2015年2月19日木曜日

チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密


Mortdecai
2015/米 上映時間106分
監督:デヴィット・コープ
脚本:エリック・アロンソン
製作:アンドリュー・ラウザー
ジョニー・デップ
製作総指揮:ジジ・プリッツカー
音楽:マーク・ロンソン 他
撮影:フロリアン・ホーフマイスター
原作:キリル・ボンフィリオ
「チャーリー・モルデカイ(1)英国紳士の名画大作戦」

キャスト:ジョニー・デップ
グウィネス・パルトロウ
ユアン・マクレガー 他

50点






”ダメな『オースティン・パワーズ』みたい”





予告からそれなりの香ばしさは感じていましたが、いざ観てみるとキツいのなんの。

”ダメな『オースティン・パワーズ』”
個人的に気に入ってる言い回しで、これが全てを象徴しています。
2015年にこのクオリティのコメディを観せられるのは本当にキツい。








ギャグに笑えない。語り口がダサい。
笑えないコメディは死ぬ程つまらない。

お話の筋はどうでもいいです。あって無い様なものですから。
少なくともこのお話には緊張感もスペクタクルも何もありませんから置いておきます。
いいんです、コメディだから。

問題はそのコメディとしての語り口。
これが本当にダサい。
一昔前のコメディを見ているような気分。
この、”一昔前”と言うのが中途半端に古くて、ほんの十数年に流行ったコメディのような雰囲気が全編に漂っていて、観ていて何より恥ずかしい気持ちで一杯。

おどけた演技のジョニー・デップのナレーションで進行しつつ、舞台の変更はアニメーションで表現。行く先々でおどけまくって、基本テンション高めになんやかんや。

このテイストで、英国諜報部員が登場するコメディと言うと、どうしても連想してしまうのが『オースティン・パワーズ』シリーズ。

ジョニー・デップのおどけ演技はそのままマイク・マイヤーズのそれとだぶる。
が、全てが中途半端。
今作、ギャグが基本下ネタなんですが、これが何とも痒い所に手が届かない気取った下ネタばかりで。
映画において、下ネタはそれなりに突き抜けないと笑えないんだなと確認。
『オースティン・パワーズ』の”モジョ”を見習いなさいよ。

ジョニー・デップが槍玉に挙がって批判されてますが、私が今作で気になったのはユアン・マクレガーの方。
もちろん彼の演技が悪い訳ではなくて、気になるのはそのキャラに対する演出。
劇中、どこからともなく急に現れたかと思えば、馬鹿をして事態を引っ掻き回して終了する場面が。そのことに対するお咎めは特に無し。

要するに、ジョニー・デップと同様に彼も馬鹿に見えてしまうから、チャーリー・モルデカイのキャラがぼやけるんですよ。

ジョニー・デップ自体が既に他のキャラにも増して浮きまくる程の存在感を持っている訳で、そのパブリックイメージに合わせてのおどけ演技なんだから、彼のキャラが薄まらないように他のキャラに対する演出はもっと薄味でよかったのでは。






昨今の映画界。
CG技術はめまぐるしく進歩を遂げていますが、同様にコメディもしっかり時代に合わせて進化をしているのだなと、この時代に取り残されたような映画を観て感じました。


<あらすじ>
イギリスでフランシスコ・ゴヤの名画が何者かに盗まれる事件が発生し、英国諜報機関のMI5は、ちょびヒゲがトレードマークの美術商チャーリー・モルデカイに捜索を依頼。チャーリーとは大学時代に恋敵だったマートランド警部補も、嫌々ながらチャーリーの知識と情報網を頼ることに。チャーリーは早速、用心棒のジョックを連れて絵画を探しに出るが、盗まれた名画には世界を揺るがす財宝の秘密が隠されていたことがわかり、事態は大富豪やマフィア、国際テロ組織、警察などを巻き込んだ争奪戦に発展する。
映画.comより







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