『STAND BY ME ドラえもん』
2014/日本 上映時間95分
監督:八木竜一
山崎貴
脚本:山崎貴
音楽:佐藤直紀
原作:藤子・F・不二雄
キャスト:水田わさび
大原めぐみ
かかずゆみ
木村昴
関智一 他
5点
”下品、大味、節操無し”
「一緒に、ドラ泣きしませんか?」
この、いかにも広告代理店が考えそうな品の欠片も無いキャッチコピーが、この企画の全てを象徴。
そもそもドラ泣きってなんだよ。
でもそこは置いておきましょう。
恐らくこのキャッチコピーは外部が付けたものでしょうから。
ただ、本編を観てみると本気で”ドラ泣き”させようとしてるからビックリ。
さすが山崎貴クオリティ、お見事です。
断っておきますと、この映画においてドラえもんは完全に被害者であり、それは観ている私も承知しています。
ドラえもんは大好きです。
以下、今作に対する激烈な文章が続きます。
この映画を純粋に楽しまれた方も多いでしょう。
既にここまでの文章で気分を害された方もいるかと思います、すみません。
どうでしょう、良い感想をご覧になりたい方はYahoo!の星取り表などをご覧になられては。
折角楽しまれたのですから、その気持ちは大切にしましょう。
そもそもドラ泣きってなんだよ。
でもそこは置いておきましょう。
恐らくこのキャッチコピーは外部が付けたものでしょうから。
ただ、本編を観てみると本気で”ドラ泣き”させようとしてるからビックリ。
さすが山崎貴クオリティ、お見事です。
断っておきますと、この映画においてドラえもんは完全に被害者であり、それは観ている私も承知しています。
ドラえもんは大好きです。
以下、今作に対する激烈な文章が続きます。
この映画を純粋に楽しまれた方も多いでしょう。
既にここまでの文章で気分を害された方もいるかと思います、すみません。
どうでしょう、良い感想をご覧になりたい方はYahoo!の星取り表などをご覧になられては。
折角楽しまれたのですから、その気持ちは大切にしましょう。
下品、大味、節操無し。
まず原作の過去の名作エピソードを7つ繋げただけの脚本に辟易。
最初に予告を見た段階では、これはそれぞれオムニバスでやるのかなと思ってたんですけど、まさか繋げてくるとは。
で、この7つのエピソードが所謂ドラえもんの中でも”いい話”に当たるもの達。
この時点で引っ掛かる部分は大いにありますが、いいです。
ちゃんと作品として立派なものが出来ていればいいんです。
しかし、ちゃんと上手くまとまってるなんて声もちらほら聞きますけども、言わせてもらえば一ミリも上手くないですよこれ。
原作エピソードからどこを抜き出して、どこを変えるか。
その選択の全てが見当違い。
例えば、原作だと『のび太の結婚前夜』に当たるエピソード。
しずかちゃんが結婚前夜に父親に本音を吐露する場面。
元の話だと、ドア越しに父親の咳き込む音を聞いて、せき止めていた気持ちが一気に溢れ出るように、「本当はお嫁に行きたくない」と心境を告白。
冒頭の衣装合わせの時、鏡越しに父の背中を見るシーン等々、微細な積み重ねがあってクライマックスに進むのに、なんと山崎監督、それら全てをすっ飛ばして、ドラえもんの道具を使って強制的にしずかちゃんに心の内を吐かさせるんです。
どんな神経をしたらこんな改変が出来るのか。
挙げ出すと切りが無いのですが、もう一つ例を。
本編最後、原作だと『帰ってきたドラえもん』に当たるエピソード。
1998年に公開されたものを観ると、未来へ帰ることになったドラえもんと、それを受け入れたのび太、二人の最後の夜の場面でこんなやり取りがあります。
「のび太くん、寒くない?」
「平気だよ」
この機微の積み重ねなんです。
その手前の、ドラえもんが未来へ帰ることを受け入れられないのび太が逃げ込んだ押し入れでのお父さんとの会話。最後の夕食(特別な派手さの無い、でも精一杯の食卓がまた良い)での、どら焼きの乾杯、未来と過去を繋ぐ桜等々、説明的になり過ぎない程度の細かな心情描写を積み重ねて、もの凄く味わい深い話になってるんです。
これが山崎監督の手に掛かると、間の描写を全てすっ飛ばし、まずとりあえずドラえもんを泣かせる。
何度も何度も。
そして間の描写をすっ飛ばした分、物語の重心を全てジャイアンとの喧嘩に寄せ過剰に演出。
結果残るものは、キャラクターそれぞれのアジテーション泣き。
とにかくお話が大味過ぎて観るに耐えない。
山崎監督は、原作からポイントを抜き出して最短距離で”泣かせ”にかかっているようですけど、その全てが的外れで見当違い。
これは監督の過去作を観れば明らかなことですけど、脚本に関してはこの人本当にセンスの欠片も無い。
ちゃんと作品として立派なものが出来ていればいいんです。
しかし、ちゃんと上手くまとまってるなんて声もちらほら聞きますけども、言わせてもらえば一ミリも上手くないですよこれ。
原作エピソードからどこを抜き出して、どこを変えるか。
その選択の全てが見当違い。
例えば、原作だと『のび太の結婚前夜』に当たるエピソード。
しずかちゃんが結婚前夜に父親に本音を吐露する場面。
元の話だと、ドア越しに父親の咳き込む音を聞いて、せき止めていた気持ちが一気に溢れ出るように、「本当はお嫁に行きたくない」と心境を告白。
冒頭の衣装合わせの時、鏡越しに父の背中を見るシーン等々、微細な積み重ねがあってクライマックスに進むのに、なんと山崎監督、それら全てをすっ飛ばして、ドラえもんの道具を使って強制的にしずかちゃんに心の内を吐かさせるんです。
