『T.S Spivet』
2013/フランス・カナダ合作 上映時間105分
監督・脚本:ジャン=ピエール・ジュネ
脚本:ギョーム・ローラン
製作総指揮:ジャン=ピエール・ジュネ
撮影:トマス・ハードマイアー
美術:アリーヌ・ボネット
原作:ライフ・ラーセン
キャスト:カイル・キャトレット
ヘレナ・ボナム・カーター
ジュディ・デイビス
カラム・キース・レニー
ニーアム・ウィルソン 他
87点
”子の気持ちを親は知らぬし、親の気持ちを子は知らぬ”
シネマイクスピアリにて鑑賞。
絶対に3D推奨!!
3Dであることに意味のある作品。
『6才のボクが、大人になるまで。』が、12年間の時間の流れをそのまま切り取ることで少年の成長を描いていたとすると、今作は10才の少年の世界に対する視点をそのまま映像として見せる楽しさ。
小さな子供が、どんな風に世界を見て、何を考えているのか。
彼の世界に対する見方がそのまま映像になっていて、その語り口に3Dが最大級の効果を上げています。
例えば、スピヴェットが紙に何かを書いたとします。すると、彼の頭の中にある絵がそのまま3Dの飛び出してくる。彼の頭の中の想像が飛び出してくるのです。
ギミック的に飛び出す映像も最高に楽しい。
そして何より彼の視点を追体験出来るという意味でこれは映画でしか出来ない体験。
過去の自分だって、ああやって世界を見ていたんです。
もちろん、彼のように知的な物の見方なんかしてません。
せいぜい泥団子を作って、美味しそうだなぁ〜位のことしか考えてませんでしたけど、でもあの時作った泥団子は間違いなく美味しそうに見えたんです。
誰でもそんな風に物を見ていたんです。
例えバカな私でも。
映像の煌びやかさに負けない芯のあるお話。
時代遅れのカウボーイの父、昆虫の研究に夢中な母、アイドルになりたい姉、双子の弟。
舞台は自然が多く残るアメリカ西部。
個人的に抽象化され過ぎててファンタジーに思えてくるような家族の話が苦手なんですけど、話がしっかりしてるから全く気にならないどころか、キャラのそれぞれが愛おしい存在に。
彼の天才的な頭脳でもっても想像出来ないもの。
それが家族の本当の気持ち。
でもそれは親も同じことで、親は親で色んなことを考えているし、子は子で色んなことを考えている。
そのそれぞれの気持ちが、彼の大胆な行動によって変化。
旅の果てに彼が得た家族の本当の気持ちで彼自身も成長するのです。
本当の気持ちなんか家族だって中々分からないんだから、一人で思い詰めること無いのよ。
3Dがしっかりお話を語っています。
必見!そして3Dで!!
<あらすじ>
米モンタナに暮らす10歳の少年スピヴェットは、天才的な頭脳の持ち主。しかし、時代遅れなカウボーイの父と昆虫の研究に夢中な母、アイドルになりたい姉という家族に、その才能を理解してもらえない。さらに弟が突然死んでしまったことで、家族は皆、心にぽっかりと穴が開いていた。そんなある日、スミソニアン学術協会から権威ある科学賞がスピヴェットに授与されることになる。家族に内緒で家出をし、数々の困難を乗り越えて授賞式に出席したスピヴェットは、受賞スピーチである重大な真実を明かそうとするが……。
映画.comより
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