2014年9月27日土曜日

舞妓はレディ


舞妓はレディ
2014/日本 上映時間135分
監督・脚本:周防正行
製作:石原隆
市川南
宮前周次
音楽:周防義和
主題歌:小春(上白石萌音)

キャスト:上白石萌音
長谷川博己
富司純子
田畑智子
草刈民代 他


90点






"街が少女を大人に変えた”




♪まーいこーはレイディー まーいこーはレイディー

耳に残るこのメロディが頭の中でいつまでもリフレインしています
大変幸せな気持ちで鑑賞出来ました。






パンフレットのインタビューを読んでも、どの方の感想を見ても、全てに共通するのが主演の上白石萌音さんの魅力に熱を上げる声。

佇まい、歌声、表情。
彼女の存在がまず素晴らしくて、しっかりこの映画の魅力の中心に。

劇中で彼女の成長を見守るのと同時に、生身の彼女の女優としての成長も応援したくなるような、二つの意味で正にシンデレラストーリー。

津軽弁と鹿児島弁のミックスに、大きめのオーバーオールを着て玄関先で舞妓さんになりたいと言うその姿に、映画が終わる頃にはどんな姿になってるんだろうと少し想像したりしてもうなんか良いなぁ...って感じですよ。


タイトルを声に出すと気付く通り、タイトルは『マイ・フェア・レディ』のもじりなんですけど、映画そのものも『マイ・フェア・レディ』に凄く近い作り、というよりほぼベースは同じ。

おぼこい田舎娘が、言葉を覚えて段々と洗練された女性に変わっていくお話。

ここで違うのは、『マイ・フェア・レディ』が、元々のヘップバーンのイメージに”返っていく”のに対して、前述の通りこの作品内でも現実でも、主演の上白石萌音さんが成長をしているということ。

もう一つは、彼女が生活する花街の町と、そこに住む人々が彼女を成長させたということ。
そのことで、地域に密着している舞妓言葉を習得していく過程で、より言語が持つ意味が作品内で強くなっているということです。







劇中で春子が、私はこの町が好きという通り、彼女が生活する京都、特にお茶屋文化のある花街が物語の重要な要素。

そのお茶屋文化をリアリティを持って描くのではなくて、ミュージカルの歌を持って説明する。
この部分がこの映画に満ちている幸福感の大きな部分。
そして、皆で歌って踊るその様子が、春子を取り巻く大人達と皆が住む街全体が彼女のことを見守って、応援して、成長させているんだなと感じさせてくれるんです。


この街で暮らすと決意して、その街に住む人々の力を借りながら少女が成長していくお話で、個人的に『魔女の宅急便』を連想したりも。

『魔女の宅急便』ラストの台詞を引用するならば、

「落ち込んだりもするけれど、私、この街が好きです。」

そういうことです。








個人的なアガりポイントとしては、これまたある女優さんの初々しい魅力に満ちていた『カノジョは嘘を愛しすぎてる』のヒロイン大原櫻子さんが出演していたこと。
しかもミュージカルシーン、富司純子さんの若い頃の役で歌って踊っていました...!!


観ればきっち、帰り道で♪まーいこーはレイディー まーいこーはレイディー♪と口ずさんでるはず。


どうぞ『舞妓はレディ』よろしゅうおたのもうします。


<あらすじ>
舞妓がひとりしかいなくなってしまった京都の小さな花街・下八軒の老舗お茶屋・万寿楽(ばんすらく)に、どうしても舞妓になりたいという少女・春子が現れる。最初は断られた春子だが、そこに居合わせた語学学者の「センセ」こと京野が、鹿児島弁と津軽弁の混ざった春子に興味を示し、彼女が万寿楽にいられるよう取り計らう。かくして万寿楽の仕込み(見習い)になった春子だったが、花街の厳しいしきたりや稽古、慣れない言葉づかいに悪戦苦闘。そしてある日、突然声が出なくなってしまい……。
映画.comより




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