『Godzilla』
2014/米 上映時間123分
監督:ギャレス・エドワーズ
脚本:マックス・ボレンスタイン
フランク・ダラボン 他
製作:メアリー・ペアレント
ジョン・ジャシュニ 他
製作総指揮:坂野義光
奥平謙二 他
音楽:アレクサンドル・デスプラ
撮影:ジェイマス・マクガーヴェイ
原作:東宝株式会社
キャスト:アーロン・テイラー=ジョンソン
渡辺謙
エリザベス・オルセン 他
89点
”ゴジラがゴジラであるために”
初見を109シネマズ木場にてIMAX3D。
2回目を最寄りのTOHOシネマズにて字幕2Dで鑑賞。
日本に先駆けて”それ以外の国”で公開され、全ての国で初登場1位。
評判も上々、試写で観た方々のテンションも高め。
予告も相当期待が持てる映像。
2回目を最寄りのTOHOシネマズにて字幕2Dで鑑賞。
日本に先駆けて”それ以外の国”で公開され、全ての国で初登場1位。
評判も上々、試写で観た方々のテンションも高め。
予告も相当期待が持てる映像。
期待する諸々の条件は揃ってる。
さあ、ゴジラよ、その咆哮を聞かせておくれよ!!!
私はハードルを上げに上げた状態で観に行きました。
観終わった後に思わず雄叫びを上げている自分の姿は容易に想像出来ました。
ただ、観終わった率直な感想は正直、び、微妙。
良い所は沢山あるし、絶賛派の意見も凄くよく分かる。
でも、何だか乗り切れないし、煮え切らない。
ゴジラを観てこんな気持ちになるとは思わなかった。
もしかして、自分にはゴジラリテラシーが無いのか!?
と、しばらくこの気持ちを引きずったまま日々を過ごし、もう一回観に行く時に為に今作のアートブック「ゴジラ/アート・オブ・ディストラクション」を読み、賛否含めて様々な評論に目を通し、ついでに平成ガメラ3部作を鑑賞。
いざ2回目、完全に置きにいくスタイルで鑑賞。
そしたらですね、参りました。
鳥肌が立つ程、帰りの道中興奮で鼻息が荒くなる程、寝る前にもう一度良かったシーンを反芻してしまう程に楽しめました。
確かに、2回目でも初見で気になった部分は残ってはいます。
でもそれ以上に、見方が分かっている分、良かった部分がより際立って良い。
恐らく3度目はもっと興奮して鑑賞出来るはず。
私はとあるシーンで最高のエクスタシーを感じてしまいました。
このシーンは今のところ今年のベストシークエンスです。
はぁ、エクスタシー。
初見で気になった箇所を挙げると、
・冒頭のファンタジー的ジパング描写
・サンフランシスコ決戦から怪獣側と人間側で話が分岐して話のエモーションが削がれる
・爆弾処理の件が怪獣プロレスに比べてお話として弱いからハラハラしない
・安易な核爆弾の使用
で、良かった点は、
・日本では間違いなく描けない3.11を思わせる原発事故の描写
・人間目線での怪獣描写
・ゴシラの見せ方
・ゴジラ
・ゴジラ
・ゴジラ
になります。
で、この先に挙げた気になるポイントが、2回目の鑑賞でどう変化したのか。
まず、『ラストサムライ』『ウルヴァリン:SAMURAI』的な”ジパング”描写。
これは半分は私の責任で、予告から受けた印象で、勝手に考証のしっかりした日本が描かれているはずと思い込んでいたので、そのおかげで面食らってしまった訳です。
なんだよそれなら先に言ってよと、個人的に”ジパング描写”は全く嫌いじゃないので、そうと分かればその気で観ますよ。
はい、問題なし。
それにこの一幕目は、日本では間違いなく不可能な原発事故を取り上げてくれた点で大いに好感が持てるのでそれで万事OK
二つ目が最も初見時に気になった箇所。
それまで米軍側も怪獣殲滅に動いていたのに、三幕目から爆弾処理に話が移って、怪獣側と人間側で物語が分岐するんですよ。
ゴジラvsムトーの怪獣プロレスに比べると、例え核爆弾が爆発したとしても、今まさに怪獣同士が街を破壊してる様の方が明らかに物語と画としては強さを持つので、爆弾処理の件がお話的に弱くなる。
結果、折角の怪獣プロレスの高いテンションが削がれるんですよ。
これが観ていて一番気になった。
ならば、そもそも安易な核爆弾の使用なんかせずに、『ガメラ2』よろしく、米軍は完全にゴジラの援護に回り微力ながら加勢して、物語を一本の太い話にした方がいいのでは。
それこそほとんど役割の無かった渡辺謙演じる芹沢博士にそこで活躍の場を与えるとか。
観終わったあとこのようにぶーぶー文句を垂れていた訳です。
そして2回目を鑑賞して、このクライマックスに関して完全に見方が変わりました。
これはこれで良かったのです。
まず、クライマックスに至るまでに、人間側の視点がしっかりゴジラへの視線としてしっかり機能していると言うこと。ここが素晴らしい。
見上げることでゴジラの巨大さを表現してるだけではなくて、日常に突然現れた巨大な異物感がしっかり出てる。
ハワイの空港で、爆発の炎をカメラが追うとそこにゴジラの巨大な足が。
そこからの初のゴジラ全身ショット、からの咆哮。
その直ぐ次のシーンではムトーとゴジラの戦闘を伝える報道映像。
この全体に行き届いてる人間の視点を通した怪獣への視線描写は本当に見事で、この視点を保つ為にはやっぱり、あくまで傍観者として別の行動をとる主人公達は必要不可欠。
下手に勇ましく行動されても困る訳です。
しかし、もっとそもそもの理由があります。
神聖なる怪獣同士の戦いに、人間の入る余地など無い!!!!!!
