2014年12月20日土曜日

ホビット 決戦のゆくえ (3D)


The Hobbit:The Battle of the Five Armies
2014/新・英・米 上映時間145分
監督・脚本:ピーター・ジャクソン
脚本:フラン・ウォルシュ
フィリッパ・ボウエン 他
製作:キャロリン・カニンガム
ゼイン・ワイナー 他
製作総指揮:アラン・ホーン
トビー・エメリッヒ 他
音楽:ハワード・ショア
撮影:アンドリュー・レスニー

キャスト:イアン・マッケラン
マーティン・フリーマン
リチャード・アーミティッジ 他

80点




”家に帰るまでが冒険”





前作『ホビット 竜に奪われた王国』がテンションの高いラストで終り、このいけず野郎続きを早く観せやがれ、とスクリーンに叫んでから9ヶ月。
まさか年内にシリーズ完結するとは。

とりえず、『ロード・オブ・ザ・リング』から続く13年に渡る大河、ここに完。
言いたいことがあったとしても、まずはピーター・ジャクソンの労をねぎらうことが先であろう。
ピーター・ジャクソン、お疲れさまでした。

ただ、言いたいことはあるにはある。






前作が少年ジャンプの終わり方か!と思ってしまう位に激アツテンションMAXのクリフハンガー的な終わり方をしただけに、その続きを受ける今作序盤のあっさり加減に正直ガックリ。
倒したと思ったスマウグがレイクタウンへ向かう絶望感溢れるラストに痺れただけに、冒頭であっさり倒される展開、原作がそうだとは言え、ガックリ。

と言うのも、元々この『ホビット』は2部作として企画が進んでいたのだと。
それが当初の予定を外れ3部作構成になり、新たにシーンを付け足したのが3部作目に当たる今作。その為に元々の副題『ゆきて帰りし物語』から、物語に合わせて『五軍の戦い(原題)』へ変更。

なるほど、それならば今作の色々な箇所に合点がいく。
このシリーズにしては上映時間が比較的短いのはそう言うことだったのか。
冒頭であっさりスマウグを倒し、物語は王国を奪還したドワーフ達と、エルフ、レイクタウンの面々の連合軍。そこに目覚めかけたサウロンとオークの連合軍が絡んだ5つ巴の戦いに以降していく訳ですが、この急に違う映画が始まった感も、前述の”大人の事情”を知ったならば納得。

では、肝心の今作の大半を占める合戦シーン。
これが楽しいのかと言うと、画的に手堅く楽しいけども、長い分食傷ぎみで戦術的な見せ場は無く基本数の勝負の戦いなので、各キャラのドラマ的な見せ場で盛り上がっても、戦い自体にはそれほどの新鮮味は正直な所無し。






3部作にした結果、今作を貫く”行って帰ってくるお話”、つまり「ゆきて帰りし物語」感がブレてしまっている気もする。
ただ、それでもラスト、仲間との分かれ、家の扉を開ける瞬間、ここで泣かない訳は無いでしょうよ。
劇中でビルボ関連のシーンでいいタイミングで流れる優しいメインテーマの旋律が良くて良くて。思うのは故郷ホビット庄の風景。

旅の果てに故郷を取り戻した仲間達と別れ、友人ガンダルフともお別れ。
冒険を終え帰って来たその背中は頼もしいもの。
家に帰るまでが冒険なんです。

故郷に着き家の扉を開け、一気に時制が飛び、『ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間』へと繋がるラスト。ここは良いと言う他無し。


レイトショー終り、映画鑑賞後の帰りの駅のホーム。
自分含めた帰路についてる人を眺めてるだけで不思議とグっときていたし、家のドアを開ける手も、いつもより力が入っていた、気もする。






文句が多めになってしまいましたが、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズと言うだけである程度の面白さは確実に保証されています。

シリーズの完結。
ピージャクの労をねぎらう意味でも観ない手は無い。



<あらすじ>
J・R・R・トールキンの名作小説を映画化した「ロード・オブ・ザ・リング」へと続く「ホビット」シリーズ3部作の最終章。ビルボ・バギンズ、トーリン・オーケンシールドら旅の一行は、邪龍スマウグからドワーフの故郷を奪還することに成功するが、怒りに燃えるスマウグは町を襲う。スマウグから取り戻した財宝に執着するトーリンは、友情や名誉も犠牲にしても財宝を守ろうとし、その行為をいさめようとするビルボは危険な選択をせねばならなくなる。そうした中、魔法使いのガンダルフは、さらに恐るべき存在である冥王サウロンの復活に気付いていた。サウロンはオークの大群を放ち、その危機にドワーフやエルフ、人間といった中つ国に生きる各種族は、わだかまりを捨てて団結するか、さもなくば滅びるか、究極の決断を迫られる。
映画.comより





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