2013年11月15日金曜日

清須会議

2013/日本 上映時間138分
監督・脚本・原作:三谷幸喜
製作:亀山千広
市川南

キャスト:役所広司 (柴田勝家)
大泉洋 (羽柴秀吉)
小日向文世 (丹羽長秀)
佐藤浩市 (池田恒與) 他


49点


"今年の0度"
三谷幸喜さんの新作映画が公開される度に繰り返される宣伝を見ていると、安心の”三谷映画”なるブランドが確立されつつあるのだと感じます。

個人的に、あまり三谷さんの映画にいい印象はもってはいません。
ドラマは大好きです。
王様のレストランは小さい頃見てましたし、特に古畑任三郎はDVDをレンタルして全話追っかけて見てました。さんまvs古畑の回は伝説級です。
舞台は観たことありませんが、恐らく間違いなく面白いのでしょう。

じゃあなぜ映画はダメなのか。
あくまで個人的な話ですよ。
世の中には三谷映画ファンがいらっしゃるらしいですからね。気が知れませんが。

個人的には、「これ舞台でいいじゃん。ん?元は舞台なの?じゃあそれでいいじゃん」とどうしても思ってしまうんですよ。
舞台の限定された空間なら面白いんだろうなと。
”お得意”のワンシーンワンカットも舞台ならいざ知らず、手段が目的化してる感じで鼻じらむというか。それこそ舞台でよくないかな、と思う次第でありまして。

特に前作の『素敵な金縛り』はお話的にも構成、演出的にも、誰の目にも明らかにダメだと思ってたんですけど、面白かったと言う人がほとんどで、これは自分の感性がおかしいのかなと少し落ち込みましたね。ただ、この間テレビでやってたのを観ても、やっぱりなんだかなぁ。

しかし、三谷幸喜が時代劇に挑戦と聞いたら、良きに付け悪しきに付けとりあえず観に行くのが映画ファンの務めと感じ、映画館へ足を運びました次第で申し候。






観ていてはっきり分かったのは、前述の”三谷印ワンシーンワンカット”が今作では無かったです。なので、三谷さんの癖が抜けたことで、一番映画的に”普通”の見た目にはなっていると思います。
ただ、あくまで”普通”なのであって、良くは無いです。でも悪くも無いです。

キャスト陣も、総勢26名と豪華に出演されてますが、聞こえは良いですけど全員映すとなると必然的に映画の尺は長くなるもので無駄に長い。

天海祐希さんのくノ一役なんかを見ると、あの天海祐希が忍者!!以上のインパクトは無いし、そもそも出落ちであって笑えないし、うーん、無駄に長くなるなぁと思って観てしまいました。

ただ、会議出席メンバーの四人のとてつも無い安定感は素晴らしい。
その中でも大泉洋の羽柴秀吉は特に良かったです。
中谷美紀の寧役とのコンビで大河ドラマ一本観たいくらいなハマりっぷりだったかと。

ただ、劇中での秀吉の描かれ方がはっきり姑息な奴なんですよ。
そことのバランスを取る為に、元々チャーミングな印象がある大泉洋さんは大正解だと思いますが、ちょっとその”大泉さんイメージ”に頼り過ぎではないかと感じましたね。
個人的に感情移入しづらいキャラクターに思えてなりませんでした。

見ている側としては、丹羽長秀との友情にヒビを入れられた柴田勝家が不憫に思えてきて、どうしても柴田側に感情移入しちゃうんですよね。しかも結局最後はほだされてるだけですし。

重厚な時代劇なら問題は無いですけど、仮にもコメディならもうちょっと、少なくともこの映画の中ではキャラクターとして一工夫欲しかったです。
大泉さんがハマってただけに勿体ない。



自分、役所広司やっぱり好きです。


セットも中々大規模で、衣装もしっかり時代劇してました。
良かったです、と言いたいところなんですけど、そんなに良くもないんですよね。
でも悪くも無い。

前述した通り、三谷さんの癖が無い分、普通の映画度は高いです。
要するに、普通の映画になってます。普通です。
史実を元にしている分、お話の破綻は無いですし。

なんだろう。0度です。
今年見た映画の中でちょうど0度です。
この映画を悪く言ってる人がいても、良く言ってる人がいても、特別何も思いません。
そのくらいのテンション。

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