『Big Hero 6』
2014/米 上映時間102分
監督:ドン・ホール
クリス・ウィリアムズ
脚本:ジョーダン・ロバーツ
ドン・ホール
製作:ロイ・コンリ
製作総指揮:ジョン・ラセター
音楽:ヘンリー・ジャックマン
原作:スティーブ・T・シーグル
ダンカン・ルーロー
「ビッグ・ヒーロー6」
キャスト:スコット・アツィット
ライアン・ポッター 他
93点
”私はベイマックス。この映画の面白さを保証します”
公開初日、最寄りのTOHOにて鑑賞。
れっきとしたマーベルヒーロー映画なのにも関わらず、日本ではヒーロー映画好きなキッズを無視した、ハートウォーミング押しの予告。
いくら同日公開が『妖怪ウォッチ』だろうともこんな愚行は許されん!!
本来届くべき人に届かずして何が宣伝であろうか。怒り心頭ですよ本当。
ディズニージャパンの宣伝担当の人、駄目です。
何故こんなに怒っているのかと言うと、作品が凄く良かったから…!!
テンポの良い語り口、物語の直線加減、熱いチームワークにベイマックスにロケットパンチ。
やりたいことと観たいもの。
出来上がったものが過不足なく両者を満たす純度100%のエンターテイメント。
あっぱれ。
日本版の予告では姑息に隠されてますが、今作はマーベル印のアクションヒーロー映画。
ハートウォーミングな要素も確かに間違いなくあります。
ただ、物語の核となるのはスーパーパワーで敵をやっつけるヒーロー映画的なお話。
これをスピーディにテンポ良く見せつつ、さらっと泣かせてくる当たりがこの映画の凄い所。
冒頭、ハスラーばりに主人公ヒロがロボットファイトに興じている場面からヒロの大学入学まで。
ここまでの一連のシーンで各キャラの性格、設定をさらりと流れるように説明、巧い。
ハニーレモンのボディタッチの多さにドキドキしながら、ゴーゴーの冷めた態度のガムくちゃくちゃにトキメキながら、各キャラの得意分野を説明するシーンの楽しさ。
余談ですが私はゴーゴー派です。
ゴーゴーと名の付くキャラに心射抜かれたのはGOGO夕張以来です。
この、後にチーム”ビッグヒーロー6”となる彼等が理系の大学生と言うのが本当に効いてて、つまり、自分達が出来ること、その得意分野を駆使してヒーローとなる。このDIY精神が凄く良い。
ベイマックススーツを作るヒロはさながら『アイアンマン』のトニー・スターク。
ベイマックスのスーツに”2.0”とナンバリングしているのが何とも良い。
この設定を更に良くしているのが、アメコミオタクのメタキャラ、フレッドの存在。
彼がいることで私のようなヒーロー映画好きはより感情移入してしまう訳です。
ヒーローになりたい奴がヒーローになる。最高じゃないですか。
開発、訓練を終えて、ベイマックス飛翔。
飛翔シーンってだけでストレートにアガるし(恐らくディズニー初のソニック・ブーム描写!!)、何より描写としてフレッシュだったのが、飛行しながらビルの窓に映った自分を見るシーン。
ヒーローになれてる自分を見る、って描写は中々新鮮で親指グッ。
これだけでも間違いなく良いシーンなんです。
しかし、2度目の鑑賞時、冒頭の兄タダシとの原付2人乗りでの逃走する場面。
敵を交わす為ジャンプをするシーンで、ヒロが窓に映った自分を見てる…!しかも原付の色が赤…!!何で気付かなかったんだ!!
冒頭と中盤での描写の反復で、ベイマックスがヒロにとってどんな存在かを語りきるこの演出。お見事。
このシーン、飛翔の爽快感も相まって鼻水垂らしながら号泣してしまいました。
ヒーロー映画のさらにその奥に貫かれた、この作品だから出来る着地も見事。
ラストのベイマックスの選択。あれはヒロの心を守る為だと考えると、一本筋の通った着地に思えるし、作品を貫くテーマとも合致するもの。
なので日本版の予告もあながち間違いでは無いんです。
ないんですが、恐らくそんなことは考えていないんでしょうよ、偉い人達は。
ロケットパンチに握られていたって所に趣がある訳で、ただの泣けるエピソードではないんですよ。
あえて重箱を突くならば、ミスリードのさせ方がちょっと露骨に感じてしまったことくらい。
ただこれは重箱です。そんなこと気にもならない。
これは無いものねだりなんですが、戦闘で傷ついた仲間をベイマックスが治療するシーンがあれば満点。もしくは棒付きのキャンディを舐めて省略でもいいから挟み込むとか。
ただこれももちろん無い物ねだり。そんなことは気にならない…!!
昨年のベストに入れてる方を多く見ましたが間違いないです。
私もベスト級に好きな作品の一つ。
飛翔シーン。飛ぶとヒロの気分が良くなってると分かったベイマックスの橋から飛び降りる荒治療ぶりも良かったなぁ。
<あらすじ>
最先端の技術が集う都市サンフランソウキョウに暮らす14歳の天才少年ヒロは、自ら開発したロボットを使い、アンダーグラウンドのロボット格闘技に夢中になっていた。ヒロの良き理解者でもある兄タダシは、そんな弟を案じ、自身の通う大学にヒロを連れて行く。タダシの研究仲間やロボット工学の第一人者キャラハン教授と出会い、感銘を受けたヒロは、大学で最先端の科学を学ぶことを決意。しかし、そんな矢先、不慮の事故でタダシは帰らぬ人となってしまう。目の前で兄を失ったヒロは殻に閉じこもってしまうが、そんなヒロの前に、タダシが人々の心と体の健康を守るために開発したケアロボットのベイマックスが現れ、そのおかげでヒロは少しずつ元気を取り戻していく。そして、兄の死の裏に巨悪が潜んでいることに気付いたヒロは、兄のためにも戦おうと立ち上がるが……。
映画.comより
0 件のコメント:
コメントを投稿