2014年12月3日水曜日

書き逃した映画達2014





基本、劇場で鑑賞した映画はなるべく全ての記録を付けるようにしてるのですが、中にはタイミングを逃してしまった映画達もあって。

そんな映画達を、今月末のランキングに向けて記憶を掘り起こしつつ記録を付けました。
大分前に観た作品ばかりで、それ以来思い返していない放ったらかしのものもあるので、感想というよりほぼ印象です。




『17歳』

Jeune&jolie
2013/仏 上映時間94分 R18+
監督・脚本:フランソワ・オゾン
製作:エリック・アルトメイヤー
ニコラス・アルトメイヤー 他
撮影:パスカル・マルティ
キャスト:マリーヌ・バクト
ジェラルディン・ペラス 他

79点




今作以降、『愛の渦』『ドン・ジョン』そして『ニンフォマニアック』と続く”2014年、性!!”シリーズの一作目。そう勝手に命名。

性に目覚め、それに群がってくる男どもを手の中で転がすかのような彼女の変わり様は見ていてとてもスリリング。表情の変化も見物。

彼女は情事の果てに何も見るのか。
続きは『愛の渦』で!!



『それでも夜は明ける』

12 Years a Slave
2013/米・英 上映時間134分
監督:スティーブ・マックイーン
脚本:ジョン・リドリー
製作:ブラッド・ピット
デデ・ガードナー 他
キャスト:キウェテル・イジョフォー
マイケル・ファスベンダ 他

90点




”ある種のライド系ムービー”と評している方がいたけども、正にそう。
突然拉致されて、訳も分からず奴隷になって、突然やってくる救いの瞬間もその意味で生々しい。
中盤でのある長回しは息が詰まる。



『あなたを抱きしめる日まで』

Philomena
2013/英・米・仏 上映時間94分
監督:スティーヴン・フリアーズ
脚本・製作:スティーヴン・クーガン
製作:トレイシー・シーウォード 他
キャスト:ジュディ・デンチ
スティーヴ・クーガン 他

80点



なんでそんなに大人になれるのか!?
と、劇中のスティーヴ・クーガン同様思わずスクリーンに叫びたくなったラスト。

宗教上の理由でやられた仕打ちを、”許す”という行為で包むラストの彼女の選択はとても尊い。



『リベンジマッチ』

Grudge Match
2013/米 上映時間113分
監督:ピーター・シーガル
脚本:ダグ・エリン
ティム・ケルハー 他
キャスト:ロバート・デ・ニーロ
シルヴェスター・スタローン

60点



これ以上に無い燃える企画なのにつくづく脚本が惜しい。
目配せて的なオマージュを散りばめるのはいいから(それはそれで楽しかったりするんだけど)、もっとお話を練ってやり直し!!



『とらわれて夏』

Labor Day
監督・脚本:ジェイソン・ライトマン
製作:リアンヌ・ハルフォン
ラッセル・スミス 他
製作総指揮:マイケル・ビューグ
キャスト:ケイト・ウィンスレット
ジョシュ・ブローリン 他

79点





犯罪者を匿い、恋心と現実の狭間で揺れるなんて、このグレーゾーンぶりは正にジェイソン・ライトマン的。
題材が今まで無くストレートなメロドラマで少々面食らったけどやっぱり面白い。
サスペンスとしても見応えあり。少年の一夏の成長としても素晴らしい。
薄幸な役をやらせればケイト・ウィンスレットの右に出る者無し。

ただ少し甘さの方が残る。



『300 〜帝国の進撃〜』

300:Rise of Empire
2014/米 上映時間102分 
監督:ノーム・ムーロ
脚本:ザック・スナイダー
カート・ジョンスタッド
キャスト:サリバン・ステイプルトン
エヴァ・グリーン

50点



海上戦がメインなのにそれらしい戦い方が全く無いのは頂けない。
エヴァ・グリーンが素晴らしい仕事をしているのだから、両陣営の女同士の戦いにシフトすればよかったのに。最強の男達はもういないのだから、



『春を背負って』

春を背負って
2014/日本 上映時間116分
監督・脚本:木村大作
脚本:木村大作
瀧本智行 他
キャスト:松山ケンイチ
蒼井優

59点



みんな真面目ね。
いい人が、いい理想を持って、いい行ないをする。
するといい人が集まって来て、いいことが起こる。
真面目ね。
こう言う映画があってもいいとは思いますけど、なんでしょう、潔癖過ぎる気がしてしまう。

相変わらず撮影は素晴らしいです。
こんな大自然の前に自分なんて、と少し考えてみたりもします。
ただ全く人物達に現実感が無いから感情移入なんて無理。



『ポンペイ』

Pompeii
2014/米 上映時間105分
監督:ポール・W・S・アンダーソン
脚本:ジェネット・スコット・バチャラー
リー・バチェラー 他
キャスト;キット・ハリントン
エミリー・ブラウニング 他

30点



題材一発の陳腐な脚本。
どう見たってキーファー・サザーランドはイタリア人に見えないだろ。
ってことは置いておいても、安いテレビドラマを見ているようなあの締まりの無い画はどうにかならないのか。



