2013年12月23日月曜日

価値ある映画体験2013 -これだから映画って-



世の中、”最低”があれば”最高”もある。

先日、今年の『最低映画体験』についてつらつらと語りましたが、これに付いても言及せねばなるまい。

確かにマナーの悪いお客さんが多いことは確か。
しかし、それでも映画館に映画を観に行くのは、そんな最低な体験が吹き飛ぶぐらいに素晴らしい体験が出来るからに他なりません。

やっぱり映画館で観る映画って最高なんですよね。

言ってしまえば、最低な体験だってそれも一つの映画体験なのです。


そんな訳で、今年の数ある”価値ある映画体験”の中から5つを。



・「oh!!Yeah!!came oooooon!!」『アイアンマン3』
・その時の舞浜は、さながらデトロイトのようだった。『シュガーマン 奇跡に愛された男』
・「ぼく、トイレいってくる」『そして父になる』
・「だから嫌な予感はしてたんだよー、してたんだよー」『悪の法則』
・「申し訳ございません。HK 変態仮面、深夜の回以外全て満席でございます」『HK 変態仮面』




1.『アイアンマン3』
公開初日に、ユナイテッドシネマとしまえんのIMAX3Dで観たんですけど、土地柄なのか、お客さんの半分ぐらいが外国の方だったんですよ。
しかも、妙にボルテージの高い方々ばかりで。

そんな彼らは、映画が始まった途端に大盛り上がりで、冒頭の音楽に合わせてスタークが腰を振る場面で「oh,Yeah!!」と手を叩いて喜んで、あの広い8番スクリーンがみるみるうちに温まっていったんですよ。
その後も、日本人にはニュアンスが伝わりづらい細かいギャグで大笑い。
タトゥーのシーンは場内大爆笑でした。

その場内のボルテージが最高潮に達したのが中盤の空中での救出シーン。
ただでさえも緊迫するシーンなのに、「oh,come on.come on.come on.come oooooon!!」なんて心の声を叫んでくれるもんだからバカみたいに盛り上がりまして、救出成功でハイタッチこそしなかったものの、妙な劇場内には連帯感がありましたね。
なかなか貴重な体験でした。

これは映画館でしか味わえない。
間違いない。



2.『シュガーマン 奇跡に愛された男』
角川シネマ有楽町で観るつもりがうっかり時期を逃してしまいまして。
運良く、舞浜のシネマイクスピアリでも公開してると聞いて喜び勇んで観に行ったんですが、これが『シュガーマン』を観るロケーションとして最高だったんですよ。

JR京葉線がまず良くて、車窓から海が見えるんですけどこれがいい!!
しかもあんまり綺麗な海じゃないところがこれまた良くて。港ですからね。


そして、その海を越えると京葉工業地帯がお出まし。
背の高い煙突から煙が出てる様はデトロイトそのもので、しかも線路挟んだ逆側にはディズニーランドですから、それもかつて自動車産業で栄えたデトロイトの今と昔の様で。
iPodから流れるのはロドリゲスの『Sugar man』

最高だ!!



3.『そして父になる』
自分の席の後ろに、劇中の親子ぐらいの2人組がいたんです。

お母さんに連れて来てもらったようで、男の子はおとなしくちょこんと席に座っていて、地味な映画なのに上映中も静かで、本当に慶太くんみたいで。

映画が終わって、自分含め結構な人がグスングスン言っている中、自分もどうかと思うぐらいに泣いていましたけど、後ろのお母さんも相当泣かれてまして、席から立ち上がれない状態なんですよ。

その様子を察したのか単に気まずくなったのかは分かりませんけど、男の子が「ぼく、トイレいってくるねー」とトコトコと出口に走って行ったんです。

この映画を思い返す度にセットで付いてくる光景ですね。
少年よ、大きくなったらぜひこの映画、見返してくれ!!



4.『悪の法則』
エンドロールが終わるまで席を立たない主義なんですけど、その理由の一つは他のお客さんの反応を聞くためでして。
私のイメージだと、その反応が世評と一致してる感じなんですよ。
生の声を聞けるって意味で、退場の時に他のお客さんの会話に聞き耳を立てること、おすすめです。

『悪の法則』を観た時のこと。
劇場内は、恐らくスターキャストに釣られて来たのか、ライト目なお客さん、しかもカップル比率が高めで、自分の前にも一組のカップルが座ってました。

そんな前のカップル、映画が終わった途端に彼氏の方が、
「だから嫌な予感はしてたんだよー、してたんだよー。あー!かぐや姫にすればよかったわー!!まじつまんねぇ!!」と。
恐らく言い出しっぺなのでしょう、彼女の方は「ごめん!!ごめん!!予想外!!」となだめてるご様子。

まぁ笑いを堪えるので必死でした。
仲直りしたことを祈る!

でも面白かった!!



5.『HK 変態仮面』
恐らく都内だと公開館が新宿バルト9と錦糸町のTOHOシネマズのみだったと思います。

私もバルト9まで行きました。
まぁ、原作ファンと一部の映画好きが集まってるだけで、余裕で席は確保できるだろう。
そう高を括ってました。

9階に着き、エレベーターを降り、チケットカウンターに向かい、受付のお姉さんにこう言います。


「HK 変態仮面」

言えた。
言えたぞ。
これもまた素敵な映画体験。

するとお姉さんはこう言います。

「申し訳ございません。HK 変態仮面、深夜の回以外全て満席となっております」

バカかと。
日本はバカなのか。
『HK 変態仮面』が満席?
もちろん私含め、日本人はバカなのか!?

考えてみるとそりゃそうだ、公開館数が少ないならば、場所が集中するのは当たり前じゃないか。
つまり東京中の変態が新宿のビルの9階に集まっていることになる。

バカかと。
やっぱり日本人はバカなんだ。

まったく、愛すべき国だぜ、ニッポン。




この5つは特に記憶に残ってるもので、他にも、『モンスターズ・ユニバーシティ』でのキッズ達の熱狂ぶり、『人類資金』でのお客さんの睡眠率の高さ、『スプリング・ブレイカーズ』でおじさまが怒りながら途中退席をしたこと、まだまだ沢山あります。
どれもこれも素晴らしい体験ばかり。

こんな体験お家で出来ますか?

DVDで観る映画ももちろん素晴らしい。
でも映画館も素晴らしい所です。


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