決戦を控えて、劇中にて渡辺謙がこう言います。
「...Let Them Fight」
これですよ。
この台詞が全てを説明しています。
この台詞は戦いへのゴングなのです。
戦わせましょう。この台詞は劇中では祈りにも似た言葉であり、間違いなく私達の願望そのものなのです。
そう考えると、どうです。
今までの不満ポイントが、フッと、消えていくではありませんか。
さあ、怪獣プロレスのゴングは鳴った。
順番は逆だが次はリングインだ。
両者相見える。
逃げる人間達。
奥にゴジラの闘いを見つつシェルターの扉が閉まる。
ここで一旦暗転。
ここから、ここから冒頭で前述した、私が最もエクスタシーを感じたHALO降下のシークエンスになります。
たまらないです。
何度観ても最高です。
雲の上の輸送機。
闘いに向う男達。
開くハッチ。
差し込む太陽の光。
雷鳴とどろく分厚い雲にHALO降下。
足に巻いた赤い発煙筒が一筋の血の様に伸びる。
雲の下はこの世の終りの様なサンフランシスコ。
目に見えるはゴジラとムトー。
聞こえるのは自分の呼吸だけ。
クライマックスの幕開けになるこのシーン。
本当に鳥肌が立つくらいにかっこいい。
素晴らしいです。
今年だと『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』もそうでしたけど、HALO降下ってなんでこんなに素敵なシーンになるのでしょうか。
今年だと『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』もそうでしたけど、HALO降下ってなんでこんなに素敵なシーンになるのでしょうか。
「アート・オブ・ディストラクション」を読むと、このシークエンスはストーリーボードの段階から相当な気合いが入っていたようで、このシーンのアイディアをまとめた時に、”最高にクールな作品”になると確信したのだと。
間違いないです。
最高に痺れました。
今のところの今年のベストシークエンスです。
その他、見せ方として爆煙に浮かび上がる背びれの青白い光、そこからの放射熱線発射。
良い!良い!!
ギャレス・エドワーズ監督、一回小さくジャブを打って、次に大きく繰り出すのが好きみたいで。
本作だと一回鳥で驚かせて、次にドン!!
奥の墜落する戦闘機に注意を引かせて、次に手前に落とす!!
みたいな、ちょっとホラー映画チックな演出も。
間違いないです。
最高に痺れました。
今のところの今年のベストシークエンスです。
その他、見せ方として爆煙に浮かび上がる背びれの青白い光、そこからの放射熱線発射。
良い!良い!!
ギャレス・エドワーズ監督、一回小さくジャブを打って、次に大きく繰り出すのが好きみたいで。
本作だと一回鳥で驚かせて、次にドン!!
奥の墜落する戦闘機に注意を引かせて、次に手前に落とす!!
みたいな、ちょっとホラー映画チックな演出も。
こんな感じで、デティールを取り出せば話は尽きません。
次作の製作も既に決まっているとのことなので、本当に大いに期待して待ちたいと思います。
<解説>
1954年に東宝が製作・公開した日本の特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」を、ハリウッドで新たにリメイク。監督はデビュー作「モンスターズ 地球外生命体」で注目されたイギリス出身の新鋭ギャレス・エドワーズが務め、「キック・アス」のアーロン・テイラー=ジョンソンが主演。日本を代表する国際的俳優の渡辺謙が、オリジナル版の精神を受け継ぐ科学者役で出演するほか、エリザベス・オルセン、ジュリエット・ビノシュ、サリー・ホーキンス、デビッド・ストラザーンらが実力派キャストが集った。
映画.comより
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