2014年12月28日日曜日

2014年新作映画ベスト10





2014年も幸せなことに沢山の映画を観ることが出来ました。
1月1日に『ゼロ・グラビティ (吹替3D)』を観てたと思ったらあっという間に年末モード。

今年は劇場にて137作品を鑑賞。
そこから旧作を抜いた新作映画104本の中から私の2014年ベスト10を決めました。

12月の頭位からぼんやり作品を選んでみたりしてたんですけど、その時点で30数本。
その中から厳選に厳選を重ね、見返し、悩みに悩んだ10本。

ランキングの総評としては、10位にこの作品が入ってることがもう自分の中では苦慮の跡を表してます。
そして何と言っても、自分の人生においてかけがえのない大切な作品に出会えてしまったこと。これが非常に大きい。

以下ベスト10になります。
ウガチャカー!!




10位.『ラッシュ プライドと友情』


Rush
2014/米・英 上映時間122分
監督:ロン・ハワード
脚本:ピーター・モーガン
製作:ロン・ハワード
ブライアン・グレイザー 他

キャスト:クリス・ヘムズワース
ダニエル・ブリュール
オリヴィア・ワイルド
アレクサンドラ・マリア・ララ





ニキ・ラウダとジェームズ・ハント。二人のキャリアに焦点を絞り、運命の1976年シーズン最終戦までを、駆け抜ける様な語り口で描ききった傑作。
F1の映画なんだ、チンタラしてられるかと言わんばかりにとにかく爽快なまでにタイトでスピード感溢れる作品のテンポ。
その中に、なぜあの場面ニキ・ラウダは復帰出来たのか、なぜあの場面ジェームズ・ハントは勝てたのか、しっかり説得力を持って語る。
その説得力の源が二人のライバル関係であり、友情。

疾走感のある語り口の中に貫かれた、2人の友情がドラマに熱いものを注入。
互いを高め合う男達の熱い友情に乾杯…!!

『インターステラー』も素晴らしかったけど、ハンス・ジマーのエレキギターを使った劇伴もカッコいい。




9位.『超能力研究部の3人』


超能力研究部の3人
2014/日本 上映時間119分
監督:山下敦弘
脚本:いまおかしんじ
向井康介
原作:大橋裕之「シティライツ」
キャスト:秋元真夏
生田絵梨花
橋本奈々未





あの舟木が現役トップアイドル乃木坂46と絡んでるだけで満点。
まさか長編商業映画で”裏”山下監督が観られるとは。
山下監督のフィルモグラフィの中で間違いなく重要な一本になることでしょう。

山下監督の短編的な怪作具合+現役トップアイドル乃木坂46のアイドル映画+全国公開の長編商業映画であること。
この三つが合わさって出来た何とも奇妙な一本。
でもしっかりアイドル映画たり得てるし、しっかり山下作品でもある。
何より面白い。

山下監督で3本挙げろと言われたら、『リアリズムの宿』『リンダリンダリンダ』そして今作『超能力研究部の3人』を挙げます。

アイドル映画は”今”観ることに意味のあるジャンルなので、今入れないでどうすると、そしてこの輝きを刻み込もうと9位に。

そして来年公開の『味園ユニバース』
今作で”裏”山下監督が突き抜けたなら、次作でも絶対突き抜けた”表”山下監督が観られる気がするんですよ。
二階堂ふみ、関ジャニ渋谷すばるをどう料理するのか大いに期待。




8位.『アクト・オブ・キリング』


The Act of Killing
2012/英・丁・諾 上映時間121分
監督:ジョシュア・オッペンハイマー
クリスティーナ・シン
匿名者
製作総指揮:エロール・モリス
ヴェルナー・ヘルツォーク
アンドレ・シンガー 他
キャスト:アンワル・コンゴ
ヘルマン・コト
アディ・ズルカドリ 他




そもそもの題材が既に恐ろしいし、その裏に透けて見える暴力と殺戮に吐き気すら感じる。
演技の果てに、遂に過去の自分の行ないの残酷さに気付いてしまったラスト、アンワルの嗚咽の救いの無さ。あの声が耳から離れない。
この映画があぶり出す、状況がそうならお前だって喜んで人を殺すんだぞという余りに強烈な逃げ場の無い問いかけに目眩すら感じる。

