2014年7月15日火曜日

マレフィセント(2D)


Maleficent
2014/米 上映時間97分
監督:マーク・ストロンバーグ
脚本:ポール・ディニ
リンダ・ウールヴァートン
製作:ドン・ハーン
ジョー・ロス
製作総指揮:サラ・ブラッドショウ
アンジェリーナ・ジョリー 他
撮影:ディーン・セムラー
編集:リチャード・ピアソン 他

キャスト:アンジェリーナ・ジョリー
シャルト・コプリー
エル・ファニング 他

63点




”実の母の存在を消しておいて真実の愛ってどうなの”





公開初日に鑑賞。
場内大入り満員、右も左も女子女子女子。

これが”アナ雪”効果か。


観ている間は大変楽しく観れて、これはオリジナルが好きならは激怒する人もいるだろうなぁとは思っていても割とポジティブな感想も持ってたんですが、思い返すとハッキリと良く無い箇所が目立ち始めて、そこから芋づるであれよと言う間にマイナスに。

これ良い話かな。


ネタバレ全開なのでご注意下さい。





『アナと雪の女王』の次に『マレフィセント』を持って来た、ディズニーの意図はハッキリ分かります。
今までのディズニー映画の予定調和を意図的に崩しに掛かるのが狙いで、その意味でこの2作は共通しているでしょう。
特に今作は悪役をヒロインに持って来てるのでよりそれが分かりやすい。

その予定調和と言うのが、プリンセスがいて、王子様がいて、そしてふたりは結ばれるってヤツ。

今作と『アナと雪の女王』では、それが”真実の愛”と呼ばれて、『アナ雪』ではアナの自己犠牲で証明されたものが二人の愛。
で、今作『マレフィセント』だと、ネタバレしますよ、マレフィセントのオーロラへの愛が”真実の愛”ってことになるんですけど、これがどうも物語上納得いかないし、不誠実に感じます。






『アナ雪』が兄弟愛だとしたら、今作は言うなれば母性愛。
これは大いに結構なんですけど、劇中しっかりオーロラの実のお母さんが出てくるんですよ。

この実の母がですね、後半物語に全く絡んで来ないどころか物語上完全に存在が消されるんですよ。
それでもって、”真実の愛”がどうのこうのと話を進め、マレフィセントのキスで目覚めるオーロラ。
育ての親であるマレフィセントが真実の愛の持ち主だったと。

実の母の存在をを消しておいて、真実の愛だ何だってそれは無いでしょ。

別にこのアレンジがダメだと言ってる訳では全く無くて、このお話にするのであれば、物語上は母親の存在を完全に消さないと。

『アナ雪』では冒頭にサラッと両親が乗った船が難破するシーンを入れてるんだから、このシーンがあるのと無いのでは物語が大きく変わるんだから、そして『マレフィセント』では間違いなく必要なシーンなのだから、なぜ入れなかった。






そもそも、もともと悪役だったマレフィセントを善玉に描きたいがあまり、他のキャラがあまりにバランスのおかしい人に変わってしまっているのも気になる所。

特に王様のシャルト・コプリーですよね。
最初と最後でまるで別人。
一応の理由としては権力に目がくらんでってことでしょうけど、どうでしょう、マレフィセントの母性を描いてる裏でそれをやるのは露骨過ぎてあまり関心しません。
しかも最後までキャラに対するフォロー無し。


そもそも、特定のキャラに焦点を当てるために、他のキャラを著しく感情移入しずらくして作品のバランスをおかしくするのは本末転倒もいいとこ。






ただですね、その分アンジー”マレフィセント”の溢れる母性がスパークしてるのもまた事実でございまして、トータルのバランスは悪くてもこの部分が突出して良い。

アンジーとエル・ファニングの件はもう、なんだか、もう、良い。
これが観ている間のプラス印象の原因です。

あと飛行シーンの爽快感はグッド。
雲の上まで飛んで静止して、夕日を奥にカメラがグルッと回るあのシーン爽快爽快。

この部分が全て!
他は駄目!!



<あらすじ>
ディズニー・アニメの名作「眠れる森の美女」(1959)を、邪悪な妖精マレフィセントの視点から描き、アニメでは語られなかったマレフィセントとオーロラ姫の間にある隠された物語を明らかにする実写3D映画。アンジェリーナ・ジョリーがマレフィセント、エル・ファニングがマレフィセントに眠りの呪いをかけられるオーロラ姫を演じたほか、ジョリーの娘ビビアンが幼少期のオーロラ姫に扮している。「アバター」「アリス・イン・ワンダーランド」のプロダクションデザインでアカデミー美術賞を受賞したロバート・ストロンバーグがメガホンをとった。
映画.comより





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