『私の男』

私の男
2014/日本 上映時間129分 R15+
監督:熊切和嘉
脚本:宇治田隆史
製作:藤岡修 他
製作総指揮:永田芳弘
キャスト:浅野忠信
二階堂ふみ 他

75点



前半の北海道での生活描写は素晴らしい。
寒さに頬を赤くしてる二階堂ふみさんなんて最高に可愛らしくて、ふと見せる女の顔にもゾッとする。
ただ場面が大きく飛ぶ度に色んなことがうやむやになっていて、映画的な省略とはいえ流石に物語に関わる部分は説明が欲しいところ。



『DANCHI NO YUME』

DANCHI NO YUME
2008/米 上映時間86分
監督:サム・コール
ジョナサン・ターナー
キャスト:ANARCHY
RYUZO
RUFF NECK 他

90点



中盤での本気度120%の喧嘩を観られただけでも大満足。
ジャパニーズドリームを己のマイクで掴み取ろうとしてる様に胸熱く。
ANARCHYのストレートな言葉が、彼が育った団地の中でより説得力を増す。

惜しいのは、録音の質があまり高く無くて、肝心のラップがあまり聞き取れないこと。



『ダイバージェント』

Divergent
2014/米 上映時間139分
監督:ニール・バーガー
脚本:エヴァン・ドーハディ
ヴァネッサ・テイラー 他
製作:ダグラス・ウィック 他
キャスト:シャイリーン・ウッドリー
テオ・ジェームズ 他

69点



どうせ『ハンガー・ゲーム』的なティーン向け作品なんだろと思って観に行くと実際にそうで。
ただ、好きな箇所もあるしそんなに嫌いではないです。
クライマックスで、序盤での勇気を試すアクションをまた繰り返しやってみせる所とか、良い部分も沢山あります。

ただ完全に続編ありきな設定の使い方、世界観の説明、ラスト。
この一作でのテンションは全体に低め。



『そこのみにて光輝く』

そこのみにて光輝く
2014/日本 上映時間 R15+
監督:呉美保
脚本:高田亮
製作:永田守
菅原和博
キャスト綾野剛
池脇千鶴 他

95点



今年の邦画ベスト。
テアトル新宿での再上映で鑑賞。

どんなに悲惨な状況でも朝はやってくる。
何かの予感を感じさせる、ラストの朝日に染まった海岸と二人の笑顔が忘れられません。



『ヘラクレス』

Hercules
2014/米 上映時間98分
関東:ブレッド・ラトナー
脚本ライアン・J・コンダル
エヴァン・スピリオトポウロ
製作:ボー・フリン
バリーレヴィン 他
キャスト:ドウェイン・ジョンソン
イアン・マクシェーン 他

75点



ドウェイン・ジョンソンa.k.aロック様のアイドル映画。
惜しげも無く披露された肉体、汗。

彼に肉体にひれ伏すのみの98分。
面白かったです。



『デビルズ・ノット』

Devil's Knot
2013/米 上映時間114分 PG12
監督:アトム・エゴヤン
脚本:ポール・ハリス・ボードマン 他
製作総指揮:モリー・コナーズ
マリア・セストーン 他
キャスト:コリン・ファース
リース・ウィザスプーン 他

85点



ロッテントマトでは異常に評価が低くて解せないのですが、いやいや凄い面白いですよ。
胸くそ悪くて、救いが無くて、闇も深い。最高じゃないですか。

アメリカ南部の保守的な人々に悪魔崇拝。
本国だとあまり受けは良く無いのか。



『紙の月』

『紙の月』
2014/日本 上映時間126分
監督:吉田大八
脚本:早船歌江子
製作:池田史嗣
石田聰子 他
キャスト:宮沢りえ
池松壮亮 他

90点




主人公=「与えたい人」
と言うこの作品に対して最高に的を得た言葉を目にしてもう何も言うことが無くなってしまった。

反対のホームの階段を降りる時のスローモーション。
最高に映画的な演出に唸る…!!

吉田監督間違いないです。
手堅いです。



『MUD -マッド-』


『MUD』
2013/米 上映時間130分
監督・脚本:ジェフ・ニコルズ
製作:リサ・マリア・ファルコーネ
サラ・グリーン 他
キャスト:マシュー・マコノヒー
タイ・シェリダン 他

95点



少年の一夏の成長潭として傑作。
マイベストマコノヒーがここにいます。

焚き火を前に缶詰を食べるシーン一発で両者が打ち解ける瞬間を描く分かってる演出。
落ち着いた映画かと思ってたら銃撃戦等ジャンル映画的な見せ場もあったりの飽きさせない作り。

ドライ過ぎず、でもウェット過ぎない。
優しさに満ちた人物への眼差し。
『そこにみにて光輝く』同様、何かの予感を感じさせる、希望に満ちた水平線のラスト。

観終わって晴れやかです。素晴らしいです。




思い返すのに大分苦労しました。
来年からはしっかり全て記録をつけようと心に誓いました。



2 件のコメント:

  1. いつも愛読しております
    Twitterで”ユメオイ”と名のいる者です!
    「そこのみて〜」本当に良い映画でしたよね
    評論読んでみたかったです!

    これからも更新楽しみにしてます

    返信削除
  2. おー、ユメオイさんですね!
    ありがとうございます、嬉しいです!!

    『そこのみにて光輝く』間違いないです。
    今年のベスト級です。

    返信削除

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