はっきり言ってあまりに不快で見返すかどうか分からないんですけど、この衝撃は入れねばなるまい。




7位.『そこのみにて光輝く』


そこのみにて光輝く
2014/日本 上映時間120分
監督:呉美保
脚本:高田亮
製作:永田守 他
キャスト:綾野剛
池脇千鶴
菅田将暉
火野正平 他




今年の個人的主演女優賞が池脇千鶴さんに決まり。
綾野剛さんも素晴らしいし、菅田将暉さん、火野正平さん、役者陣皆素晴らしいです。

細かな演出も冴え渡ってるし、個人的に特筆すべきは、函館の坂道を活用した広がりのある美しいショットの数々。特に好きなものは、綾野剛と菅田将暉が坂道を自転車で2人乗りするシーン、その奥に見える函館の海。素晴らしいです。

全くの個人的な思い入れなんですが、今作『そこのみにて光輝く』の呉美保監督と、撮影の近藤龍人さん、『超能力研究部の3人』の山下監督と脚本の向井さん。この4人はそれぞれ大阪芸大の同期。この4人が自分の年間ベストに入ってることにほくそ笑んでしまったり。

日本映画は安泰だ。




6位.『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』


Captain America:The Winter Soldier
2014/米 上映時間136分
監督:アンソニー・ルッソ
ジョー・ルッソ
脚本:クリストファー・マルクス
スティーヴン・マクフィーリー
製作:ケヴィン・フェイグ
製作総指揮:ヴィクトリア・アロンソ
ルイス・デスポジート 他
キャスト:クリス・エヴァンス
スカーレット・ヨハンソン 他




大傑作…!!
現実をなぞらえた政治サスペンス、キャップだから出来る肉弾アクション…!!
それらを一本の映画に落とし込むルッソ兄弟の手腕の確かさと、キャップの懐の深さよ…!!

個人的に『アクト・オブ・キリング』の問いかけへの答えでもあって、お上が決めた”正義”が本当に正しいのか。
いや違う、それを自分の頭と目で決めろ。考えるんだ…!!
クライマックスでのキャップの演説がもやもやした考えを全て晴らしてくれました。

ありがとうキャップ。




5位.『ゴーン・ガール』


Gone Girl
2014/米 上映時間149分
監督:デヴィット・フィンチャー
脚本:ギリアン・フリン
製作:レスリー・ディクソン
ブルナ・パパンドレア
リース・ウィザースプーン 他
原作:ギリアン・フリン「ゴーン・ガール」
キャスト:ベン・アフレック
ロザムンド・パイク
ニール・パトリック・ハリス




徹頭徹尾、隅から隅まで完璧。
怖いです、凄く怖いんですけど、お話それ自体が面白いから何度だって見返したい。

今作のロザムンド・パイクは過去最高ですね。
不適な笑みを浮かべる彼女は最高に恐ろしいんですけど、最高に美しいんですよ。
何考えてるのか分からない無防備極まりないベン・アフレックと並べば、やっぱりなんだかんだでお似合いだしバランスの取れたペア。

末永くお幸せに。




4位.LEGO® ムービー』


The Lego Movie
2014/米・豪・丁 上映時間100分
監督・脚本:フィル・ロード
クリストファー・ミラー
製作:ダン・リン
ロイ・リー 他
製作総指揮:アリソン・アベイト 他
マシュー・アシュトン
キャスト:クリス・プラット
ウィル・フェレル




今年最高の映画館体験が今作。
新ピカでの鑑賞、場内満員。
外国の方もちらほらいて、とにかくギャグに笑う笑う。
その笑い声に場内の空気も温まって皆笑う笑う。
頼むからこの時間終わらないでくれと感じた瞬間でした。

レゴがレゴのままでレゴにしか出来ない動きで動いてる。
それだけで素晴らしいのに、想像とは、遊びとは、クリエイトすることとはと言ったメッセージにこの映画がたどり着いた時、涙ですよ。
しかも全くお説教臭く無い。
あくまで笑えるコメディとして描ききる。

