかく、なんかこう、上手い具合に乗せられていくあの感覚そのもの。
ただそれが、全く嫌な感じじゃない。
今作は受験テクニック的な側面は描かず、主人公と彼女を取り巻く環境に焦点を当てた分純粋に”ビリギャル”の成長物語になっているんですが、そこからもう一つの側面が浮かび上がる。
それが映画全体に漂う予備校の授業感。
ちょっと反抗的なことを言うと、するっと避けてこっちがポジティブになるような言葉で返してくる。
雑談にも力を入れて、生徒との壁を取り払う。
あの全力でポジティブな感じ、ある、ある。
個人的に予備校の授業に入れこんでいた分、有村架純さんが感化されて、将来は先生になる何て言い出した時には思わず笑ってしまいました。
ああ、そんな時、私にもあった。
伊藤淳史演じる塾講師と、前時代的な指導で弟を教育する父との対比としてもこの”予備校感”は機能しているし、観ているこっちまで上手くノセられている気がしなくもないけども、確かにポジティブで前向きではあるから嫌な気持ちにはならない。
そして、伊藤淳史の言葉に感化される現役女子高生は間違いなくいるでしょう。
その意味でも、この”予備校感”はプラスに作用していると思います。
個人的な記憶で少し冷静に観てしまっているだけで、抜群の熱さはあると思います。
個人的に少し気になったのは、父親と弟の掘り下げ不足。
前述の”今の教育”と対比的に描かれる父親の教育。
ここをもうちょっと掘り下げてもいいのでは。
対比としてのバランスもありますし、何よりこのエピソードが凄く魅力的な匂いがするんですよ。
弟の為に寿司を取り、他の家族には手をつけさせないって中々ファンキーな家庭ではないですか。
ベタなくらい嫌みな父の行為をもっと描いてくれていたら、中盤までの燃えもより高まったはず。
エンドロール。
サンボマスターに可能性、捨てるんじゃねぇ…!と言われたらそれは終いですよ。
もし自分が受験生だったら聴いていたでしょう。
最近、やれ裕福なんじゃ、元々成績良かったんじゃ等と揶揄する言葉を目にしますが、果たして何人が今作を観たのかと、読んだのかと。
その言葉に反感を覚え る程には愛着があります。
頑張っている人を笑ったり、足を引っ張るようなこと、よくない。
<あらすじ>
名古屋の女子高に通うさやかは、偏差値30の学年ビリという成績。見かねた母に塾へ通うことを提案され、入塾面接で教師の坪田と運命的な出会いを果たす。金髪パーマに厚化粧、耳にはピアス、極端に短いミニスカートというギャル全開なさやかに面を食らう坪田だったが、さやかの素直な性格に気付き、ふたりは慶應大学への受験合格を約束することに。偏差値30のギャルが、偏差値70の慶應大学現役合格を果たすまでを、笑いと涙で描いていく。
映画.comより
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