どんな神経をしたらこんな改変が出来るのか。
挙げ出すと切りが無いのですが、もう一つ例を。
本編最後、原作だと『帰ってきたドラえもん』に当たるエピソード。
1998年に公開されたものを観ると、未来へ帰ることになったドラえもんと、それを受け入れたのび太、二人の最後の夜の場面でこんなやり取りがあります。
「のび太くん、寒くない?」
「平気だよ」
この機微の積み重ねなんです。
その手前の、ドラえもんが未来へ帰ることを受け入れられないのび太が逃げ込んだ押し入れでのお父さんとの会話。最後の夕食(特別な派手さの無い、でも精一杯の食卓がまた良い)での、どら焼きの乾杯、未来と過去を繋ぐ桜等々、説明的になり過ぎない程度の細かな心情描写を積み重ねて、もの凄く味わい深い話になってるんです。
これが山崎監督の手に掛かると、間の描写を全てすっ飛ばし、まずとりあえずドラえもんを泣かせる。
何度も何度も。
そして間の描写をすっ飛ばした分、物語の重心を全てジャイアンとの喧嘩に寄せ過剰に演出。
結果残るものは、キャラクターそれぞれのアジテーション泣き。
とにかくお話が大味過ぎて観るに耐えない。
山崎監督は、原作からポイントを抜き出して最短距離で”泣かせ”にかかっているようですけど、その全てが的外れで見当違い。
これは監督の過去作を観れば明らかなことですけど、脚本に関してはこの人本当にセンスの欠片も無い。
山崎さん、悪いこと言わないからもうCGに専念しなって。
そもそもが名作エピソードにおんぶに抱っこのあまりに志の低い企画。
新しいことをやっての失敗ならフォローも出来るものを、完全に置きにいっての失敗。
3DCGで作品を作るならば、もっとそれ向きな題材はいくらでもあるでしょうよ。
タケコプターで空を飛ぶシーンは凄く良かったんだから、いつものドラえもんの冒険活劇を3DCGにして、ライド感満載に子供向けの夏休み映画にしたらよかったじゃない。
なぜ”ワクワク”を描かないの?
なぜ著名人をCMで起用して、試写で泣いている映像を使うの?
なぜ泣ける映画だと押すの?
本来子供達の為にあるべきものを、大人がいいように食いものにするこの構図に本当に憤りを感じます。
下品極まり無い。
恥を知れ。
宣伝と作品の評価は別ですが、あまりにこの作品を取り巻く宣伝のあれやこれやが気色悪過ぎる。
CGに関しては成長過程の技術的なことなのでとやかく言いたくないのですが、正直違和感。
全体にテンポがせかせかしていて台詞の間が無いもの気になる所。
エンドロールを観るに、恐らくピクサーの猿真似がしたかったんでしょう。
それなら比べて差し上げましょう。
もう何年も前からピクサーはキャラクターのCGでの表情、仕草一つで”泣かせる”ことが出来てますよ。
『モンスターズ・インク』ならばサリーの毛の表現、『カーズ』ならば質感表現、『メリダと恐ろしの森』ならばメリダの髪の毛等々、毎回作品を出す毎に力を入れたポイントがあります。
そのどれも素晴らしいです。
山崎監督、小手先未満のお涙頂戴で満足してる場合じゃないですよ。
勘弁してくださいよ。
山崎監督が本当にやりたかったことは、『ジュブナイル』であり『リターナー』であるはず。
そう考えると、本当に『Always』が彼を狂わせたんだと感じずにはいられない。
最新の技術を使ってキッズに夢を売る作品を作ってた人が、『永遠の0』なんて言う姑息なプロパガンダ映画を作ってしまうことにも驚愕。
恐らく本人は何も考えていないのでしょう。
でも、『ジュブナイル』『リターナー』で『マトリックス』『M:I2』のパクリをする無邪気な無知はまだ許されても、『永遠の0』を無知が理由に言い逃れで来ませんよ。
そして、『Always』から脈々と受け継がれる浅はか極まりないレシピで「ドラえもん」を料理してしまったこと。もう何も言うことはありません。
なにやら今年の邦画ではNo.1ヒットとのこと。
どんなにヒットしようと、誰が褒めようと、私はこの作品が大嫌いです。
恐らく本人は何も考えていないのでしょう。
でも、『ジュブナイル』『リターナー』で『マトリックス』『M:I2』のパクリをする無邪気な無知はまだ許されても、『永遠の0』を無知が理由に言い逃れで来ませんよ。
そして、『Always』から脈々と受け継がれる浅はか極まりないレシピで「ドラえもん」を料理してしまったこと。もう何も言うことはありません。
なにやら今年の邦画ではNo.1ヒットとのこと。
どんなにヒットしようと、誰が褒めようと、私はこの作品が大嫌いです。
<あらすじ>
何をやらせても冴えない少年のび太のもとに、22世紀の未来から、ネコ型ロボットのドラえもんがやってくる。のび太の孫の孫にあたるセワシが、ご先祖様であるのび太の悲惨な未来を変えるために送り込まれたドラえもんだったが、当のドラえもんはあまり乗り気ではない。セワシはそんなドラえもんにやる気を出させるため、のび太を幸せにしない限り22世紀に帰ることができないプログラムを仕込む。かくして仕方なくのび太の面倒をみることになったドラえもんは、のび太がクラスメイトのしずかちゃんに好意を抱いていることを知り、のび太としずかちゃんが結婚できる明るい未来を実現するため、数々の未来の道具を駆使してのび太を助けるが……。
映画.comより
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