お見事満点。




3位.『インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌』


Inside Llewyn Davis
2013/米・仏 上映時間104分
監督・脚本・製作:ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
製作:スコット・ルーディン
製作総指揮:オリヴィエ・クルーソン
ロバート・グラフ 他
キャスト:オスカー・アイザック
キャリー・マリガン
ジョン・グッドマン
ギャレット・ヘドランド
ジャスティン・ティンバーレイク 他




コーエン兄弟がこんなに優しい映画を撮るとは。
一見すると、逃れられない煉獄に捕われてしまったようにも見えるんですけど、私はラストの魂を込めて歌うあの曲。そこに一瞬だけ、彼がそこから抜け出した姿を見てしまうのです。

凍えそうな朝に、長距離ドライブの眠たさ、溶けた雪がしみ込んだブーツ。
細かいディテールも素晴らしい。

今作のLP盤のサントラを買ったんですけど、針を落とす瞬間、最高です。




2位.『6才のボクが、大人になるまで。』


Boyhood
2014/米 上映時間166分
監督・脚本:リチャード・リンクレイター
製作:リチャード・リンクレイター
キャサリン・サザーランド 他
撮影:リー・ダニエルズ
シェーン・ケリー
キャスト:イーサン・ホーク
パトリシア・アークエット
エラー・コルトレーン
ローレライ・リンクレイター 他




”一瞬が私達を離さない”
これに尽きます。

時間と空間を切り取り、その外にも物語が生まれるそれが映画だとの黒沢清監督の言葉がありますが、その究極にして最高。
あの間で終わるラストの続きをメイソンは今も生きているし、自分だって継ぎ目の無い時間を生きている。

独り立ちし、大学へ向かう車が走る道が真っ直ぐ続いていたように、人生は一本の道であり、時間は前に進み、その一瞬は私達を離さない。
その連続を一本の映画にしてしまうなんて、凄まじいし、愛おしいし。

この作品について語りきれる気がしないのは、どうしたって自分の個人的な思い出と結びつてしまうから。

この作品に関わった全ての人に拍手…!!




1位.『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』


Guardians of the Galaxy
2014/米 上映時間121分
監督:ジェームズ・ガン
脚本:ジェームズ・ガン
ニコール・パールマン
製作:ケヴィン・フェイグ
製作総指揮:ルイス・デスポジート
アラン・ファイン他
キャスト:クリス・プラット
ゾーイ・サルナダ
デイヴ・バウディスタ 他





別格にして最高、今年のキング。
どんな最大級の賛辞を持ってしてもこの映画を讃えるのに足ることは出来ません。
とにかく最高。

初見時の興奮、観賞後の余韻。
公開初日に観に行き、終映日にも観に行きました。

白状しますとまだ余韻に浸ってまして、ちょっと自分でも怖いくらいなんですけど、ここでメインのエントリーに書ききれなかった今作のディテールを書き加えておきます。

ガモーラがノーウェアの外の宇宙空間に投げ出され、それをピーターが眺めるシーン。
そのショットの手前にしっかりガモーラの右手が映り、ピーターはそれを見て救出に向かう決心をするのです。
冒頭、中盤、クライマックスと、”手を握ること”が物語の裏でしっかり貫かれているんです。素晴らしい。

劇伴も素晴らしくて、特にザンダー戦でのメインテーマ。
勇ましく盛り上げ、砲撃の目くらましをした所で一瞬「ロナンのテーマ」の旋律を流し、ヨンドゥの掛け声と共に艦隊急降下。と同時にメインテーマどん!!
しかもそのメインテーマが三拍子にリズムが変わって、前のめりに勇ましさが増すのです。素晴らしい!!!!

素晴らしい、素晴らしい、素晴らしい!!
”三つ子の魂百まで”を実感した一年。
合計12回劇場へ観に行きました。
この先これほどまでに劇場へ観に行く作品はあるのだろうか。




10位.『ラッシュ プライドと友情』
9位.『超能力研究部の3人』
8位.『アクト・オブ・キリング』
7位.『そこのみにて光輝く』
6位.『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』
5位.『ゴーン・ガール』
4位.LEGO® ムービー』
3位.『インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌』
2位.『6才のボクが、大人になるまで。』
1位.『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』



笑みがこぼれる10本。
文句無し。




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