2013/アメリカ 上映時間112分
監督・脚本:テレンス・マリック
製作:ニコラス・ゴンダ
サラ・グリーン
製作総指揮:グレン・バスナー
ジェイソン・グリークフェルト
ジョセフ・クリークフェルト
音楽:ハナン・タウンゼント
キャスト:ベン・アフレック (ニール)
オルガ・キュリレンコ (マリーナ)
レイチェル・マクアダムス (ジェーン)
ハビエル・バルデム (クインターナ神父)
50点
"理解できる日はくるのだろうか”
テレンス・マリック作品との初めての出会いは2年前の冬。
ブラット・ピットが出ていて、製作に関わっているという噂を聞いて劇場へ行った『ツリー・オブ・ライフ』でした。
でもそれは、ブラピ目当てで観に行った自分にとってあまりにも壮大で途方も無いもので、旧約聖書のヨハネのヨブ記から始まって、宇宙が出来て、地球が出来て、海が広がって、生命が生まれて、人間が誕生してと、ビッグユニバースなお話を、なんと一つの家族のお話に落とし込むんです。しかも全てが抽象的。
正直言って、とにかく、眠い・・・
これは多分、自分の読解力が足りないから眠くなるのだろうと長いこと思っていたんですけど、かの有名な映画評論の重鎮、蓮實重彦さんの評論を読むとこんなことが。
テレンス・マリックの新作『ツリー・オブ・ライフ』は、その目にあまる「謙虚」さの欠如によって、見る側の「寛容」さへの最低限の敬意を装填しそびれており、ことによると映画の存在を肯定したのは人類が犯した最大の誤算ではないかと思わせかねない愚かで醜い作品である。
映画時評2009-2011 蓮實重彦
こてんぱんに、完膚なきまでに叩きのめしておいででした。
眠いって感想で、良かったのかもしれない。
もちろん自分が蓮見先生と同意見などとはこれっぽっち思っておりませんで。
この映画を評価している人ももちろん沢山いますしね。
ただ、学んだことの一つは、自分の感想は自信を持ってしっかり持つべきだ!!と。
それでは、テレンス・マリック監督最新作、『トゥ・ザ・ワンダー』の感想を言いますと、ちょっと眠い。
この映画とても公開館数が少ないので、日比谷シャンテまで観に行って参りました。
お客さんの感じは、いかにもシャンテっぽい、こじゃれたダンディと奥様達。背筋をぴんと伸ばして鑑賞致しました。
家族と生命のお話が『ツリー・オブ・ライフ』だとしたら、『トゥ・ザ・ワンダー』は愛についてのお話。人生において愛とは何を意味するのか。それを、ある男女が出会ってから別れるまでの物語で語っていくんですけど、簡単に言うとこじんまりしたラブストーリーです。『ツリー・オブ・ライフ』に比べて取っ付きやすいお話ではありますね、お話は至ってシンプルでした。
冒頭のモンサンミッシェル周りの海の潮が満ちてくる場面は本当に惚れ惚れするくらい美しくて、二人の愛が満ちていく瞬間でもあるから溜め息ものでした。
テレンス・マリックの特徴として、照明を使わず、太陽の自然光を使って撮影をするんですけど、その効果で画面全体がほんわり暖かいんですよ。映画では中々ない逆光のシーンも多くそれもまた味わい深くて。
日が暮れかけた、一日の終わりのちょっと物寂しい雰囲気もとてもよかったです。
どのシーンを取っても絵画的に美しくて、これだけでも観に来た甲斐があったなと思いました。
お話は至ってシンプル、映像は綺麗、ただ、ただ、その語り口が抽象的すぎる。
冒頭のフランスのシーンこそ親指立ってましたけど、アメリカに移ってからは本当に、眠い。
なんていうんですかね、叙情的っていうんですかね。
正直、あんまり印象に残ってない。
美しい映像しか、記憶に無い。
お話自体はシンプル、『ツリー・オブ・ライフ』より断然分かりやすい。
だがしかし、『ツリー・オブ・ライフ』と比べると、なんです。
やっぱりシャンテ系はまだ早いと実感。
うーん、この映画を理解できる日は来るのでしょうか。
今現在の率直な感想でございます。
でも、主演のオルガ・キュリレンコは『オブリビオン』なんかより断然良かったです。
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